苺野いちご
小説1部発表
苺野いちごの小説・書籍全集
炎が暴いた裏切りの真実
都市 片桐沙耶香
燃え盛る厨房の中, 婚約者の勇斗は私ではなく, 煙にむせた義妹の奈々香を抱きかかえ走り去った.
私はパティシエとして致命的な火傷を負い, やっとの思いで家に帰ると, そこには私が開発した新作チョコレートを食べ散らかし, 抱き合って眠る二人の姿があった.
「奈々香はまだ子供なんだ! 」彼はそう言って, 常に義妹を庇った.
彼の裏切りと彼女の偽善に, 私の心は凍りついた.
彼の店のオープニングパーティー当日. 私は復讐のため, パリ行きの飛行機に乗った. 会場のスクリーンに, 私のビデオメッセージが流れるまでは.
彼が私ではなく, 煙にむせた義妹を抱きかかえ, 燃え盛る厨房から走り去るのを, 私は床に倒れて見ていた. 熱い炎が私の肌を焼くよりも, 彼の背中が, 私の心を凍えさせた. あなたの傾向から
潔癖症の嘘、裏切りのキス
紅蓮 カイン 10年間付き合った婚約者の和也は, 「潔癖症だから」と言って, 私とのキスをいつも避けていた.
しかしある夜, 私は見てしまった. 彼が兄の元婚約者である幸世と, 公園の隅で情熱的なキスを交わしている姿を.
私が高熱で倒れた日, 彼は「会議中だ」と電話を切り, 幸世と旅行先で食事を楽しんでいた. それだけではない. 彼は私を無情にも解雇し, 私の秘書の席を幸世に与えたのだ.
「瑞実のことは大切にしたいから, ゆっくりと関係を深めていきたい」彼の優しい言葉はすべて嘘だった. 私はただ, 幸世の「代役」に過ぎなかったのだ.
10年間の献身と愛情が踏みにじられた絶望の底で, 私の心に冷たい復讐の炎が灯った.
結婚式当日, 私は姿を消した. そして, 披露宴のスクリーンに, あの夜のキス動画を流すよう手配した. 「和也, あなたの人生は, 今日で終わりよ」