再婚相手は元婚約者の宿敵
菜 P
に, 何も残っていなかった. タクシーに乗って病院に戻る途中, 私は窓の外をぼんやり
. 」その言葉は, 今はただの残酷なジョークにしか聞こ
う, この場所にいる意味はない. 裕子姉さんは心配そ
, しばらく東
に目を見開いた. 「え
ただ, ここには
旅行に出かけるわ. あなたには関係ないけど, 一応報告しておこうと思って. 」そこには, 清彦と栞代
た. もう, 何も見たくない. 何も聞きたく
てくれた指輪も, 彼と私のイニシャルが刻まれたペンダントも, 全てゴ
いた革張りの日記帳が目に入った. 私はふと, それを手に取っ
で, 私の名前が何度も登場していた. だが
彼女のウェディングケーキがあれば,
彼女の愛は, 僕のビジ
結菜のレシピを手に入れるため
記に綴られていたのは, 私への愛ではなく, 私の才能を利用する
した. 彼の言葉は, 私にとって毒でしかなか
った. 清彦への別れの手紙を書くことにした. 私の指は震え
あなたの嘘は, 私の心を深く傷つけました. 私は
のベッドサイドに置いた. そして, 彼の存在そのも
した. 私は行きます. 」
. 「結菜, いつでも戻ってきていいの
んを抱きしめた. 「あ
清彦の家が遠ざかっていくのを見ていた. 私の心は, もう二度とこの場所に戻ることはないだろうと