臭の混じった淀んだ空気だった。生きている人間の部屋の匂いでは
れている。部屋の中央には、まるで棺のよ
開けて換気を行った。冷たい外気が流れ
人影を乃枝は初めて目にした。それ
は土気色で頬はこけ、呼吸は浅く
めくった乃枝は、
シーツのあちこちが体から滲み出た体液で
師のものへと瞬時に切り替わる。慧
をされずに爛れかけている傷口がいくつも点在していた。特に腹部
峰の財閥の跡取りに
なる怠慢ではない。意図的な放置
機していた葵を呼び入れた。部屋の惨状と異臭
静に指示
に。それから、新しい寝具一式と慧
、は
た葵は、慌てて部屋
手首を取って脈を診る。弱々しい
のの、その両手には何もなかっ
様という方が、『慧様のことは我々がやりますから、奥様は
仕切る侍女頭だろう。乃
。『これは奥様の命令です』と伝えなさ
葵は決意を宿した面持ちで再
の反応、皮膚の弾力、爪の色――神医として
遺症じゃない。慢性の毒物
女たちと共に湯や布を抱え
持ちしま
目を盗んで協力して
告げると、手際
て。あなたはシーツを
めた。その手つきに一切の躊躇いや嫌悪感はない。ただ
ためらいもなく病人の体を清める姿に
筋肉の残る体に触れながら、乃枝はその全盛期の姿を思い描いた。動か
換するだけで、部屋の空気はがらりと変わった。腐
い。本格的な治療を行うには、道具
―ように見える慧の顔を見つめた。整った端正な
手に触れ、
ほんのわずかにぴくり
目を見
せい…
るが、彼は変わらず意識
と判断したのだ。まずはこの劣悪な環境を改善
に向き直
なさい。これ以後、私の許可なく誰
の支配権を掌握し
眼差しを受け止め
んだ汗をそっと拭い
を死なせ
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