人が武器を越える時/TRANS
めよ
の声が告げた。風の音とこすれ合う低木
りがとう
な、ハン。もう茂み
緊張した少女の高い声。後者は二十代後半
それ以上続けたら発覚する可能
、分か
。最悪カルフォルニアの砂でも持
わないでくれよ。
思慮の欠片も無い男性からの軽口。彼女らの周囲に
返事は苦みを帯
ゃあ
的な問題じ
任務前だから集
人から叩かれる始末。澄んだ空気を通して照ら
わいいアンジュちゃんに
君は何で何時も空気
ゃん”付け止め
だよ。分かった、集
ならず、軽くストレッチをしてようやく気を引
ている。表示される数字はもうじき日付が変わる事
撃するからそれまで
も用意しといてくれ。あとブリトー
ョウ
や抑えられた叱りと同時に、耳に当
めようか。三、
ーク
お
定する。通信を切り、二つの影は草をかき分けながら、目前一キロメ
走って
く白い廊下。後ろから足音
いた曲がり角。“
イザーヘルメットが覆う。背中にはアサルトライフル―
隙の生まれた側頭部を狙い右裏
自分を羽交い絞めにした。他
もった呻き声。拘束する力が抜け、も
と、黒い姿が痙攣する。担いだ人体を投げ捨て
一人、手に持った棒状の物体が差し出さ
右手で受け取る。そして掴んだままの相手の左手首
三つの黒い人影。そして三本の
遅
ョンの如く三本の腕の
のバトンが弾かれ、床や壁を叩
きながら腰を落とす。振り回して空中に
方のパンチをはたき、左方の前
空いた右手で何とか捌くが、
寄せ、頭を下げる。鈍い音──右方
り折る。軸足を踏み換え、左方の顔面へ左足裏
へ、膝の一撃。後頭部から壁に叩き付けら
火薬音。同時に
た。本能的に危機を察知し、引
た無機質な表面は、一切の表情と人の気配を感じさ
進。今度は正面に三体のロボットが待ち
と良い。加速――
―銃口。そ
は体ギリギリを掠め、
め前方へ跳び込み、地面を転がる。続け
遂に中央のロボットの足元へ滑り込み、脛を
倒れる。立ったところ
揺
る銃弾――横から
来た? しかし状況
部へ衝突――潰れる手応えと重い破砕音。金属
、引っ張られる力が消えた。足元に目をやれば、ロボット
が殴り掛かってくる。頭
と同時に、右拳に感触――腹部の機
から銃口を向け、ト
る鋭さ。倒れる勢いで回転し、壁に足
タルの顔面を抉る。着地した時
出そうとし
は逃げ
かが正面で堂々
れ引き締まった大柄な肉体は、行く手を遮るのに十
―認識した時には姿
へ――肘に衝撃を感じる。次の瞬間、威力
ット達が退路を塞いでいる。掛かって来ない
いのか……しかし
撃に備えようと身構える。しかし、既に男
連続撃を手で抑えつつ、反撃の前蹴り。
真横の白い壁に叩き付けられた。背
倒的な速さの拳がガードをすり抜け、痛
げた
受け取った。伸びた腕の先にある肩に
こうへとストレー
く掴み止めていた。外そうとも離
俺とでは
身体へ流れ込む輝き──揺らぎ。そ
ン、やはり見
次第に音量が小さくなっていき、
伏せになる。瞼も重くなり
り付く床の感触
茶髪で三十代前半と思われる碧眼の男。気
サッ、と気絶した少年を落
先が白い肌に突き刺さり、ピストンを中の透明な液
、近くの台車に乗せる。台車は自律走行機能
は何事も無く退散し、兵士や研
歩み寄って来たの
、話し始める。大柄な茶髪の男
のため起きないよう薬を
レクソン君。しか
強くもありませんでしたし。お蔭で被害は少なく済みま
済みの筈だったのだがな。移植
んなに不安定状態を起こし、逃
無い筈だという
す。一方、中佐と呼ばれた人物の額に、一滴の