不仲なはずの同居人に、壁ドンされ極甘に迫られる!?

不仲なはずの同居人に、壁ドンされ極甘に迫られる!?

Monica Moboreader

5.0
コメント
クリック
43
章

【ちょいワルで無骨な自動車整備工場オーナー×華やかでクールな大学教師】 大学の向かいにオープンした自動車整備工場。オーナーの藤原大和は、自由奔放でどこか不真面目そうに見える男だ。 佐藤莉乃は彼を避けようとしていたが、あっさり引き止められてしまう。「何を逃げてるんだ、車でも壊れたか?」 「ええ」 大和は律儀に車を修理してくれた。 その後…… 大学で二人が絡んでいるところを見られ、同僚に噂を立てられてしまう。「佐藤先生、あの人と何かあるんですか?」 やむを得ず大和と同居している莉乃は、慌てて首を振った。「私たち、親しい仲ではありません」 その日の夜。帰宅した莉乃は突然部屋に引きずり込まれ、ドアに押し付けられて深く熱い口づけを奪われた。 「佐藤先生、これで俺たち、親しい仲になったか?」

不仲なはずの同居人に、壁ドンされ極甘に迫られる!? チャプター 1 まともじゃない自動車整備工場のオーナー

白木蓮が一夜にして白川師範大学に咲き乱れたが、佐藤莉乃にそれを愛でる気分はなかった。

車が校門を出たところで、ダッシュボードのタイヤ空気圧警告灯が突然点灯した。

ハンドルが一瞬ふらついた。このまま遠くの正規ディーラーまで走るのは怖い。莉乃は大学の向かいにある自動車整備工場へ目を向けた。

ただ、その自動車整備工場のオーナーである藤原大和は、莉乃があまり関わりたくない人物だった。

三ヶ月前、大学の向かいの一等地が突然改装に入り、上下階合わせて五百平米の自動車整備工場が大々的にオープンした。

同僚が暇にまかせて揶揄していた。「ここのオーナー、頭おかしいんじゃないの? 大学の真ん前に自動車整備工場なんて。客層も合わないし、商売として成り立たないでしょ」

ところが開店初日、店の前はマイバッハ、フェラーリ、ポルシェといった高級車で埋め尽くされた。

それ以来、暇を持て余した金持ちの息子たちが入り浸り、まともなこともせず、集まってはふざけ騒いでいる。

類は友を呼ぶというが、莉乃が大和に良い印象を抱いていないのも当然だった。

彼女が大和を知っているのも、ひとえに彼の整った顔立ちのおかげだ。

大学を歩けば、どこへ行っても女子学生たちの彼に関する噂話が聞こえてくる。一部の女性の同僚までもがその話に夢中だった。

