菜の花みのり
小説1部発表
菜の花みのりの小説・書籍全集
三度目の延期、私はもう終わり
都市 結婚式の三日前, 婚約者の圭貴から電話がかかってきた.
「悪いけど, 結婚式を一ヶ月延期できないかな? 莉泉がオーディションに落ちて落ち込んでるんだ」
これで三度目だった.
一度目は愛猫の死, 二度目は原因不明の体調不良.
そして今回は, ただのオーディション落選.
私の我慢は限界を超えていたが, 彼はさらに追い打ちをかけた.
私に贈るはずだった代々伝わる家宝のヘッドピースを, 勝手に莉泉にプレゼントしていたのだ.
抗議する私に, 彼は冷たく言い放った.
「お前は強いから一人でも大丈夫だろ? 莉泉には俺しかいないんだ」
さらに, 父の会社の命運を握るプロジェクトを盾に, 私を莉泉の引き立て役としてパーティーに参加させ, 皆の前で嘲笑った.
私の心の中で, 何かがプツンと切れた.
震える手でスマートフォンを取り出し, ずっと私を待ち続けてくれていた, あの日野財閥の総帥に電話をかけた.
「日野さん, もし, まだ私との結婚を望んでくださるなら... 今すぐ動いていただけますか? 」 あなたの傾向から
潔癖症の嘘、裏切りのキス
紅蓮 カイン 10年間付き合った婚約者の和也は, 「潔癖症だから」と言って, 私とのキスをいつも避けていた.
しかしある夜, 私は見てしまった. 彼が兄の元婚約者である幸世と, 公園の隅で情熱的なキスを交わしている姿を.
私が高熱で倒れた日, 彼は「会議中だ」と電話を切り, 幸世と旅行先で食事を楽しんでいた. それだけではない. 彼は私を無情にも解雇し, 私の秘書の席を幸世に与えたのだ.
「瑞実のことは大切にしたいから, ゆっくりと関係を深めていきたい」彼の優しい言葉はすべて嘘だった. 私はただ, 幸世の「代役」に過ぎなかったのだ.
10年間の献身と愛情が踏みにじられた絶望の底で, 私の心に冷たい復讐の炎が灯った.
結婚式当日, 私は姿を消した. そして, 披露宴のスクリーンに, あの夜のキス動画を流すよう手配した. 「和也, あなたの人生は, 今日で終わりよ」