雪原 千桜
小説1部発表
あなたの傾向から
夫と親友に裏切られた私
Gavin 結婚記念日のパーティーで, 夫の雅明が私の幼なじみである小春に愛を告白した. しかも, 彼がコンペで大賞を受賞したデザインは, 私が考えたものだった.
私がアイデアを盗まれたと訴えると, 雅明と小春は結託して私を悪者に仕立て上げ, 嘲笑した.
「凛花, 気分が悪いなら控え室に戻れ. こんな騒ぎを起こすな」
冷たく突き放され, もみ合いになった末に階段から転落. お腹の子どもは, あっけなくこの世を去った.
病院で流産の処置を受けている間, 夫は擦り傷を負っただけの小春に付きっきりで, 私には目もくれなかった.
「凛花さんなんてどうでもいいって, 雅明さんは言っていましたから」
電話越しに聞こえた小春の嘲笑が, 私の心を完全に凍らせた.
この時, 私は誓った. 私からすべてを奪ったあの二人を, 必ず地獄の底に叩き落としてやると.