曰く、彼は遊び人でだらしなく、店にはいつも女性がひっきりなしに出入りしている、と。

そんな話を何度も聞かされ、莉乃はうんざりしていた。軽薄な振る舞いをするから、あれこれ噂されるのだ。

彼女の目には、向かいの自動車整備工場はまともな場所には映らなかった。

警告灯が点滅を続ける。莉乃は一瞬ためらったが、やはり近くで修理することにした。

空気圧の低下は速いが、大和の店までなら問題なくたどり着けるだろう。

莉乃はハザードランプをつけ、ゆっくりと車を向かい側へ進めた。

昼間は例のドラ息子たちはやってこない。夜になると集まってきて、整備工場はさながらナイトクラブだ。

修理スペースは入口の右手にあった。二歩ほど足を踏み入れたところで、濃いグレーの作業着姿の大和が、片手を地面について素早く車の下から滑り出てきた。

引き締まった肩と背中のライン。首筋と前腕にはオイルの染みがつき、青筋の浮いた肌の上でそれがやけに野性的に見えた。

すっと立ち上がった大和は背が高く、その無骨な姿には近寄りがたいものがあった。

視界の端で人の気配を捉え、彼が顔を向けると、そこには色白で涼やかな顔立ちの女性がいた。

その黒々とした瞳が、じっと動かずに彼女を見つめている。

何千万もの借金を踏み倒されたかのような、不機嫌な顔だ。

莉乃は軽く眉をひそめ、あたりを見回した。修理スペースには、なんと大和一人しかいない。

もう日も高いというのに、これだけ広い店で受付以外に従業員の姿が一人も見当たらない。

こんなにだらしなくては、車の修理の腕もたかが知れているだろう。

莉乃は思わず抵抗感を覚え、涼しげな顔をこわばらせた。半歩後ずさる。もう修理はやめよう。いざとなればレッカーを呼べばいい。

その時、背後から大和が声をかけてきた。「どこ行くんだ、車が故障したのか?」

莉乃は足を止めた。聞かれた以上、黙って立ち去るわけにもいかない。落ち着いた声で答えた。

「空気圧の警告灯がついたんです。釘でも踏んだのかもしれません」

大和は顎をくいとしゃくった。「見に行くか」

まあ、見るだけなら損はない。

もし大和が直せるのなら、それに越したことはない。

これから約束もあるのだ……。少し考え、莉乃は入口を指さした。「外にあります」

入口には、白いアウディがきちんと駐車スペースに停まっていた。

大和は車の周りをぐるりと一周し、やがて右の前輪の前にしゃがみこんだ。

莉乃ははっとして眉を寄せた。どうしてこれが自分の車だとわかったのだろう?

