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女性向け短編小説
売れ筋
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完結
1314回すっぽかされた婚礼、最後に誓ったのは別の人
波音蓮(Namione Ren)
705
29
十年にわたる恋愛、1314回もの結婚式準備。しかし彼は毎回姿を見せなかった。 幼なじみが何も言わずに帰国して以来、私の結婚式は爆弾を抱えたような状態になった。 彼女は決まって挙式前日に騒ぎを起こし、そのたびに彼は私を置き去りにする。 今回もそうだった。彼女が指先を切って血を少しこぼしただけで、 彼は慌てて信号を無視しながら救急病院へ直行し、医者に全身くまなく調べろと迫るほどだった。 一方の私は、招待客たちの嘲笑まじりの視線にさらされながら、彼からはただ気の抜けた言葉をかけられるだけ。 「どうして今日じゃなきゃダメなんだ? どうせこれまでも何度も中止してるんだし、来週末にすればいいだろ。」 「彼女は血を見ると気を失うんだ。そばにいてやらないと……君ならわかってくれるだろ。」 彼は幼なじみへの思い出を口実に、何でも彼女の言いなり。私には冷たく、無関心。 正直なところ、この結婚は彼でなければならない理由なんてなかった。 だから1314回目のすれ違いのとき、私は予定通り結婚式を挙げた。――ただし、新郎は別の人だった。
短編
元妻
復讐
再会
三角関係
現代
離婚まであと一か月、彼は今さら愛を乞う
水無月理子(Minazuki Riko)
390
28
「私は東国へ行って、国境なき医師になりたいです。」 彼女の声は力強く、少しの迷いもなかった。 主任はためらいながら口を開いた。 「今回の東国支援は、最低でも2年は必要だよ。ご主人は許してくれるのかい?」 彼女は右手の指輪を回し、数秒の沈黙の後に答えた。 「もうすぐ離婚します。私が出発した後は、彼には行き先を伝えないでください。」 何度も耐えてきた。何度も過去の真相を探し続けてきた。 自分が癌に侵されたとき、夫は義妹と関係を持っていた。 だから、彼女はついに手放すことを選んだ。もう彼と絡み合うつもりはない。 「あと1か月で、私たちはようやく解放される。」 だが、彼女が命の危機に陥ったそのとき、彼は病室で何度もひざまずき、彼女が目を覚ますよう祈り続けていた。
短編
元妻
医者
復讐
離婚
バッドエンド
彼の裏切りに消えた妻、復讐は百倍返しで
雪代墨(Yukishiro Sumi)
219
23
裏社会の大物が、財閥令嬢を10年もの間ひそかに想い続け、彼女の家が破産したその日にようやく妻として迎え入れた。 結婚後、彼は彼女を溺愛し、まるで天にまで持ち上げるように大切にした。 彼女は幸せを手に入れたと信じていた――5年目までは。 思いがけず妊娠した時、いつも愛情深かったはずの夫は、子どもを諦めろと迫った。 そして偶然、彼が友人と交わす会話を耳にしてしまう。 浮気をしていたのだ。別の女のために、彼女に流産を強いたのだ。 さらに遡れば、家の破産も、両親の死も、すべて彼の仕組んだ計略だった。 彼女は国外にいる彼の宿敵と手を組み、死を装って姿を消す。 彼女の死を知った男は、泣きながら帰ってきてほしいと懇願した。 だがすべては遅すぎた。彼女が味わった苦しみは、これから何倍にもなって彼に返されるのだから。
短編
マフィア
復讐
妊娠
離婚
現代
兄嫁に囚われた人を愛した九年
桜庭柚希(Sakuraba Yuzuki)
110
19
彼女は999回目となる膝立ちで彼の両脚の間に身を寄せ、ぎこちない唇と舌で“世話”をしていた。 情が高まったその時、彼は彼女を突き放し、車椅子を揺らしながら浴室へと入っていった。 口の中で彼はかすかに呟いた。「お義姉さん……」 彼女はもう慣れきっていて、そのまま湯薬を取りに向かう。 9年間追い続けてきた相手――冷ややかな性格であることは重々承知していた。 薬を運んできたとき、寝室の扉が半端に開いているのに気づく。 入口には車椅子が置かれ、そこには誰もいない。 中では、彼がひとりの女を胸に押しつけ、目を潤ませながら耳元で囁いていた。 「君は僕のものだ。最初から僕のものであるべきだった!」 「互いに支え合ってきたからこそ今がある!」 「結ばれないために、ずっと車椅子に座り続けていたんだ。僕の気持ちにまだ気づかないのか!?」 彼女は呆然とし、頭の中で何かが炸裂する。 その女は――彼の兄嫁。 彼より2歳年上で、豊かな胸とくびれを持ち、10年間も未亡人として過ごしてきた人だった。
