十年間の忍従、復讐の調香師
樹 P
獄だった. 壁の絵画も, 高価な調度品も, 私には何の価値もなか
願い, 開けて
った. 喉が枯れ, 指先が赤く腫れ上がったが, 誰も答える者はいな
けていく. 携帯電話は, 翔風に奪われていた. 外部と
の切迫した声が何度
た! 意識レベルが低下して
. 私の,
事故で下半身不随になって以来, 彼はい
俺の分までたくさん生きてね. 俺は,
私は彼に誓ったのだ. どんなことがあっても, 守り
ない. 私は, ただこの部屋
たい目, 嘲笑
の希望を, 奪お
心には一瞬たりとも存在しなかった. 彼はただ, 私を
い. その瞳の奥には, 誰
頃の言葉だった. 彼は確かに, 私を特別だと言った. あの頃の私は, 彼の言葉を信
幸福は, あま
事故
に広がっていた. 全身を襲う激痛と,
しましたか. 残念ながら,
, 翔
お前が, イチゴを,
いた. 彼は, 私のベッドサイ
! お前の弟も, 再起不能だ! すべ
全身の麻痺と, ショック
の弟のことま
だ! だが, 安心しろ. 俺がお前の弟の治療
に, ただ震える
った. 彼が信じる「罪」のため
た. その事故は, 私
くないと判断した上條苺を排除し, そして, 家柄の劣る私を,
せた. すべては, 会長の周到な計画だった. 私は, ただ
た. 弟の莫大な治療費と, 最先端の医療技術. それを
, その弟の命を, 見
何かが完全に
いない. 何も,
私がどれくらいの時間, ここに閉じ込められているのかも分からな