出合 則幸
小説1部発表
出合 則幸の小説・書籍全集
凍てつく地下室の妻
都市 幼馴染の美緒の言葉を信じ, 僕は傲慢にも妻の翔子をワイナリーの地下セラーに閉じ込めた.
ただ謝罪させる, それだけのつもりだった.
しかし数日後, 僕が発見したのは, 壁に血の爪痕を残し, 絶望の中で凍え死んだ翔子の亡骸だった.
世間は僕を「愛人のために妻を殺した鬼畜」と罵り, 僕は殺人犯の烙印を押される. 隣で涙を流す美緒を慰めながら, 僕は罪悪感に苛まれた.
だが, 突きつけられたのは, 翔子が僕の子を妊娠していたという司法解剖の結果. そして, 冷却装置を起動させた真犯人が, 美緒だったという衝撃の事実だった.
僕は自分の手で, 妻とまだ見ぬ我が子を殺したのだ.
翔子の墓前で, 僕は冷たく誓う.
これは贖罪ではない.
美緒に百倍の苦しみを与える, 復讐の始まりだ. あなたの傾向から
偽装死から始まる復讐劇
翼を持つ者 私は, 誰もが羨む完璧な家庭を築いていた. カリスマ建築家の夫と, 私を「ママが一番好き」と言ってくれる息子. 彼らに尽くすことが, 私の全てだった.
しかし, その全てが嘘だったと知った. 夫は不倫し, 私の愛する息子までが, その女を「ママ」と呼んで二人を庇っていたのだ.
結婚記念日, 夫は盛大なサプライズで私のご機嫌を取ろうとした.
そこへ不倫相手の女が現れ, 公衆の面前で嘲笑うように私との関係を暴露した.
息子は私ではなく, その女を選んだ.
愛も, 信頼も, 家族も, 全てを失った私の心は, 憎しみの炎だけが燃え盛っていた.
私は失踪屋に連絡し, 自らの死を偽装した. 翌朝, ニュースは「長谷部直世, 海難事故で死亡」と報じる. これは, 私から全てを奪った彼らへの, 復讐の始まりに過ぎない.