短編
障害
離婚
三角関係
契約結婚
バッドエンド
彼の“特別”は、私じゃなかった
灰原冷(Haibara Rei)
167
11
私は8年間も彼を追いかけてきた。けれど、彼が元カノの連絡先に「ベイビー」と書き込んでいるのを見た瞬間、別れを切り出した。 「ただ、登録名を直し忘れてただけで?」 口元に浮かぶあざ笑うような弧線を見つめながら、私は黙ってうなずいた。 彼の友人たちは「大げさすぎる」「面倒くさい」と私を罵った。私はただ黙って彼を見ていただけだった。 氷の膜を張ったような黒い瞳。しばらくして、彼は鼻で笑いながら言った。 「別れるなら別れりゃいい。泣いて復縁を求めてこなければな。」 周囲はどっと笑い声に包まれた。 私はドアを押し開け、コートの奥に隠した診断書を握りしめて夜の街へ出た。 本当は、自分の人生の最後を少しでも甘い夢で飾りたかった。けれど、無理やりもぎ取った果実はひどく苦い。 私が飲み続けてきた薬よりも、ずっと苦かった。来世では、もう二度と口にしたくない。
短編
片思い
復讐
妊娠
バッドエンド
現代
妹扱いされた私を、今さら愛さないで
東雲朔(Shinonome Saku)
7
25
帰国して3年ぶりに再会した彼女は、交際の駒のように扱われ、彼のベッドへと送り込まれた。 一夜を共にしたものの、彼はまるで相手が誰なのか気づいていなかった。 新しい自分に夢中になっていく彼に対し、彼女は真実を打ち明けることを選ばず、こっそりとメッセージを送り、かつて彼が約束した婚約はまだ有効なのかと問いかけた。 「ずっと妹のように思っていただけだ」 冷たい言葉が少しずつ心を刺し貫く。「言葉にしたのは、ただ君が安心して海外で治療に専念できるようにするためだった。もう帳消しだ。これから先は連絡を取らないでくれ」 彼女は黙ってスマホを閉じ、10年にわたる想いを断ち切った。 しかし、去ろうとするその日、彼は涙で目を赤くし、彼女の足元に跪いて必死に願った。 「お願いだ……行かないでくれ。君は俺と結婚するって言ったじゃないか……」 彼女は冷ややかにその手を振り払う。「そう言ったのはあなた。私のことを“妹”としか見ていなかったのは、あなた自身よ」
短編
復讐
キャラクターの成長
再会
外見の変化
一夜限りの関係
離婚したら財閥令嬢に戻りました
銀河鉄(Ginga Tetsu)
61
25
トップクラスの名門一族の後継ぎである彼女は、7年間も一途に尽くし続けてきたが、ついに離婚を決意した。 翌日、彼女は父に電話をかけた。 「お父さん、昔あなたが言っていたことは正しかったわ。禁じられた恋に幸せなんてない。だから離婚して、家に戻って家業を継ぐつもりよ。」 その言葉に父はしばし絶句し、低い声で問い返した。 「おまえは当時、父と縁を切ってまで養子の兄と結婚したじゃないか。なぜ急に考えを変えたんだ。」 彼女の胸はひそかに痛んだが、口元には冷ややかな笑みが浮かんだ。 「彼の大事なものを壊してしまったから……。彼は私を愛してなんかいなかった。これまでの年月は、私の一方的な思い込みだったのよ。」 「離婚の冷却期間が終わったら、家に戻るわ。」
短編
片思い
復讐
離婚
三角関係
契約結婚
傷跡と共に失われた愛
紫苑寺鈴(Shionji Rin)
62
25
