Login to 蒼海本棚
icon 0
icon チャージ
rightIcon
icon 閲覧履歴
rightIcon
icon ログアウトします
rightIcon
icon 検索
rightIcon
高校デビューの卓球初心者vs.告白100人斬りの女子マネコーチ

高校デビューの卓球初心者vs.告白100人斬りの女子マネコーチ

宮野蹴鞠

4.0
コメント
246
クリック
21

 ヒロイン【みくり】は、物心付く前から卓球漬けの英才教育を受けて育ち、中学二年生でオリンピック【卓球U-15】銀メダリストになった。  自覚は無いが、小柄で超可愛い顔立ち、卓球で鍛えられた身体はスレンダーで美しく見える。  中学三年になると、胸が急成長を開始‥‥更に成長期は終わっておらず、身長は伸びないが胸だけ成長していった。  そして、それは彼女をドン底に突き落とした。  胸が邪魔で卓球の未来が潰えたのだ。  それでも卓球特待生の誘いは多校あったが「オリンピックで上位を狙えなくなった以上、先に進めない」と断ってしまった。  またアイドル転向のスカウトもあったが「目立つのは好きじゃない」と断って、公立高校に通う事に。  市立日樫高校へと進学し、みくりは男子卓球部の女子マネ兼コーチとなって全国制覇を目指している努力の人。  一方、主人公の【真和】は、両親が卓球部上がりで恋愛結婚した環境に育つ。  しかし、反抗期だった彼は、両親が中学の部活に卓球を勧めてきたのを撥ね退け、趣味だった囲碁将棋部に入部した。  元々、運動音痴だったのだ。  身体の柔軟性は皆無‥‥前屈しても手は届かないし、ブリッジをすると台形になる。  足は速くもなく遅くもないが、持久走はビリッケツ。  握力は女子にすら負ける最低記録保持者で、反射神経も鈍い。  体育以外の全ての教科は、一切、宿題・予習・復習をせずとも、授業だけで平均点以上が取れる【努力とは無縁の天才肌】。  高校進学が決まって、声変わりも反抗期も終わり、親孝行の精神が芽生え、卓球部への入部を決意したのは良かったのだが‥‥。 ※この小説はフィクションであり、登場する人物や団体などは、現実とは異なります。 ※オリンピック種目としての【卓球U-15】も現実には存在しません。

チャプター 1 プロローグ:モテる女はツライよ。

「好きです! 付き合って下さいッ!」

「ふーん。で、アンタ。【アタシのどこが好き】なの?」

「全部です!」

「ハ? アナタが【アタシの何を知ってる】のかしら?」

「去年のミスコン優勝で‥‥超可愛いし」

「はい、ストップ!【アタシの顔が好みなだけ】なのね?」

 はあ、またこのパターンか‥‥去年の学内ミスコンに【泣き落とし】で出場させられ、優勝してしまった所為で、もう100人目なのよね。

 そして、空を見上げると曇り空。

 告白の場は、いつも何故か曇天だったりするわけよ。

「いや、顔だけじゃなくて‥‥あの、ナイスバディな所とか‥‥」

「見た目だけ?」

「あー、えっと‥‥、中学の卓球で銀メダル獲ったとか‥‥」

「そんなの【誰でも知ってる】わよ。他には?」

「え、え、えーと‥‥」

「つまり、アンタは【アタシの事を何も知らない】‥‥【顔とスタイルがいいから付き合いたい】のね? 却下、帰れ!」

 アタシの眼力に怯んだ告白男子は、腰を引かせて。

「ご、ごめんなさいッ!」

 と、逃げていった。

 溜息しか出ない。

 何故か、アタシの顔は可愛いらしい。

 自慢する気は無いけど、ジュニア卓球で銀メダリスト。

 近年設立されたオリンピック種目【卓球U-15】女子シングルスで、金メダルを賭けた決勝戦‥‥中国の選手に負けてメチャクチャ悔しかった。

 卓球で鍛えられて、自然とスタイルがよくなってしまったらしい。

 そして、中三から胸が急成長‥‥アタシは胸が邪魔で卓球の未来を潰された。

 こんな脂肪の塊、本気で要らない。

 高校二年生になった今も更に成長している‥‥。

 もっと背が伸びたら良かったのにな‥‥平均以上の身長は、卓球を有利にするのよ。

 そして、毎日のように靴箱にラブレターが入っていて、まず選別。

 差出人の名前が書いてないヤツは【即ゴミ箱行き】。

 名前が書いてある中で、宛名がアタシになってるヤツは一応読む。

 失礼がないように指定された待ち合わせ場所に行く。

 屋上だったり、校舎裏、体育館裏、定番の場所ならね‥‥学校の外は却下。

 でも、いつも結果は同じ。

 卓球部の男子からも全員に告白されていた。

 と言っても、アタシのコーチングに着いてこれなくて、次々と辞めてくから今は10人だけど。

 卒業していった先輩も含め、全員フッてきた。

続きを見る

Other books by 宮野蹴鞠

もっと見る

おすすめ

ブラッディ・ソムリエ

ブラッディ・ソムリエ

石橋崇行
5.0

2020年代の日本では「ソムリエ」と言う吸血モンスターによる凶悪事件に悩まされていた。今作の主人公、青山颯斗は血液を飲用することで持ち主の能力を使いこなす「吸収型脳力」を使いソムリエ討伐を行っていた。 だが彼は幼い頃に妹と施設に預けられて過ごしていたがそこでは過酷な人体実験や訓練が行われており妹も実験によってソムリエへと変貌を遂げてしまい、一人で施設を脱出した過去がある。 普段はお調子者の颯斗だったがある事情で身を潜めながらソムリエや妹の情報を探る学生生活を送らなければいけなかった。 全国の孤児や少年犯罪者、不登校者など社会的地位が低い人間を集めて生物兵器の人体実験を行う「ゲノム研究所」で育った「施設の子」がソムリエを操り国家転覆のテロを起こしているとされる「吸血の子」とされていて警察も全力で足取りを追っていた。 普段、出席していても欠席扱いにまでなるくらいに影が薄い陰キャを演じていた颯斗の前に不良グループにいじめを受けて助けを求める少年と出会い、渋々脳神経を集中させることで血液を武器として使うことで強力な力を発揮する「脳力」の一つ雷の力をバレないように使い不良を倒すが、数か月前に転校してきた2年の女子生徒で不良の彼女でもある「水島紗菜」に「施設の子」ではと言う疑念を抱かれてしまう。 だが紗菜の評判が悪く周りの生徒からは先生との援助交際や複数の交際疑惑などが絶えなかった。そんなある日、颯斗の中学校でソムリエによる連続吸血殺人事件が発生してしまい、颯斗は渋々事件解決を行うと紗菜の疑念が確信となり脳力がバレてしまった。 脅された颯斗は渋々、紗菜と共に行動する脳力者が経営するネットカフェに来て協力することを約束される。 だが表向きは普通のネットカフェだったがそこに集まる脳力者は元ゲノム研究所から逃げ延びた者でソムリエ討伐を商売として行う探偵社だ。 世間ではますます凶悪化するソムリエの事件によって施設の子に対する目が厳しくなる中、東京の中心で「施設の子」と名乗る人物が都知事を人質に取ったテロ事件を起こすこととなり颯斗たちは、事件解決と施設に関する手がかりを掴むため現場へ向かうがこの時、颯斗たちは既にある人物の手の上で踊らされているとは思いもよらなかった……

すぐ読みます
本をダウンロード