雪村 桜
小説2部発表
雪村 桜の小説・書籍全集
捨てられた妻の華麗なる逆転
都市 夫と娘, そして夫の愛人.
三人が仲睦まじく笑う写真を見ても, 私の心はもう動かなかった.
重度の蕎麦アレルギーがある私に, 愛人は嘲笑いながらクッキーを渡してきた.
呼吸困難で床にのたうち回る私を, 夫は冷酷に見下ろした.
「また演技か? いい加減にしろよ」
その直後, 愛人が「足が痛い」と嘘をつくと, 夫は迷わず彼女を抱きかかえて出て行った.
残された私に, 実の娘である結月がリンゴを投げつけ, 無邪気な悪意を向ける.
「あんたなんかママじゃない! 江美ママの方がいい匂いするもん, 早く死んじゃえばいいのに! 」
薄れゆく意識の中で, 私は悟った.
私が命懸けで守ってきた家族にとって, 私はただの邪魔なゴミでしかなかったのだ.
自力で救急車を呼び, 一命を取り留めた私は, 震える手で離婚届にサインをした.
数年後, 全てを失った夫と娘が泣きついてきたが, 私は冷たく言い放った.
「私の人生から消えてください」 あなたの傾向から
潔癖症の嘘、裏切りのキス
紅蓮 カイン 10年間付き合った婚約者の和也は, 「潔癖症だから」と言って, 私とのキスをいつも避けていた.
しかしある夜, 私は見てしまった. 彼が兄の元婚約者である幸世と, 公園の隅で情熱的なキスを交わしている姿を.
私が高熱で倒れた日, 彼は「会議中だ」と電話を切り, 幸世と旅行先で食事を楽しんでいた. それだけではない. 彼は私を無情にも解雇し, 私の秘書の席を幸世に与えたのだ.
「瑞実のことは大切にしたいから, ゆっくりと関係を深めていきたい」彼の優しい言葉はすべて嘘だった. 私はただ, 幸世の「代役」に過ぎなかったのだ.
10年間の献身と愛情が踏みにじられた絶望の底で, 私の心に冷たい復讐の炎が灯った.
結婚式当日, 私は姿を消した. そして, 披露宴のスクリーンに, あの夜のキス動画を流すよう手配した. 「和也, あなたの人生は, 今日で終わりよ」