雪村 桜
小説2部発表
雪村 桜の小説・書籍全集
捨てられた妻の華麗なる逆転
都市 夫と娘, そして夫の愛人.
三人が仲睦まじく笑う写真を見ても, 私の心はもう動かなかった.
重度の蕎麦アレルギーがある私に, 愛人は嘲笑いながらクッキーを渡してきた.
呼吸困難で床にのたうち回る私を, 夫は冷酷に見下ろした.
「また演技か? いい加減にしろよ」
その直後, 愛人が「足が痛い」と嘘をつくと, 夫は迷わず彼女を抱きかかえて出て行った.
残された私に, 実の娘である結月がリンゴを投げつけ, 無邪気な悪意を向ける.
「あんたなんかママじゃない! 江美ママの方がいい匂いするもん, 早く死んじゃえばいいのに! 」
薄れゆく意識の中で, 私は悟った.
私が命懸けで守ってきた家族にとって, 私はただの邪魔なゴミでしかなかったのだ.
自力で救急車を呼び, 一命を取り留めた私は, 震える手で離婚届にサインをした.
数年後, 全てを失った夫と娘が泣きついてきたが, 私は冷たく言い放った.
「私の人生から消えてください」 あなたの傾向から
偽装死から始まる復讐劇
翼を持つ者 私は, 誰もが羨む完璧な家庭を築いていた. カリスマ建築家の夫と, 私を「ママが一番好き」と言ってくれる息子. 彼らに尽くすことが, 私の全てだった.
しかし, その全てが嘘だったと知った. 夫は不倫し, 私の愛する息子までが, その女を「ママ」と呼んで二人を庇っていたのだ.
結婚記念日, 夫は盛大なサプライズで私のご機嫌を取ろうとした.
そこへ不倫相手の女が現れ, 公衆の面前で嘲笑うように私との関係を暴露した.
息子は私ではなく, その女を選んだ.
愛も, 信頼も, 家族も, 全てを失った私の心は, 憎しみの炎だけが燃え盛っていた.
私は失踪屋に連絡し, 自らの死を偽装した. 翌朝, ニュースは「長谷部直世, 海難事故で死亡」と報じる. これは, 私から全てを奪った彼らへの, 復讐の始まりに過ぎない.