清水さん、お元気でしたか。元夫の天敵に三年越しで溺愛されています
“三年の結婚生活.清水瑠衣は,愛さえあればあの氷のような男の心も溶かせると思っていた. 土砂降りの夜.死に物狂いで撮影したユキヒョウの写真が,あっという間に,立川蒼空が新しい愛人を写真界の頂点に押し上げるための踏み台と化した. 彼が女の腰を抱きながら表彰台に上がる瞬間,彼女はアフリカの病院で死神とすれ違っていた. 心が凍りつき,離婚届だけを残して立ち去る.己の手で,真の栄光を取り戻すと誓ったのだ. セレンゲティでカメラを構えた時,突如として現れたのは――元夫の宿敵で,資本帝国を掌握する男.極東グループを背に,彼女の前に姿を現した. 「清水さん,お前に情けをかけに来たわけじゃない」 彼は歩みを詰め,オフロード車と自身の胸の間に彼女を閉じ込める.独占欲に濁った声で囁く.「才能ある人間を,そして――立川蒼空が手放した宝物を,愛おしく思うだけだ」 追い詰められ,逃げ場を失った時,瑠衣は初めて理解した.あの低く掠れた声が告げた真実を.「我が物にしたかったんだ.密かに――ずっと前から」 この想い,彼は三年間,密かに育てていたのだ.”