白百合リリエ
小説1部発表
白百合リリエの小説・書籍全集
聖女は死んだふりをした
都市 「奈々, お願いがあるの. 私を死んだことにしてほしい」
私の声は乾ききっていた.
親友の奈々は, 持っていたグラスを落としそうになった.
貧しい孤児院育ちの私が, 財閥の御曹司・松谷晴司に見初められ, 誰もが羨む「現代のシンデレラ」となったはずだった.
夫は私を「聖女」と崇め, 神聖な私を汚したくないと, 夜の営みさえ拒んだ.
私はそれを純愛だと信じていた.
しかし, 妊娠した私に届いたのは, 夫と幼馴染・朱莉の情事, そして二人の間に生まれた双子の動画だった.
ショックで流産し, 血まみれで倒れる私を見て, 夫は安堵の息を漏らした.
「よかった. 佳実の体は弱いから心配だったんだ. 子供なら朱莉が産んでくれたから, 君は清らかなままでいてくれ」
私の愛は, その瞬間に殺意へと変わった.
彼は私を「聖女」として棚に上げ, 性欲と繁殖の道具として朱莉を使っていただけだったのだ.
だから私は, 彼への復讐を決めた.
私は飛行機事故を装い, この世から消えることにした.
彼が私の死を知り, 絶望の中で遺品整理をする時, そこに置かれた「流産の診断書」と「不貞の証拠」を見つけるように仕組んで.
さあ, 地獄のショーの始まりよ. あなたの傾向から
偽装死から始まる復讐劇
翼を持つ者 私は, 誰もが羨む完璧な家庭を築いていた. カリスマ建築家の夫と, 私を「ママが一番好き」と言ってくれる息子. 彼らに尽くすことが, 私の全てだった.
しかし, その全てが嘘だったと知った. 夫は不倫し, 私の愛する息子までが, その女を「ママ」と呼んで二人を庇っていたのだ.
結婚記念日, 夫は盛大なサプライズで私のご機嫌を取ろうとした.
そこへ不倫相手の女が現れ, 公衆の面前で嘲笑うように私との関係を暴露した.
息子は私ではなく, その女を選んだ.
愛も, 信頼も, 家族も, 全てを失った私の心は, 憎しみの炎だけが燃え盛っていた.
私は失踪屋に連絡し, 自らの死を偽装した. 翌朝, ニュースは「長谷部直世, 海難事故で死亡」と報じる. これは, 私から全てを奪った彼らへの, 復讐の始まりに過ぎない.