五年前、彼女は周囲の反対を押し切って彼と結婚した。 彼女は何も愛していなかった。ただ彼の顔だけを、特にあの瞳を愛していた。 愛するがゆえに、彼の浮気すら許せた。 彼が愛人を家に連れ込み、三日三晩を共にしたことを知っても怒らなかった。 「さすがにやりすぎじゃない!?」 「まさか本気で彼を愛してるわけじゃないでしょうね?」 友人の怒りに向き合い、彼女は真剣に答えた。 「顔さえあれば、私は永遠に許せるし、ずっと愛していられる」 「……これは私の負い目だから」 その翌日、彼は愛人と出かけた先で交通事故に遭った。 顔には消えない傷が刻まれた。 彼女は冷ややかに立ち去り、彼の世界から跡形もなく消えた。 やがて、彼は膝をつき彼女に問いかける。なぜなのか、と。 彼女は彼の目のそばに残る傷跡にそっと触れ、胸の奥の痛みを噛みしめながら答えた。 「……あなたのせいで、彼はまた死んだのよ」
短編
片思い
偽りの恋
離婚
秘密の関係
三角関係
愛は獣、恨みは檻
暁月蒼(Akatsuki Sō)
16
9
私の夫は世界的に名高いトップクラスの調教師で、誰もが知る珍獣動物園を経営している。 どんな獰猛な野獣であっても、彼の前では猫のようにおとなしくなる。 だが――あの日。夫が息子を連れて動物園を案内していた時、最も可愛がっていたライオンが突然檻を破って飛び出し、息子をひと口で飲み込んだ。 霊安室で、息子の残された体を抱きしめて泣き崩れる私。一方の夫は、その夜のうちに動物園へ戻り、怯えたライオンをなだめていた。 「いつもはおとなしい子なんだ……今回はただの事故だよ」 「人にはそれぞれの運命がある。残念だが、もう戻らないんだ。前を向こう」 ――けれど、監視カメラで私は見てしまった。新しく入った女性管理員を抱き寄せ、夫がささやく姿を。 「君のせいじゃない。檻の修理が遅れたのは仕方ないさ。ここでは誰もが怪我をする可能性がある。ただ、あの子は運が悪かっただけだ」 その瞬間、私の血は凍りついた。 息子を死なせた元凶は――彼自身だったのだ。 監視カメラを閉じた私は、夫が誇りにしていたあのライオンを国家動物園に寄贈した。 そして、裏社会で生きる108人の兄たちへ、息子の遺影を一斉送信した。 「血の代償を、必ず払わせる」
短編
犯罪
家庭的なタイプ
片親
復讐
離婚
炎に消えた家族、残されたのは叔父の腕だけ
葉山哲也(Hayama Tetsuya)
12
24
誕生日の物を選び将来を占う儀式の日。 屋敷には金銀財宝がずらりと並べられていた。 けれども幼い娘は黄金や宝石を通り過ぎ、ただひとり、父親の親友である叔父の手をぎゅっと掴んだ。 人々は笑いながら口々に囃し立てた――これでこの小叔は一生、彼女の面倒を見なければならなくなったのだと。 その後、一族の邸宅を炎が呑み込み、一家は火の海に消えた。 残されたのは長兄と幼い妹のふたりだけ。 一族の親戚たちは財産を狙い、今にも二人を食い尽くさんばかりの勢いだった。 叔父は片手で兄を国外へと送り出し、もう片方の手で妹を傍に引き取り、自ら育て上げた。 その日から。 彼女の世界には、叔父ただひとりしかいなくなった。
短編
禁断の恋
年齢差
復讐
キャラクターの成長
再会
偽装婚の花嫁を失い、御曹司は愛を乞う
漆黒蓮(Shikkoku Ren)
35
23
彼女は幼なじみの角膜を守るために、彼のそばへ行き、7年間ひたむきに愛し続けた。 しかし結婚から1か月後、渡された結婚証が偽物だったことを知る。彼はすでに海外で「本命」と結婚式を挙げており、本当の妻は別にいたのだ。 だが彼の方は、失って初めて気づいた。自分はすでに「代わり」としての彼女に深く惹かれ、抜け出せなくなっていたことに。必死に探し求めても、見つけた時にはすべてが手遅れだった。
短編
身代わりの妻
復讐
妊娠
偽りの恋
離婚
マフィアの彼は、私にだけ跪く
墨谷一途(Sumidachi Itto)
183
19
彼女は思いがけず、ニューヨーク最大のマフィア組織の後継者を救ってしまった。 世間では彼について、手段は残酷で極悪非道、さらにベッドの上では悪魔に変わると噂されていた。 だが、そんな男が彼女の前では素直に跪き、ハイヒールを履かせてやり、行為のたびに「痛がらせまい」と恐れるほどに優しく触れる。そして彼が手元に置いたのは、ただ一人の従順な愛玩相手だけ――己の欲をぶつけるための存在だった。 しかし、彼がその愛玩相手に「代理で子を産ませよう」と決意した時、すべてが変わり始める。
短編
逃げ出した花嫁
