の斜め向かいの路地に停められた、黒塗りの防弾
警察署の正面玄関を捉える。やがて、事情聴取を終えた
の岡本翔が振り返り、
保釈されましたが、警察側の記録が決
当
た。先ほど由枝の細い腰を受け止めた右手の指
かんだ。他の女が間近に寄るだけで吐き気すら催すこの身体
を、この腕の中に閉じ込めてしまいたいと
ットの襟をかき合わせ、通りかかっ
と溶けていくのを見届けると
戻る。それから、西畑邸
こまり
る東京のネオンをぼんやりと見つめていた。昂ぶっていた神経が引
ョンの前に滑り込んだ。料金を払い、エレ
く、バッグの中でスマートフォ
。由枝がこの三年間、心血を注ぎ続けてきた財閥系企業・安泰グループの
被害届を取り下げろ! その足で遠藤
声が響き渡り、由枝はスマートフォンを
藤大地よ。あいつ、私が付き添っ
って! 実の婚約者を警察に突き出すなど、明日の朝、安泰
に冷たい水を一気に流し込まれたように、体温が奪われ
の? 姉の婚約者を誘惑したこ
道が忌々しげに鼻を
だ。お前は姉として、あの子に婚約者の座を
由枝の中で張り詰めていた
社の利益と妹の幸福のために、いつでも
たのか、弘道はさらに
暢代の仲を祝福するんだ。もし逆らうなら、明日から会社へ来る必要はない
ーと無機質な電子音だけが静ま
るように洗面所へ向かった。鏡の中には、血
どれだけ身を削って業績を上げても、一度とし
い水を両手ですくっ
刺し、靄のかかっていた思考
て上げてきた場所だ。あんな底の浅い暢代や
から迷いも悲しみも完全に消え失せていた。そ
ット端末を取り出し、安泰グループ
ら、西畑家も遠藤家も二度と逆らえないほ
泥棒猫として遠藤家にでもくれてやればいいわ。
、由枝はスマートフォンを手に取
たところで、微睡みを
こんな夜中に、
大地と西畑暢代を
配がした直後、完全に覚醒し
女、いつか痛い目を見ればいいと思って
向けた。針はすでに午
』で会いましょう。あなたの情報網を使っ
し子だろうと、根こそ
に立ち、夜の闇に浮かび上がる東京タワー
地を恐怖の底へと叩き落としてい
力を手玉に取ることができるなら――西畑
/0/27221/coverbig.jpg?v=c2cea96cc2bd73daa26a6597e5187f3c&imageMogr2/format/webp)