蜜柑林みか
小説1部発表
蜜柑林みかの小説・書籍全集
奪われた全て、愛人の嘘
都市 「お願い, 先生. 彼を助けてください. 私にできることは何でもしますから. 」私は電話越しに, 夫・翔鶏の命を救うため, 骨髄提供を懇願した.
しかし, 手術を目前に控えた病院で, 夫は愛人の友穂に寄り添い, 私に冷たく言い放った.
「適合するドナーが見つかったんだ. 君は俺が死ねばいいと思っているんだろう. 」
世間は友穂を「献身的なパートナー」と称賛し, 私を「夫を理解しない冷たい妻」と非難した. 友穂は勝ち誇ったように私から家も思い出も, 全てを奪い去っていく.
私の最後の愛は, 彼には憎しみとしてしか届かない. 心は完全に壊れ, 私は離婚届にサインし, 自分の存在をすべて消し去ることを決意した.
しかし数ヶ月後, 私の骨髄提供同意書と残された写真を見つけ, すべてが愛人の嘘だったと知った夫は, 血の滲むような後悔と共に, 私を探しに異国の地まで追いかけてきた. そして, 私の目の前で離婚届を破り捨て, こう言った.
「もう二度と, 君を離さない. 」 あなたの傾向から
潔癖症の嘘、裏切りのキス
紅蓮 カイン 10年間付き合った婚約者の和也は, 「潔癖症だから」と言って, 私とのキスをいつも避けていた.
しかしある夜, 私は見てしまった. 彼が兄の元婚約者である幸世と, 公園の隅で情熱的なキスを交わしている姿を.
私が高熱で倒れた日, 彼は「会議中だ」と電話を切り, 幸世と旅行先で食事を楽しんでいた. それだけではない. 彼は私を無情にも解雇し, 私の秘書の席を幸世に与えたのだ.
「瑞実のことは大切にしたいから, ゆっくりと関係を深めていきたい」彼の優しい言葉はすべて嘘だった. 私はただ, 幸世の「代役」に過ぎなかったのだ.
10年間の献身と愛情が踏みにじられた絶望の底で, 私の心に冷たい復讐の炎が灯った.
結婚式当日, 私は姿を消した. そして, 披露宴のスクリーンに, あの夜のキス動画を流すよう手配した. 「和也, あなたの人生は, 今日で終わりよ」