早瀬匠
小説2部発表
早瀬匠の小説・書籍全集
凍りついた心、手術台の裏切り
都市 手術台の上で意識が朦朧とする中, 私は過労で倒れ, 緊急手術を受けたばかりだった.
その私のスマホに, 夫が部下の女と海外で「最高の時間」を過ごしている写真が映し出された.
私の手術日に, 彼は私を一人残して旅行に出かけていたのだ.
問い詰めると, 彼は冷たく言い放った.
「自分の体調管理もできないくせに. 子供も産めないお前に, 僕に何を求めるんだ? 」
その言葉は, 手術の傷よりも深く私の心を抉った.
さらに彼は, 私たちが失った子の名前を, その女の私生児に与えていた.
病院で私を殴りつけ, 彼の両親も私の母さえも, 彼を許せと私を責め立てた.
私の才能も, 人脈も, 命さえも, すべてを捧げた結果がこれだった.
裏切りと絶望の中で, 私の心は完全に凍りついた.
もう, 失うものは何もない. 私は静かにスマホを手に取り, 昔の番号を呼び出した.
「久我さん, 私と組んで新しい会社を立ち上げない? 条件は一つ――上岡賢人を業界から完全に叩き潰すこと」 過去に戻り人生をやり直す
都市 婚約者の斎藤真紀に尽くし続けた結果, 私は彼とその愛人・堀井愛菜に裏切られ, 心身ともにボロボロになり, 最後は命を絶った.
彼らは私が邪魔だったのだ. 愛菜は交通事故で死んだと嘘をつき, 真紀は「お前が愛菜を殺した」と私を罵倒し, 20年間も屋敷に監禁した.
死の淵で見たのは, メディアの祝福を受けながら幸せそうに寄り添う真紀と, 生きている愛菜の姿だった.
すべては, 私を陥れるための壮大な芝居だったのだ.
激しい怒りと後悔に飲み込まれたその瞬間, 私は目覚めた.
そこは自室のベッドの上. 日付は, あの地獄が始まる二週間前だった. あなたの傾向から
潔癖症の嘘、裏切りのキス
紅蓮 カイン 10年間付き合った婚約者の和也は, 「潔癖症だから」と言って, 私とのキスをいつも避けていた.
しかしある夜, 私は見てしまった. 彼が兄の元婚約者である幸世と, 公園の隅で情熱的なキスを交わしている姿を.
私が高熱で倒れた日, 彼は「会議中だ」と電話を切り, 幸世と旅行先で食事を楽しんでいた. それだけではない. 彼は私を無情にも解雇し, 私の秘書の席を幸世に与えたのだ.
「瑞実のことは大切にしたいから, ゆっくりと関係を深めていきたい」彼の優しい言葉はすべて嘘だった. 私はただ, 幸世の「代役」に過ぎなかったのだ.
10年間の献身と愛情が踏みにじられた絶望の底で, 私の心に冷たい復讐の炎が灯った.
結婚式当日, 私は姿を消した. そして, 披露宴のスクリーンに, あの夜のキス動画を流すよう手配した. 「和也, あなたの人生は, 今日で終わりよ」 婚約指輪と裏切りの五年間
水無月理子 付き合って5年目の記念日, 私は彼が隠していた婚約指輪を見つけた.
この特別な日にプロポーズされると信じていたのに, 翌朝SNSで見たのは, 大手建設会社の社長令嬢の薬指にその指輪が輝いている写真だった.
「愛してる, 莉枝」という彼の投稿. 私との5年間は, 一体何だったのだろう.
絶望の中, 私は彼らのプロポーズの現場に駆けつけた. そこで私を待っていたのは, 彼の裏切りだけではなかった.
会社では, 莉枝のネックレスを盗んだと濡れ衣を着せられ, 彼に平手打ちされ, 解雇された.
5年間, 彼の夢を支えるために全てを捧げた結果がこれ? 私の人生は, 彼の都合のいい駒だったというの?
だが, 彼らが知らないことがある. 私の両親が, 私のためにもっともふさわしい婚約者を用意していたことを.
「お母さん…私, 結婚する. お見合い相手と」
これは, 私の復讐の始まり.