百合の花咲く岸辺にて
木立を踏みしめ
積もった小山の中を、ザクザクと
、私たちの荒い息遣いのみ。私はひいひいと
休憩
うん、と首を振
まだ大
私は頷くと
う出されたかな」との言
私は、そう
いるわけではない。私たちは全
い事も家族も、すべてを
。時間的に見て、そろそろ私たちの残し
織されるはずだ。そうなる前に、私たち
ろう。不安そうな顔で「急いだほ
渡り、ずんずんと私たちはその先へと進んでいく。 「そう言えば
うに。 そうだね。私は頷く。今から死のうとしているせいか、いろんな思い出が流れ星のように現れては消えていく。そう、色んなことがあった。必死に汗水たらして声が枯れ
てその涙をぬぐってやる。そう、楽しかったのだ。私たちの人
も、あったよね……」 そう私はぽ
ない毎日。成績が下がれば容赦なくぶたれた。誰のおかげで学校に通えていると罵られた。 膨大な習い事。興味のない分
先に入り、いい人と結婚する。それがお前の幸せだと説かれた。私には私なりの夢があるといった。子供のたわごとだなと冷笑された。そんな進路で飯が食えるもの
葉とともにがんじがらめに縛られていき、いつしか呼吸さえおぼつかなくなる。どこまでも親の敷いたレ
ても窮屈
っているだけで、そうしたことに苦痛を感じる私たちは異端なのかもしれない。 そうだとしても、この世界は私たちにとってあまりにも息苦しかった。私たちの意思はどこにあるのと叫び
性があるように見えていて、実はそうでもない。周りの環境や私たちの年齢でとりうる選択肢なんて限られてくる。ああ、なんて息苦しい人生。 「来世
の湖。白鳥の親子が泳いでいく水音以外、一切の音のないとてもとても静かな世界。 岸辺には百合の花が咲き茂っていて、私たちのいる
トで調べた時から素敵な場所だと思っていたけれど、ここまで素敵な場所だったなんて。 荷物を降ろす。もう、こ
る。怖いのならやめて
イちゃんと一緒なら怖くないよ」 そう言って微笑む。ありが
待っているのはまたあの地獄の日々
うな気がする。 だから私は、もう一度ユリにありがとう、という。
てみてザイルがほどけないことを確認する。これでいい。 せっかくなので、ユリの頭に近くに生えて
て頷きあう。これでいい。これでいいのだ
と。 勢いよく大地を蹴って。暗