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異世界に転生したので、魔法+科学で最強を目指します

異世界に転生したので、魔法+科学で最強を目指します

理夢

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 科学者の理玖はある日、目を覚ましたら異世界に転生していた。しかし、せっかく転生したのにもかかわらず自分には漫画のようなチートな能力を持っていない、貴族でもないただの平民。  それでもせっかく異世界に転生したのだから、楽しみたいし、この世界には不思議がいっぱいで面白そうな魔法がある。  すると、ある日、魔法と科学の法則を組み合わせて工夫すれば科学知識の無いこの世界で活躍できるのでは?と思いつきまずは魔法の勉強を猛特訓。  前世元科学者の知識を使い、最強を目指す!  これからどうなっていくのか⁉︎

チャプター 1 一話

パチッ……。

  僕は、朝目を覚ますと見覚えのない部屋にいた。

 すると、タッタッタッと向こうの大きなドアから誰かが近づいてくる足音が聞こえる。

 ここはどこなんだ? それに周りの物はなぜか大きく感じる。

 僕はこの状況に混乱し、とっさにドアから離れるため体を起こした。

 ガチャ……。

 ドアが開き、中に入ってきたのは赤茶色の長い髪にすらっとした身長の高い女性だった。

 すると、その女性は僕に近づいてくる。僕は急な出来事で頭の中が整理できておらず、逃げようと走るために立とうとした。しかし、なぜか足に力が入らず不安定で立てそうにない。そして、僕は足を見てハッと今の現状を少し理解した。

 足が赤ん坊のように小さくなっている。いや、僕は赤ん坊になってしまったのだ。だから、立てなくなっているのは説明がつくし、周りが大きく見えるのもそのせいだろう。

 しかし、なぜ僕は赤ん坊になってしまっているのか、そして、この女性は何なのか、ここはどこなのかが全く理解できない。

「リベル、もう起きたのね。パパの所へ行きましょうか」

とその女は僕を抱き上げてそう言った。

 日本語? だとしたらこの人は日本人なのか、そうでなければハーフでここが日本の可能性がある。この人が日本語を話しているのだから、僕と話が通じるはずだ。 僕はその女性に話しかけようと声を出した。しかし、

「らぁでぶぉくわぁ」

と口が思うように動いてくれない。赤ん坊であるせいか口の筋肉が弱すぎて上手く話すことができないのだ。

 女性が移動した先には、テーブルにご飯が並べられ黒髪の男性が一人座って本を読んでいる。

 男性は僕の顔を見るとニッコリ笑って、 「おお、リベル起きたのか」 と言い、女性の腕から僕を受け取り優しく抱いてくれた。

 そして、その後男性と女性の方は一緒に朝食を食べ、僕は母乳をもらった。母乳をもらった時は、はじめは驚いて顔を真っ赤にしてしまったが赤ん坊なので仕方がないと思いつつも慣れることができない。

 僕は、時間が過ぎることで分かってきた事がいくつかあった。僕の名前はリベル・フォーマルで、この女性と男性は僕の母や父となっている人。そして、ここは僕の知っている世界ではないと言うこと。

 僕の知っている世界ではないと言うことは、ここは異世界だ。なぜそう思ったのかというと、母が包丁で指を切ってしまった時、魔法を使って自分の怪我を治したからだ。そして、もう一つ日本ではないと思った理由が周りの物だ。家は木で作られており、中世のヨーロッパ風の建物になっているため、科学技術が発達している日本とは大違い。

 これは、間違いなくアニメや漫画でいう異世界転生というやつではないか? と僕は少し興奮してしまった。

 前世では科学者の陰キャオタクだったが、自分が仕事や人間関係の息抜きでしていた異世界ゲームや漫画をこの世界で体験できるかもしれない!  僕のオタクモードにスイッチが入った。

 転生といえば、チート能力で敵を倒したり、貴族になったりと、新しい人生をゲームのように楽しく生きられるのが多い。

 そして僕は、まず自分の転生先の状況をよく考えてみることにした。僕の父や母の様子を見ると貴族ではなくただの平民、自分の顔を鏡で見てみるといたって普通、魔力を出せるかどうか目を閉じて集中すると、かすかに感じるが生まれつき天才の魔力量ではなさそうだ。

 え? 待てよ、これじゃ転生先はただの平民じゃあないか⁉︎ 身分も顔も才能もない⁉︎ いや、でも残りの希望はまだあと一つだけある。

 それは、冒険者になることだ!

 冒険者になれば漫画のような戦闘系バトルや楽しい人生を送れるかもしれない。そのためにはかっこいい剣の使い方や近距離の戦闘、魔法ができた方が良いだろう。

 よし、まずは魔法の勉強を頑張ろう!

 僕の前世は科学者だったから、自分の科学の知識と魔法を組み合わせるとそれこそがチートになるかもしれない!

 この異世界転生という貴重な体験を無駄にせず、新しい楽しい人生を送るためにまずは勉強することにした。

『蟻の思いも天に届く』だ! さあ、頑張ろう!

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