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エースの罠

エースの罠

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第1章プロローグ 

文字数:7023    |    更新日時: 12/08/2021

の子もまた、黒い眼鏡越しに、不安そうに私のことを見つめて

も、そ

たら、その子

が聞こえて、はっとした。 「いい加減にして! あんた、

私のベットの端に腰を下ろし、腕を

「どうかな、ベス。 彼、こ

わ。 エミーのこと、拒絶するはずないわ。永遠の愛を告白すれば

てきた、この言葉。 今日この日を、6年間ずっと待

拒絶したら…どうす

シュバ

セスになりたいの」 9歳の誕生日に、兄の親友のエースがシ

、私のがっかりした顔を見ると、かがみこんで、あの冴えた灰色の瞳で、

ように、ぱっと気持ちが輝いた。 「

して答える。 「ごめん、ロ

ふてくされた

の時じゃないってことさ

つ?」 期待に胸をふくら

バッドが花開くように、

ュバック

も、その時はいつなのだろう。 忘れないよ

、キャシーは言った。 確かにキャシーは、14歳です

けまいと、取り繕ったに過ぎないということを。 でも、そんなことはどうだ

ったロングヘアの方が好きだったけど、 こっ

、兄のトビアスは双子で、 もちろんエースはテスとも、とても仲が良い。 以前エースが、テスの髪型がお気に

ヘアが好きなの」マニキュアを塗ったつめをチェックし

ている。 美しくて上品。 そう、私は彼女たちに嫉妬していた。 でも、いつも付

と、頬が

ドになろうと心に決めた。 ところ

に、テスのスタイル。 テスの部屋に忍び込み、

ない気がする。 テスは、ぴったりとしたミニドレスが、とてもお似合いなの。 体つきも、グラマラスで

もの、いちころよ! エースにエミーの魅力を、気がつ

、うなずく。 そうこなくっちゃ、

まとお姉さまをお迎えできないわよ」通りを

って豪華と評判なので、 皆、この特別なイベントに喜んで参加し

キしてきた。 今夜エースと会うと思うと、緊張する。 それに

わらず、二人は寄り添い、 互いの腰をぴったりつけている

持ちになった。 私とエー

ママの声で

笑いながら、ゆ

ゃんが、すっかり美人になって!」 ママの

」 私は、

もっと派手にしても

格好が、あまり好きじゃないみたい。

たガウンはお気に召さなかっ

っても。 でも、エ

。 でも…それに似合うジュエリ

はう

に思いを寄せていることは、ママも、みんなも知っていた。

なった。 ぼんやりとした記憶の中で、その日のことは今でもはっきりと覚えている。 そして、学校

潮して、顔を

どこにいる

月、彼とチェスをしたとき、今晩来てくれるって約束してく

が遠のいていって、 エースは変わってしまった。 かつては、おっとりして陽気だったのに、だんだん怒りっぽくなって

は、黒のタキシードがよく似合い、テスは、ピンクのミニ丈の妖精のドレスを身にまとい、さながら本物の妖精のよ

ースの姿は見

て、あちこち

にい

かり、よろめき、 私

」見上げると、

らわになっている。 漆黒の髪はバックに整えられ、今日は右眉にリングはなかった。 凛々しい目

せた。 唇を固く閉じて、私の姿をじろじろと見つめている。

いつも

いた。 この格好、気

い?」 私は唇をかんだ。 「

から、首を横に振り、 「俺がどう思おうと、関係ないよ、エメラル

の姿を見てみた。 どこがいけないの

ス家の人々は、プライベートなことをあまり話さないから。 だから、エースのお父さまに本当は何が起こったのかは、誰も知ら

た白のガウンに着替え、メークを落とした。

しい視線を無視して

ゃべりに夢中だったけれ

!」 トビアス

がら、兄たち

てない?お

、兄を抱きしめた。

げた。 「僕のプレゼントはどこだい

、ケーキ作りを習い始めてから、私が焼くレッドベル

蔵庫の中にあるから」そう伝えて、

立っている。 彼は飲み物を片手に

」 テスに腕をからめ

引くと、 「着替えたの?」と言って

ンとたたいたが、 無視された。 すると今度は、エースのグ

と私はうつろな表情で答えた。 視線はエースに

腕をつかんで、友達には聞こえな

するつもりな

と声を上げた。 ど

ぱりと言った。 「いい

た。 「さあね。 姉さんに何が

彼女の声は、癪にさわった。 「わかっていると思うけど、妹として気にかけてくれているのよ、恋人

、半ばあきらめかけていたところもある。 でも、本当はそれ以上の気持ちがあると思う。

てみないと、わ

るのよ。 じゃあ、パーティに戻って楽しんできて、

。 「エメラルド、彼に近寄らない

たいようにやるだけよ、テス。 関係ないでしょ! もう、

深呼吸を1つして、髪を整えた。 今

、自信はどこかに消え失せてしまった。

見つめられても嫌な気持ちにはならなかったけれど

には、もう精一杯だった。 今回のチャンスを見逃したら、次はいつか

スをしないの? ずっ

ら、機嫌が

を縦に振った。 「そうだね、い

ったわ、先に行って、ボードの準備

口すすってうなずく

かすかに煙草の香りが混じる、エキゾチックなエースの

て、 私の背中に、手を回しもせず、

スは、唇を一度まっ

の準備に取りかかった。 小おどりしたい気持ちを

る、と

しても、 ついに現れなかった。 エースがいつ来てもいいよう

って言っ

は最高潮に達していた。 年配者はあらかたお暇し

ている。 でも、彼の姿はどこにも見当たらない。 騒々し

にい

かって歩き出した。 そこにもいなかった。 チ

忘れるは

の部屋に上がろうと思った

が聞こえた。 妙な物音がするので、 バ

バルコニーに足を踏み入

止まり、息さえ苦しくなる。 目の前

からめている。片方の手で彼の髪を触りながら、口を動かして激しいキス

私の心臓を切り裂き、粉々に砕いていった

わせている。 胸が締めつけられるような思いがした。 思

めた後、苦痛に満ちた嗚咽を漏らした。 涙で視界は

引き裂かれ、崩れ

声がしたが、 答えることも、身動きすることもでき

いる光景が何度も脳裏

。 彼女の裏切りを知って、ますます辛くなった。 他人への

切ったの?