「タイヤ、明らかにへこんでるな」大和は作業着のポケットからライトを取り出しながら尋ねた。「いつ気づいた?」

「校門を出たところで、警告灯が」 と莉乃は言った。

「学校で釘を踏んだとは限らない」 大和は点検しながら説明する。「小さい釘だと空気の抜けが遅いからな。気づかないうちに走ってて、警告灯がついて初めてわかるもんだ」

「ええ」 莉乃は相槌を打った。言うことはまともらしい。

彼女はそっと胃のあたりを押さえた。今朝は朝食を食べる時間がなく、空腹のまま二コマ授業をこなしたのだ。

「あった」 大和はライトで照らし、莉乃に見るよう促した。「トレッド面の真ん中だ。位置は悪くないが、釘がでかい。だから空気圧が早く落ちたんだ」

莉乃は腰をかがめてしばらく見ていたが、体を起こした瞬間にめまいがした。

息苦しい胸を押さえ、つらそうに眉を寄せる。その顔は青白く、それでも目を引くほど綺麗だった。

「どのくらいで直りますか?」莉乃は焦りをにじませ、急かすように尋ねた。

大和:「俺が直す。すぐだ」

莉乃は唇を結んだ。視界がかすみ、冷や汗が背中をどっと濡らす。

嫌な予感がして、ドアハンドルをつかもうと手を伸ばしたが、目の前の景色がさらにぐにゃりと歪み、手は空を切った。

体がまっすぐ前へと傾いていく。莉乃は小さくうめき、足首に鋭い痛みが走った。

次の瞬間、彼女は地面に崩れ落ち、大和の体にぶつかった。

大和はとっさに腕を回し、彼女の体を支えた。

「砂糖……」

低血糖か。大和は向き直り、片腕を彼女の膝裏に差し入れて抱き上げると、店の中に向かって叫んだ。

「石田、砂糖水持ってこい!」

受付の若い女性が驚いて尋ねた。「お客様、どうしたんですか?」

「低血糖だ」大和は莉乃を待合スペースのソファに運びながら言った。「急げ」

「はい、ただいま!」

砂糖水を作るのは簡単だ。待合スペースの丸テーブルには角砂糖が置いてあり、三つほどぬるま湯に溶かせばいい。

大和が莉乃を抱きかかえる中、石田真帆は二人の関係を推測しながら、ゆっくりと彼女に砂糖水を飲ませた。

数分後、莉乃は眉をひそめ、ゆっくりと目を開けた。

自分が大和の腕の中にいると気づくやいなや、身を起こそうとした。

大和は彼女を押さえた。「起き上がりこぼしかよ。低血糖だ、少し休んでからにしろ」

「……ありがとうございます」莉乃の声は乾いていて、弱々しかった。

心の中は気まずさでいっぱいだった。良く思っていなかった相手に、助けられてしまったのだから。

丸テーブルの上にはお菓子が山と積まれていた。大和はそこからクッキーとバナナを取って差し出した。「何か食え」

「ありがとうございます」

莉乃はソファに手をつき、彼と距離を取ろうとした。すぐそばにいる大和の存在感が強すぎる。

ところが、右足を床につけた途端、骨に響くような鋭い痛みが足首から突き抜けた。

「いっ……!」莉乃は顔をしかめ、再びソファに座り込んだ。足元を見ると、足首がぷっくりと大きく腫れ上がっている。

先ほどは低血糖で足のことまで気が回らなかったが、意識がはっきりしてくると、痛みがひときわ鮮明になった。

大和は立ち上がると、即席のアイスパックを作って手渡した。「脚、上げろ」

莉乃はとっさにスカートの裾を押さえた。

大和は短く鼻で笑い、面白そうに彼女を見た。クッションを手に取って差し出す。「これ、敷いて。足を高くしろ」

「……」莉乃は気まずそうにそれを受け取った。

彼を悪い人だと思い込んでいた。

氷を入れたのは口を閉じられる袋だった。広く当てられるので、そのまま足首にのせればいい。

莉乃はもう一度礼を言い、冷やしている間にクッキーとバナナを一口ずつ胃に収めた。

釘が刺さっただけなので、修理は早く、全部で三、四十分で終わる作業だ。

ホイールバランスを取り、空気を入れて再チェックした後、大和が店に入ってきて、莉乃に車のキーを放り投げた。ちょうど、彼女の足のアイシングも終わったところだった。

莉乃が支払いをしようとすると、大和はQRコードを表示し、悪びれもせずに言った。

「ひとまず連絡先を追加してくれ。支払いは送金アプリで頼む。昨日、店の決済用コードを子供に破られちまってな」

莉乃はQRコードを読み取って尋ねた。「おいくらですか?」

「2000円」 大和は言った。「脱着、パンク修理、ホイールバランス込みだ。ついでに洗車もサービスしといた」

支払いを終えてから、別に友達追加する必要はなかったと気づいた。莉乃は「AAA自動車整備工場」というアカウント名を見て、何気なく尋ねた。「これはあなたの個人アカウントですか?」

