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Time Travelling My Love from the Royal Family

最強奥様、裏も表も顔を持つ

最強奥様、裏も表も顔を持つ

雛菊ひな
【ダブル強者+本物の令嬢?名門?極道の女王】 国際最強の武器商人・黒崎零時が心を奪われたのは、婚約者に捨てられ「無能」と嘲られる、名門のお荷物令嬢・森田柊音 黒崎零時は正気じゃない――誰が見たってそう思う。ただの見かけ倒しに心を奪われるなんて。 だけどある日突然、森田柊音のまわりには、近づくことすらためらうような大物たちが集まりはじめた。 みんなが口々に罵った。「この妖精はまだ​​黒崎家に嫁いでもいないのに、もう黒崎零時の恩恵にあずかっている。」 森田柊音を潰せと、無数の人が血眼になって“過去”を掘り返し始めた。 まさか――掘れば掘るほど、彼女の素顔がとんでもなかった。 世界を驚かせた天才科学者、 伝説の医師、 そして冷酷無慈悲な手腕で恐れられる裏社会の次期ボス……全部、彼女だったなんて。 ネットが騒然、財閥が震えた。 その頃―― その夜、最強の軍火商・黒崎零時が弱々しく投稿した。「嫁が俺を毎日、敵みたいに警戒してる。どうすればいい…頼む、誰か教えてくれ」
都市
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 妻と子供だけは助けて欲しい。

 首元に剣を突き付けられてなお、敵国の王はそう言った。

 敗戦国の王がその代償に妻や娘を要求されることはよくある話だ。そうすることで、国は生きながらえるのだから。

 だから、王がその命を賭してまで親族を見逃してくれと言ったその言葉の意味が一瞬理解出来なかった。

 言葉を咀嚼して。

 そういえば、ああ。王には息子がいたと思い出す。

 なるほど、それならこの国はまだ生きる。

 剣を振りかざすと、王は抵抗の意思は見せず真っすぐに私を見つめていた。

 どうしてかは分からないが、その翡翠色の目はどこか私を見据えているように感じて、気持ちが悪い。

 首を刎ねる。

 抵抗はない。

 頭部はりんごのように転げ落ちて、その体は力なく崩れ落ちた。

 転がった頭へ目を向けると、その双眸はぴったりと私の瞳を見つめていた。

 じっと、私を見ている。

 これまで切り捨ててきた者達の目からはそんなこと、微塵も感じなかったのに。

 それなのに、この王は死してなお私をその瞳に捕らえている。

 気持ち悪い。

 じっと私のことを見据えている王の首も、そして見つめられていると感じている私自身も。

 不明瞭な事は不快だ。

 どう対応すべきなのか、分からないから。

 なので、この感情はいったん忘れよう。今は、この王の首を以て戦争を終わらせることのほうが重要である。

 そうだ。

 それに比べたら、私の感情など些細な事だ。

 そう脳内で完結させて、王の髪の毛を掴み持ち上げる。

 戦争はその瞬間に終わりを告げた。

 戦場にいた人間全員が、構えていた武器を下ろす。

 味方は歓声を、敵は悲嘆の声を。

 私は、特に何も思わなかった。

 戦いが終わった。

 ただ、それだけだと。

 

 ……。

「簡潔な報告だ、エメ・アヴィアージュ。それで、何か弁明はあるか」

「ありません」

 弁明という言葉の意味を咀嚼しながら、なぜ管制室に呼ばれるに至ったのかを顧みる。

 数年に渡り続いた隣国との戦争は、敵国の王が討ち取られたことにより終息を迎えた。元はといえば領土の問題、ちょうど間に位置する一つの町がどちらの国に属するのか、町長の話にも耳を貸さずに始めた事。そもそもこちらの国の領土ではあったのだが、維持や資金援助など一切の関与をせずに放置していたところ、隣国がその援助を始めたことで事態は複雑に絡まり合ってしまった。

 ただ、奪い合っていたもの故か、戦後賠償と原因である町をそのままこちらの国が管轄するに留めた。我が国の不行き届きが原因で始まった戦争だ、そのまま国を侵略してはあまりにも格好が付かない。心の狭い、獣のごとき国として知れ渡ってしまうだろう。

 これ以上は干渉しないという話で、表面上は和解したらしい。らしい、というのは、いち兵士である私に細かい事情など知る由もないからだ。表面上というのも、果たして本当に相互和解に至ったのかどうか。まあ、それこそただの兵士の私には関係のない話だが。

それよりも問題は、いまこの状況だ。突然管制室に呼び出されたかと思えば、王の首を刎ねた事の次第を説明しろと上官に言われて今に至る。敵国の王を討伐したのだ。それなのに、一体何の問題があるというのだろう。私はこの国の兵士として、戦争を終わらせるべく戦っただけなのに。

「アヴィアージュ。お前は優秀な兵士だったが、このような形になってしまい残念だ」

 胸を反るようにして椅子の背に身体を預け、尊大に足を組んでいる。士官の証である緑の制服を着て、きっと、本当にそうは思っていないのだろう。とりわけ尊敬もしていない上官にどう思われようが、私にとってはどうでもいいことだ。

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