大福もちこ
小説2部発表
大福もちこの小説・書籍全集
天使の血、彼の愛人の薬
マフィア 私は, 星川博也様の婚約者として, 彼の屋敷に迎えられた. 幼い頃から想い続けた人. しかし, 彼の瞳に宿るのは, 凍えるような憎悪だけだった.
彼は私を裏切り者だと信じ込み, 彼の愛人である涼紗が体調を崩すと, 冷酷に命じた.
「お前の『天使の血』で癒してやれ. 」
私の血は, 彼の愛する女性のための薬にされた. 目の前で涼紗と親密に振る舞い, 私を所有物のようにパーティーに引きずり回す. 屈辱的な日々が続いた.
なぜ, これほどの憎しみを受けなければならないのか. 私には, 決して口にできない秘密があった. 真実を告げることは, 一族の破滅を意味するから. 私にできるのは, ただ耐え忍ぶことだけだった.
私の命の砂時計は, 刻一刻と終わりを告げていた. この血が尽き, 私が消え去るその時, 彼はようやく, 血塗られた宿命と, 私の本当の想いを知ることになる. 余命宣告、彼との終焉
都市 余命宣告を受けたその足で, 私は恋人の裏切りを知った.
私が人生の全てを捧げてトップスターに押し上げた玉置春斗は, 裏で私を嘲笑っていたのだ.
「杏樹? あいつはただの便利な金づるだよ. 地味でつまんねぇ女」
浮気相手の人気モデル・梅田凛香から送られてきた動画の中で, 彼はそう言い放ち, 仲間たちと下品に笑っていた.
私の愛も, 才能も, 削ってきた命さえも, 彼にとってはただの「道具」でしかなかった.
心臓が張り裂けるような痛みの中で, 私の愛は冷徹な殺意へと変わった.
残されたわずかな時間, 私は治療なんてしない.
春斗, そして凛香.
あなたたちから全てを奪い, 私が死んだ後も一生消えない後悔を植え付けてやる.
私の命を賭けた, 最後の復讐劇が幕を開ける.