たわり、自分の心を抱い

奪っ

*

名等は架空であり、 実在のものとは関係ありません。 登場人

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1 第1章プロローグ2 第2章帰省 (Part One)3 第3章帰省 (Part Two)4 第4章帰省 (Part Three)5 第5章帰省 (Part Four)6 第6章帰省 (Part Five)7 第7章冴えた灰色の瞳 (Part One)8 第8章冴えた灰色の瞳 (Part Two)9 第9章冴えた灰色の瞳 (Part Three)10 第10章冴えた灰色の瞳 (Part Four)11 第11章俺のローズバッド? (Part One)12 第12章俺のローズバッド? (Part Two)13 第13章俺のローズバッド? (Part Three)14 第14章俺のローズバッド? (Part Four)15 第15章悪魔との再会 (Part One)16 第16章悪魔との再会 (Part Two)17 第17章悪魔との再会 (Part Three)18 第18章悪魔との再会 (Part Four)19 第19章負け知らずの勝者 (Part One)20 第20章負け知らずの勝者 (Part Two)21 第21章負け知らずの勝者 (Part Three)22 第22章負け知らずの勝者 (Part Four)23 第23章嫉妬 (Part One)24 第24章嫉妬 (Part Two)25 第25章嫉妬 (Part Three)26 第26章嫉妬 (Part Four)27 第27章嫉妬 (Part Five)28 第28章俺のもの (Part One)29 第29章俺のもの (Part Two)30 第30章俺のもの (Part Three)31 第31章俺のもの (Part Four)32 第32章俺のもの (Part Five)33 第33章人影 (Part One)34 第34章人影 (Part Two)35 第35章人影 (Part Three)36 第36章人影 (Part Four)37 第37章赤毛の女との再会 (パート1)38 第38章赤毛の女との再会 (パート2)39 第39章赤毛の女との再会 (パート3)40 第40章赤毛の女との再会 (パート4)41 第41章私をもてあそんでるの? (Part One)42 第42章私をもてあそんでるの? (Part Two)43 第43章私をもてあそんでるの? (Part Three)44 第44章私をもてあそんでるの? (Part Four)45 第45章私をもてあそんでるの? (Part Five)46 第46章君主が命じる時 (Part One)47 第47章君主が命じる時 (Part Two)48 第48章君主が命じる時 (Part Three)49 第49章君主が命じる時 (Part Four)50 第50章気味が悪い奴! (Part One)51 第51章気味が悪い奴! (Part Two)52 第52章気味が悪い奴! (Part Three)53 第53章気味が悪い奴! (Part Four)54 第54章VIPエレベーター (Part One)55 第55章VIPエレベーター (Part Two)56 第56章VIPエレベーター (Part Three)57 第57章VIPエレベーター (Part Four)58 第58章VIPエレベーター (Part Five)59 第59章君は俺のもの! (パート1)60 第60章君は俺のもの! (パート2)61 第61章君は俺のもの! (パート3)62 第62章君は俺のもの! (パート4)63 第63章後ろを向いて... (パート1)64 第64章後ろを向いて... (パート2)65 第65章後ろを向いて... (パート3)66 第66章後ろを向いて... (パート4)67 第67章後ろを向いて... (パート5)68 第68章匿名の贈り物? (パート1)69 第69章匿名の贈り物? (パート2)70 第70章匿名の贈り物? (パート3)71 第71章匿名の贈り物? (パート4)72 第72章匿名の贈り物? (パート5)73 第73章傷 (パート1)74 第74章傷 (パート2)75 第75章傷 (パート3)76 第76章傷 (パート4)77 第77章彼は行ってしまったの? (パート1)78 第78章彼は行ってしまったの? (パート2)79 第79章彼は行ってしまったの? (パート3)80 第80章彼は行ってしまったの? (パート4)81 第81章彼は行ってしまったの? (パート5)82 第82章テスとの対峙 (パート1)83 第83章テスとの対峙 (パート2)84 第84章テスとの対峙 (パート3)85 第85章夢の悪魔 (パート1)86 第86章夢の悪魔 (パート2)87 第87章夢の悪魔 (パート3)88 第88章夢の悪魔 (パート4)89 第89章夢の悪魔 (パート5)90 第90章アントニオ・レイモンド? (パート1)91 第91章アントニオ・レイモンド? (パート2)92 第92章アントニオ・レイモンド? (パート3)93 第93章アントニオ・レイモンド? (パート4)94 第94章お前が必要だ (パート1)95 第95章お前が必要だ (パート2)96 第96章お前が必要だ (パート3)97 第97章チーズガーリック・シュリンプ (パート1)98 第98章チーズガーリック・シュリンプ (パート2)99 第99章チーズガーリック・シュリンプ (パート3)100 第100章彼の女じゃない (パート1)