五年間の愛、無価値だったの?
恵 P
り道, 頭の中は空っぽだった. これでよかったのだろうか. この五年は, 本当に意味がな
声が聞こえてきた. 嫌な予感が全身を駆け巡る. 胸が締め
. 声のする方へ, まるで夢遊病者のように足を進めた.
す礼十郎様と雅さんの姿があった. 私の視界は, 一瞬にして歪んだ. 息
するの, スリル
を見た. その視線は, まるで
か怒ってるんじゃな
に, 礼十郎
心から愛しているからな. こん
て何なのだろうか. ただ都合の良い女なのか. 胸の奥が空っ
ことなど, 彼らには微塵も想像できないのだろう.
たり前に, 深く
った. 彼らは, 私がそこに立っていることに気づかないふり
雅が少し飲みすぎたようだ. 何か温
った. その声は, まるで私を使用人のように扱う響きがあった
中です. このような行為は,
礼十郎様はカッ
俺は, お前との婚約など, 最初から望んで
, 彼の心の中でそんなにも軽かったのだろうか. 心
が吐きそうだ.
を急かした. 私は, 内心で彼を嘲笑し
. 彼はその時, 「もう二度と, 朋恵にこんなことをさせない」と, 優しく私の頭を撫でてく
終わる. 全て
プを作った. リビングから聞こえる楽しげな声に, 耳
かこれ, 私が飲む
の瞬間, 彼女は私の手からスープの入ったボウル
あああ
床に叩きつけられ, 砕け散った. 彼女は
うしたんだ
彼は, 床に散らばったスープの破片と, 雅さ
一体何
. 彼は, 私の言葉を聞こうともせ
だ! お前は本当
で罵倒した. 雅さんは, 彼の腕に抱
様, 大
見上げた. その視線は, 私を挑
せるのが得意だな. お前に
もはや私の心に届かなかった. 私は, 彼の心の中に, 私
だった. もっと早く,
にこの家を去る. もう, 彼の人生に