病に堕ちたアルファの哀願
“彼は銀毒症にかかっていた.その伴侶である私は, このとき月光石の婚戒を打ち砕き,"伴侶契約解除申請書"を彼の顔に叩きつけた. 「私は,もうあなたを伴侶として受け入れない」 私の内なる狼は,満足げに喉を鳴らした. 彼の両目は赤く血走り,苦痛に耐えきれず膝を折る. 「......ごめん,愚かだったせいで病にかかってしまった.努力して醜くならないようにする,負担にもならない」 「どうか,どうか俺を見捨てないでくれ.すべてを捧げるから......」 彼は私の脚にすがりつき,必死に懇願する. まるで私がいなければ生きられないかのように. かつて誰もが畏怖し崇めた存在が,いまは地に伏して犬のように卑屈な姿をさらしている. それでも私は彼の痛みを見向きもせず,乱暴に引きずり上げ,月の女神像の前へと連れて行った. 「契約を解く気がないというのなら......私は月神に,あなたへの祝福を取り消すよう願い出る!」”