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女性向け短編小説

売れ筋 連載中 完結
高温末世、私だけが生き延びる理由

高温末世、私だけが生き延びる理由

私は養子だった。恩を返すため、ずっと実の両親とは関わりを絶っていた。彼らが亡くなり、遺産を残したときも、それすら受け取らなかった。ただ、育ての母を悲しませたくなかったから。 やがて、灼熱の終末が訪れる。 家族は弟の妻のために、「男児が生まれる」という怪しい民間薬を用意していた。 だが弟の妻は、その怪しげな薬に顔をしかめていた。 私はそれを見て、「こんな時期に子どもを産むのはよくない」とさりげなく口にした。 弟の妻はそれを聞いて、薬をこっそり捨てた。 終末が訪れてから、1週間も経たないうちに人工降雨が実施される。 家族はそれで「もう大丈夫」と勘違いした。 そして彼らは、弟の妻が私の言葉で薬を捨てたことを知る。 「家系を絶やした」と、私を非難した。 ついには私を家から追い出した。 そして私は——焼けつくような暑さの中、命を落とした。 ……二度目の人生。私は莫大な遺産を受け継ぎ、 それを使って完璧なシェルターを作り上げた。 今度は、彼らが見る番だ。冷房の効いた部屋で、涼しげに料理を食べる私の姿を。 私は彼らを、見送るだけだ。
二度目の人生、姉の踏み台にはならない

二度目の人生、姉の踏み台にはならない

家が破産して、私は芸能界に入った。姉の学費を稼ぐためだった。 お金のために、年配の男の人に触られるのを我慢した。 自分を無理やり酒漬けにして、胃から出血したこともある。 そんな私を、いつも冷静で上品な姉は「功名心ばかりで自愛がない」と見下した。 けれど彼女は、私の稼いだ金を他人に援助するために使い、いい人ぶった。 名のある先生に彼女を指導してもらうため、私はライバルのスキャンダルを暴いた。 すると彼女は、「手段を選ばない、心根の悪い人間」と私を非難した。 それでも、私が手に入れたチャンスを彼女は断らなかった。 やがて彼女は有名な画家になった。 私は彼女のライバルから報復を受け、名誉も地位も失い、多額の借金を背負った。 私は、姉の恋人である資産家に助けを求めてくれと頼んだ。 けれど彼女はこう言った。「私は前から言ってたよね。人として善良でいるべきだって。そんな邪悪な考えは持っちゃだめ。ほら、これがその報いだよ」 私の過ちを反省させるためだと、彼女は助けを拒んだ。 私は追い詰められ、ビルから飛び降りた。 次に目を開けたとき——そこは、私が芸能界に入ったばかりのあの日だった。