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虚~ホロウ~Project 虚無の始まり [新編版]

虚~ホロウ~Project 虚無の始まり [新編版]

虚無(うつな)

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これはカクヨムにて投稿している虚~ホロウ~Projectの一作目やHollowQuestなどを一から書き直したものになります。 ある少女とその兄はあることをきっかけに自分たちの存在の因縁と向き合うことになる。壮大な因果は様々な人物や感情、過去を巻き込んでいく…。虚~ホロウ~Project第1弾です。

チャプター 1 プロローグ

気が付くと、何もない白い空間にいた。見ているだけで気が遠くなっていく。ふと足元を見ていると自分の体が見えない。まるで自分がこの白に溶けていくような感覚だ。そんな虚ろな気持ちの中、自分の心が無くなっていくような不思議な虚無感を感じ、意識が消えていった。

一人の男がショッピングモールのベンチに座っていた。

「お兄ちゃん!」

一人の少女が男に声をかける。

「何だ?そんなに急いで。」

「こっちに来て!」

服を引っ張られながら着いた先は衣服店だった。

「私ってどんなのが似合うと思う?」

少女はそう聞いてきた。

「未離が喜ぶならどんなものでも文句は言わないぞ。」

そう言うと未離は頬を膨らませて軽くたたいてきた。

「お兄ちゃんはいつもそうなんだから!自分は見た目なんか気にしないだろうけど、私だって立派な女の子なんだからね!ちょっとは…その、気にしてよね。」

未離は腕を組んでそっぽを向いた。

「はぁ、分かったよ。今度こそはきちんとお前を見てやる。ほら、だから機嫌を直してくれ。」

「まぁ、いいけど。お兄ちゃんはいつもそう言って…」

その瞬間信じられないことが起こった。未離の体が徐々に薄くなっていった。

「お兄ちゃん!」

未離はこちらに手を伸ばす。

「未離!」

そう叫んで手を伸ばしたが、彼女はもうそこにはいなかった。

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