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Yokubo no Yamini Furisosogu eien no Shunkan

追い出された果てに、億の愛が始まる

追い出された果てに、億の愛が始まる

藤宮 あやね
20年間尽くした水野家に裏切られ、追い出された恩田寧寧。 「本当の親は貧乏だ」——そう思われていたが、その実態は海城一の名門。 億単位の小遣いに、百着のドレスと宝石、そして溺愛されるお嬢様生活。 彼女を侮っていた“元・家族”たちは、次々と彼女の真の素顔に震撼する—— 世界一の投資家、天才エンジニア、F1級のレーサー!? そんな彼女を捨てた元婚約者が、なぜか突然「やっぱり好きだ」と告白? でももう遅い——“本物の兄”とのお見合いが始まってるのだから。
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今日はジュリア・グーにとってとても重要な日だった。 彼女のエージェントのコンスエラ・シェンは、今夜賞を受け取る予定だということを彼女に知らせたばかりなのだ!

ジュリアはテレンス・チェンにこのことを知らせたくて待ちきれない思いだった。

しかし、何回ビデオ通話をかけても彼は応答しなかった。 ジュリアは気にせず、また掛け続けた。 そして、5回目、ようやく彼は電話に出て、 「どうした?」と言った。

その声は通話画面を見なければ本人かどうかわからないほど冷たかった。

「どこにいるの?」 ビデオチャットが接続された瞬間、ジュリアは目を細めた。 彼のすぐ後ろには、Hシティの悪名高いモーテルの大きな看板–ダブルQがあった。

このモーテルは、ワンナイトの相手を探している人や浮気を楽しむ人にとって有名な場所だった。 ここでは頻繁に不倫が行われていたので、不倫スタジアムとあだながついていた。

偶然にも、ジュリアが演じた新作映画はダブルQで撮影されたため、彼女は非常にその場所に詳しかった。

それを見て、彼女は血管が飛び出しそうなほどの力でスマホを強く握りしめた。

かんしゃくをこらえたジュリアは、微笑みながら、皮肉な声を出した。 「チェンさん、 モーテルに行ったのはビジネスのためなの? 素敵だわ」

彼女がそれ以上話す前に、テレンスは素早く電話を切った。

彼女は歯を食いしばって、足を踏み鳴らしてラウンジから出て行った。 「アビー、車の鍵を頂戴」

「ジュリアさん、パーティーはあと2時間で始まりますよ」アビーは困った風にジュリアを見つめながら答えた。

「私の言ったこと、聞かなかったの?」 ジュリアは問いただした。 不機嫌になった彼女を見て、アビーは凍りつき、手が小刻みに震えた。 その時、コンスエラは彼らに近づき、 アビーに立ち去るよう指示し、不満で口を尖らすジュリアの腕をつかんでラウンジに引き戻した。

「ばかなの? ここにどれだけ人がいるかわかってる? ここに立っていられるのはどれだけ大事なことかわかってるよね。 誰でもあなたのスキャンダルが書けるのよ。 こんな態度でいたら、間違いなく明日のトップ・ニュースになるでしょ!」 コンスエラは両手を挙げて憤慨した。

「もう、 そんなの、どうでもいいわ!」 ジュリアは鼻をならした。 今、この瞬間、夫がバーとかで出会った女と浮気をしているかもしれないのに。 赤の他人の反応を気にする余裕などはなかった。

「お願い、コンスエラ。 1時間だけでもいい。 夫と会わなきゃだめなんだから」彼女はエージェントの手首をつかんで懇願した。 それにしてもコンスエラの態度は変わらなかった。

「ここまでにきて、私がどれだけ工夫したか忘れたの? このイベントが終わるまでは 隕石がふってこようと外には出させないわ」

「コンスエラ...」 嘆願がエージェントに効かないことを知って、ジュリアは正直に話すことにした。 「実は、 テレンスはいま、浮気しているの。 これから2時間も何も知らないふりをしてこのまま黙っていられないのよ!」

「またこのくそ野郎!」 コンスエラは激怒して青ざめた。 そして、ジュリアのほうに向けてこう言った。 「君は素晴らしい女の子よ、ジュリア、でもこんなのばかげてるわ! あの男はあなたを愛していないのよ。 もう結婚して3年になるけど、私以外に あなたたちの結婚を知っている人なんているの? こんな関係今すぐやめるべきよ!」

「それはわかってるよ」 ジュリアは苦々しく笑った。 「私はただ... ただ、彼と一度でも話したいだけ」

ジュリアは目の前のコンスエラをちらっと見た。 「彼のことは大好きだから、別れる決心がなかなかつけなかったのよ。 私... もう13年も彼のことを.. もし他の女と一緒にいるのを見たら、私はあきらめるかも」

「ジュリア」 コンスエラは眉をひそめた。 「ほら、私ならいつでも、どんな問題でも解決できるわ。でも今は適切な時期じゃない。 今夜はおとなしくしてちょうだい」

「お願いだから」 涙が目からあふれ出しそうに、ジュリアは何度も何度も懇願した。

それでも、コンスエラは少しもその場から動くことなく 腕を組んで戸口をふさいでいた。

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