マフィア
三角関係
バッドエンド
ロマンス
「妹だ」と言った彼の、今さらの独占欲
渡辺 知佳
55
24
十七歳のあの年、少女は隣家の年上の兄と禁断の果実を味わい、誰にも知られぬまま密やかな関係を始めた。 その日、彼女は間違えた問題を抱えて、おずおずと彼に教えを請いに行った。 初めて芽生えた恋心はあまりにも熱く、彼はその気持ちをすぐに察し、優しく導いてスカートの裾をそっとめくらせた。 彼は微笑みながら言った。「怖がらなくていい、痛くないよ。」 彼女の不安も戸惑いも、その甘く優しい笑みに溶けていった。 それからというもの、彼女が隣へ訪ねるたび、彼は声に笑みを含ませて言う。 「こんなに一生懸命に問題を解いてあげてるんだ、少しご褒美をくれる?」 彼女は真っ赤になって頷き、彼が情に駆られるたび、額に口づけを落とされる。「本当にいい子だ、大好きだよ。」 彼は約束した。彼女が自分と同じ大学に合格したら、公に付き合おうと。 そして、彼女は合格通知を手に、胸を弾ませて彼の家を訪ねた。だが耳に届いたのは、心ない冷笑の声だった。 「俺が好きなのはあの子だけだ。お隣の子なんて、ただの妹みたいなものさ。」 「ちょうど彼女が交換留学で一年いなかったから、顔立ちが少し似ていたあの子で代わりをしていただけ。実際あんな太った子なんか、本来なら絶対に相手にしなかった。」 「もう本物が戻ってきたんだ。厄介な代用品はここで切り捨てるだけだ。」
短編
裏切り
初恋
三角関係
友達から恋へ
現代
捨てられた妻に、今さら狂ったように求められても
井上 陽太
10k
16
彼のルナになって5年、私はまだ処女だった。 だが、嫁いで3年も子を授からなかった姉が部族に追い返された後、彼は突然「狼の子を作ろう」と言い出した。 私の狼はずっと彼の冷淡さを感じ取っていた。考えを重ねた末、彼と腹を割って話そうとした矢先、彼とベータの会話を聞いてしまった。 「彼女は俺を救うために体を傷めて、もう子を産めない。あの部族でルナの座を守るには後継ぎが必要だ。彼女をこれ以上苦しませるわけにはいかない」 「もう一人の女の子宮の方が、アルファの血を継がせるのにふさわしい」 「彼女の代わりに狼の子を産ませたら、一生かけて補償する。俺の後継ぎを産ませ、真のルナにしてやる」 ――私は、ただの「子宮」としか見られていなかった。 その瞬間、胸が引き裂かれるように痛んだ。 ならば、望み通りにしてやろう。 私は養父母のもとへ戻り、彼との縁を断ち切った。 けれど、どうして……。かつて私を愛さなかったその人が、狂ったように私の帰りを乞い続けるのだろう。
短編
人狼
身代わりの妻
復讐
妊娠
契約結婚
妻の最期に、夫は別の女を抱いていた
石井 未来
11
10
七夕の日、私は胃がんの末期だと宣告され、余命は1か月もないと告げられた。 茫然と恐怖に沈んでいたとき、夫は苦悩の表情を浮かべて私の前に跪き、告げた。 「ごめん……別の女性を好きになってしまった」 そして彼は真剣に約束した。 「浮気をしたわけじゃない。君との結婚は心と魂で結ばれているものだ。彼女と肉体関係を持つことはない。君への愛も約束も変わらない。夫としての責任は最後まで果たす」 私は診断書を握りしめ、喉から絞り出すように一言だけ返した。 「……いいわ。あなたたちを認める」 彼は驚きと動揺で私を抱きしめ、必死に訴えた。 「行かないで。確かに彼女を愛しているけど、君をもっと愛しているんだ。怒らないで、離れないでくれ」 私は苦笑して答えた。 「怒らないわ」 死を目前にした人間には、もはや泣き叫ぶ力すら残されていないのだから。
短編
元妻
妊娠
離婚
三角関係
バッドエンド
美味に溺れて、血に染まる
嵐山 琳
10k
8
私は、とある茶室で特別な茶葉を売っている。 その茶葉を料理に加えると、食べた者は中毒者のように、その禁断の味を求めずにはいられなくなるのだ。 噂を聞きつけた高級料理店の主たちが、後を絶つことなく私の元を訪れる。 だが私だけは知っている。その茶葉が、中毒者たちの鮮血を吸って育つという真実を。
短編
残虐主義
犯罪
裏切り
復讐
どんでん返し
裁かれぬ凶行
