100点満点の離婚計画
“三年間,私は黒い日記帳に,ゆっくりと死んでいく結婚生活を記録し続けた. それは「離婚までの100点プラン」. 夫である蓮が,初恋の相手,愛梨を私より優先するたびに,ポイントを引いていく. 点数がゼロになったら,私は家を出る. 最後のポイントが消えたのは,彼が交通事故で血を流す私を置き去りにした夜だった. 私たちは,あれほど祈った子供を授かり,妊娠八週目だった. 救急治療室で,看護師たちが必死に彼に電話をかけていた. 彼は,私が死にかけているこの病院のスター外科医なのだ. 「神宮寺先生,身元不明の女性です.O型Rhマイナス,大量出血しています.妊娠中で,母子ともに危険な状態です.緊急の輸血許可をお願いします」 スピーカーから聞こえてきた彼の声は,冷たく,苛立っていた. 「無理だ.俺の最優先は白石さんだ.その患者にはできる限りのことをしてやれ.でも,今はこちらから何も回せない」 彼は電話を切った. 元カノが簡単な処置の後に万全の態勢でいられるようにするためだけに,自分の子供を見殺しにしたのだ.”