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Elder Last Emblem

身を引いたら、私が彼の永遠の”白月光”になりました

身を引いたら、私が彼の永遠の”白月光”になりました

Monica Moboreader
五年の熱い恋が、結婚式の場で彼に捨てられ、何度も自殺未遂を繰り返した幼なじみを慰めに行くことに変わった。 橘明音はついに理解した。彼女は決して長谷川冬樹の冷たい心を温めることはできないのだと。 彼女は思い切って愛の糸を断ち切り、江南へと遠く旅立ち、人生をやり直す決意をした。 しかし、思いもよらず、一夜の酔いの果てに、彼女は東京の社交界で最も関わってはいけない男、実の兄の宿敵である藤堂修祢をを、うっかり食べてしまった——! 翌朝、橘明音はこっそりと現場から逃げ出そうとしたが、 突然大きな手に足首を掴まれ、容赦なく柔らかなベッドに引き戻された。 甘く低い声が彼女の耳元に貼り付くように響き、冷白い首筋に残る愛の証を指先で撫でる。「喰い散らかして逃げるつもりかい? こんなに魅了しておいて、責任を取らないで済むとでも思った?」 東京の社交界で誰もが知る藤堂家の当主・藤堂修祢——冷徹無欲、手の届かない高嶺の花という存在だと。 しかし、誰も知らない、彼が宿敵の妹を心の中で大切にしていたことを。 それ以来、天神は神壇から降り、執着が狂気を帯びた。 彼は十億を投じて町ごと彼女に贈った。酔ってふらふらの小さな娘を腕に閉じ込め、バスローブをはだければ、締まった腹筋が露わになる。低く甘く誘う声で——「触ってみる?気持ちいいよ」 橘明音:「…あれ、冷徹で禁欲的じゃなかったの?」 藤堂修祢:「禁欲? それは他の人に対してだけだ。 君には——欲望しかない」 #だから白月光文学は現実になった# #兄の宿敵が私に堕ちた件# #追いかける恋の終着点、最後までよろしく#
都市 裏切り三角関係ドS御曹司ドラマチック
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「長年、本当にお疲れ様でした。 ボス、ご帰国おめでとうございます」

祝賀会の席で、上質なオーダーメイドのスーツに身を包んだ青年が、名残惜しそうに藤原涼音を見つめていた。

彼女の整った顔立ちには、いかなる感情も浮かんでいない。冷ややかに澄んだ切れ長の瞳は、ただ目の前の青年を映すのみ。紡がれた声もまた、硝子の欠片のように冷たかった。「ええ。先に行くわ」

「ボス、お送りしますよ」三浦優一が間髪入れずに申し出た。

涼音は拒まなかった。

車に乗り込むと、三浦が口を開く。「ボス、今回はいつ頃、会社に復帰されますか? おかげさまで業績は絶好調ですよ」

二人はとあるプロジェクトで出会った。わずか19歳の藤原涼音がどれほど恐るべき実力を秘めているか、共に戦場を駆け抜けた三浦が一番よく知っている。だからこそ彼女を誘い、共同で会社を興したのだ。今やその会社は、業界の頂点に君臨している。

涼音は淡々と唇を開いた。「考えがまとまったら連絡するわ。今はただ、家に帰りたいの」

「はいはい、妹さんに会いたいんですよね。ご安心ください、きっとお元気にされてますよ。 ここ数年、良い案件はすべて叔父様に回しておきましたから」三浦は、どこか褒めてほしそうな顔でそう言った。

涼音と妹は6歳の時に両親を亡くし、その後、叔母一家が越してきて姉妹の面倒を見ることになった。

涼音は静かに頷く。「……感謝するわ」

細い指先が、胸元の桜のペンダントに触れる。慣れた手つきで留め金を外し、そっと開くと、中には色褪せた二人の写真が収められていた。

彼女と、妹。

写っている涼音は無表情だが、隣の妹は満面の笑みを浮かべている。 その屈託のない笑顔を見つめるうち、涼音の氷のように張り詰めた表情が、ほんのわずかに緩んだ。自覚のないまま、口元に淡い微笑が浮かぶ。

両親が逝ってから、姉妹は互いだけを頼りに生きてきた。妹は小さな太陽のように、いつも周りを明るく照らす存在だった。

12歳の時、涼音は国にその才能を見出され、極秘プロジェクトから離れられない日々が始まった。あれから7年ーープロジェクトを完遂した今、ようやく家に帰り、妹に会える。

国から支給された給与は、そのほとんどを妹に送金してきた。妹は今頃、何不自由ない暮らしをしているはずだ。

涼音の口元に浮かんだ微かな笑みを見て、三浦は思わず息を呑んだ。

(あの氷の美貌が、笑っているーー? マジかよ。俺もその妹さんに一度会ってみてえな)

車は閑静な住宅街の入り口に停まった。

どの家にも手入れの行き届いた庭があり、見るからに高級住宅地だ。

ここは涼音の両親が遺した家で、現在は叔母一家と妹が暮らしている。

登録のない車両は入れない規則のため、涼音は警備員を煩わせることなく車を降り、住宅街へと足を踏み入れた。

自宅の玄関からは暖かな光が溢れ、楽しげな笑い声が夜の静寂に響き渡っている。

ーーどうやら妹は、元気に暮らしているようだ。

涼音は安堵の笑みを浮かべたまま、庭の門をくぐった。

庭の隅に、犬小屋がある。

その傍らに、うずくまる人影があるのを涼音は鋭く捉えた。

家の明かりが届かない薄暗がりで顔ははっきりと見えないが、椀のようなものから何かを口に運んでいるのが見える。

なぜ、こんな場所に人が?

涼音は眉をひそめ、静かに歩み寄った。

その人影はビクリと肩を震わせ、怯えた小動物のように素早く犬小屋の中へと身を隠す。

訝しむ涼音の耳に、次の瞬間ーー中から、か細く震える声が届いた。「もう、ぶたないで……っ。わ、私、ちゃんとしますから……もっと気をつけるから……」

この声はーー妹!

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