月夜 星音
10k
10
5年前、私はある校内いじめ事件を担当した。 その加害者は、驚くべきことに、まだ13歳の子供だった。 その手口は極めて残忍で、糞便を食わせ、尿を飲ませ、性的暴行を加えるなどの悪質なものだった。 結果、被害者は重度のうつ病を患い、ついには手首を切って自殺した。 事態が大事になるのを見て、加害者の両親は金で解決を図ろうとした。 私に偽証を強要するだけでなく、こう豪語したのだ。「うちの子は未成年だ。いじめどころか、たとえ人を殺したとしても、刑務所に入らずに済むんだ!」
短編
犯罪
家庭的なタイプ
警察
復讐
スリラー
最愛の夫と兄が敵になるとき
森田 健理
10k
21
みんなが知っている。途中で家に迎え入れられたあの娘は、京市一番の小さな暴れん坊だった。 夫は大手グループの唯一の後継者であり、京市で最高と称される外科医でもある。 彼は彼女を掌にのせるように大切にし、彼女が京市で横行しても甘やかし続けてきた。 兄は会社で常に盾となり、彼女を守り抜いてきた。 人前で「会社の主人は永遠に彼女ひとり。自分はただ稼いで渡すだけの働き手だ」と誓ったことさえある。 ただひとり、偽りの娘として育った姉だけが「いつまでも守られているだけでは駄目。自分の足で立てるようになりなさい」と諭した。 けれど彼女は聞き入れず、むしろ姉を笑い飛ばし、取り越し苦労だと片付けた。 ……その矢先。姉が会社の地下駐車場で刺されたという知らせが届く。 彼女はすぐに外科医である夫に助けを求めた。だが返ってきたのは「今まさに、その犯人の命を救うため手術をしている」という言葉。 さらに追い打ちをかけるように、最も信じていた兄までもが、その手術を成功させるために全ての医療スタッフを回してしまった。 彼女は怒りと絶望の中で叫び、なぜなのかを問いただす。ついには地にひざまずき、どうか姉を助けてほしいと懇願した。 しかし兄は冷たく命じただけだった。「落ち着け、いいな?」と。そして続ける―― 「彼女はお前の本当の姉じゃない。お前にはまだ愛してくれる夫も兄もいる。だがあいつにとっては違うんだ。あれは二十年以上も育ててくれた養父なんだから」
短編
姉妹兄妹
医者
離婚
再会
育児
彼の嘘に捧げた三年、愛人の逆襲
近藤 久美
10k
26
3年前、彼は記憶を失った。彼女はその3年間、献身的に彼の世話を続け、誰にも言えない「愛人」としてそばにいた。 ところがある日突然、彼が実は記憶を失っていなかったことを知ってしまう。さらに、彼と本命と呼ばれる女こそが、自分の父を死に追いやった真犯人であることも――。 彼女は胸の痛みに耐えながら証拠を集め、2人の結婚式当日、彼らをそのまま牢獄へと送り込む。 その時になってようやく、彼は気づく。本当に愛していたのは、最初から彼女だったのだと。 だが――遅すぎた愛情など、雑草よりも無価値。彼女はとっくに、彼を捨て去っていた。
短編
復讐
偽りの恋
再会
契約結婚
バッドエンド
病に堕ちたアルファの哀願
石川 剛志
10k
7
彼は銀毒症にかかっていた。その伴侶である私は、 このとき月光石の婚戒を打ち砕き、《伴侶契約解除申請書》を彼の顔に叩きつけた。 「私は、もうあなたを伴侶として受け入れない」 私の内なる狼は、満足げに喉を鳴らした。 彼の両目は赤く血走り、苦痛に耐えきれず膝を折る。 「……ごめん、愚かだったせいで病にかかってしまった。努力して醜くならないようにする、負担にもならない」 「どうか、どうか俺を見捨てないでくれ。すべてを捧げるから……」 彼は私の脚にすがりつき、必死に懇願する。 まるで私がいなければ生きられないかのように。 かつて誰もが畏怖し崇めた存在が、いまは地に伏して犬のように卑屈な姿をさらしている。 それでも私は彼の痛みを見向きもせず、乱暴に引きずり上げ、月の女神像の前へと連れて行った。 「契約を解く気がないというのなら……私は月神に、あなたへの祝福を取り消すよう願い出る!」
短編
人狼
裏切り
復讐
離婚
バッドエンド
女性向け
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