大和は彼女を見つめ、二秒黙ってから言った。「店のやつだ」

莉乃は頷いた。彼がさっきカウンターから取った別のスマートフォンが、きっと店用のものなのだろう。

支払いを済ませると、莉乃のスマートフォンが鳴った。

背の高い大和は、彼女の着信画面に表示された「お見合い相手⑨」という表示をちらりと目にした。

莉乃が電話に出ると、相手は彼女がどこにいるのか尋ねた。

「ごめんなさい、足を怪我してしまって。また日にちを改めてお願いできますか」 莉乃は表情を変えず、淡々とした口調で言った。

相手は医師で、ぜひ診たいと言って譲らない。

莉乃は言った。「もう冷やしましたし、それに車も故障して、今は大学の向かいの自動車整備工場にいるんです。黒木先生、また今度にしましょう」

「ちょうど君の大学の近くだから、僕もついでに洗車でもしてもらおうかな。そこで待っていて」

莉乃は一瞬呆気にとられた。どういうことだろう? まさか、大和の自動車整備工場でお見合いをするつもりなのだろうか。

続きを見る
章
すぐ読みます
本をダウンロード
不仲なはずの同居人に、壁ドンされ極甘に迫られる!? 不仲なはずの同居人に、壁ドンされ極甘に迫られる!? Monica Moboreader 都市
“【ちょいワルで無骨な自動車整備工場オーナー×華やかでクールな大学教師】 大学の向かいにオープンした自動車整備工場。オーナーの藤原大和は、自由奔放でどこか不真面目そうに見える男だ。 佐藤莉乃は彼を避けようとしていたが、あっさり引き止められてしまう。「何を逃げてるんだ、車でも壊れたか?」 「ええ」 大和は律儀に車を修理してくれた。 その後…… 大学で二人が絡んでいるところを見られ、同僚に噂を立てられてしまう。「佐藤先生、あの人と何かあるんですか?」 やむを得ず大和と同居している莉乃は、慌てて首を振った。「私たち、親しい仲ではありません」 その日の夜。帰宅した莉乃は突然部屋に引きずり込まれ、ドアに押し付けられて深く熱い口づけを奪われた。 「佐藤先生、これで俺たち、親しい仲になったか?」”
1

チャプター 1 まともじゃない自動車整備工場のオーナー

今日12:07

2

チャプター 2 佐藤先生、クッキーはおいしいですか

今日12:07

3

チャプター 3 藤原社長の過剰なサービス

今日12:07

4

チャプター 4 社長、あの人のこと気に入ったんですか

今日12:07

5

チャプター 5 何をご馳走してくれるんですか、先生

今日12:07

6

チャプター 6 金曜の夜に

今日12:07

7

チャプター 7 佐藤先生、今夜はとても綺麗ですね

今日12:07

8

チャプター 8 君が寒いかと思って

今日12:07

9

チャプター 9 大和さんの一目惚れ

今日12:07

10

チャプター 10 あなたの車にピアス、落ちていませんでしたか

今日12:07

11

チャプター 11 食事先での再会、同僚からの誘い

今日12:07

12

チャプター 12 私を見て何を笑っているの

今日12:07

13

チャプター 13 どうしてそんなに近くにいたんですか

今日12:07

14

チャプター 14 親切な人

今日12:07

15

チャプター 15 彼と相談しないと

今日12:07

16

チャプター 16 なあ、どうしたんだ?

今日12:07

17

チャプター 17 一つ屋根の下で

今日12:07

18

チャプター 18 見合い相手たちと楽しげに

今日12:07

19

チャプター 19 佐藤先生、ここ、気持ちいいですか

今日12:07

20

チャプター 20 家賃を分け合わないか

今日12:07

21

チャプター 21 俺の彼女だって言えば……

今日12:07

22

チャプター 22 少し我慢して、瞬きするな

今日12:07

23

チャプター 23 雨の日に先生を迎えに

今日12:07

24

チャプター 24 「先生は家にいるって」

今日12:07

25

チャプター 25 SUVの男は、本当にあんたの彼氏か

今日12:07

26

チャプター 26 シャワー浴びるけど、あなたも付いてくる?

今日12:07

27

チャプター 27 近づかれても平気なのは、あなただけ

今日12:07

28

チャプター 28 震えないで、先生

今日12:07

29

チャプター 29 あの派手な男は、元お見合い相手

今日12:07

30

チャプター 30 聞かせてもらおうか、どこが気に入らないのか

今日12:07

31

チャプター 31 社会保険がある人が好きです

今日12:07

32

チャプター 32 佐藤先生には好きな人がいますから

今日12:07

33

チャプター 33 あんたみたいな見た目なら、うちの姪と釣り合うんだけどね

今日12:07

34

チャプター 34 姪のためにキープ君

今日12:07

35

チャプター 35 すぐについた既読

今日12:07

36

チャプター 36 あなたが両手に花だった、その時に

今日12:07

37

チャプター 37 危うく、二人の恋の小道具に

今日12:07

38

チャプター 38 まあ、恋敵ってところかしら

今日12:07

39

チャプター 39 彼女は恥ずかしがり屋なので、ご容赦を

今日12:07

40

チャプター 40 私より飲んでたじゃない

今日12:07