霧島藍
小説1部発表
霧島藍の小説・書籍全集
私は彼の完璧な代用品
都市 5年間, 完璧な恋人として尽くしてきた浩二から, 夢のようなプロポーズを受けた.
しかし, その祝宴の最中, 彼は亡き元カノの妹を追いかけるため, 私を突き飛ばした.
腕を骨折し病院に置き去りにされた私は, 彼のパソコンから衝撃の事実を知る. 服装, 髪型, 表情まで…私は彼の亡き恋人の完璧な「代役」に過ぎなかったのだ.
5年間の愛が全て偽りだったと知り, 私の心は凍りついた.
全てを捨て, 兄が用意した富豪との結婚を決意した私. 後悔と涙で復縁を迫る彼に, 私は新しい婚約指輪が輝く左手を見せつけた.
「これが, 私の答えよ」 あなたの傾向から
捨てられた妻の華麗なる逆転
雪村 桜 夫と娘, そして夫の愛人.
三人が仲睦まじく笑う写真を見ても, 私の心はもう動かなかった.
重度の蕎麦アレルギーがある私に, 愛人は嘲笑いながらクッキーを渡してきた.
呼吸困難で床にのたうち回る私を, 夫は冷酷に見下ろした.
「また演技か? いい加減にしろよ」
その直後, 愛人が「足が痛い」と嘘をつくと, 夫は迷わず彼女を抱きかかえて出て行った.
残された私に, 実の娘である結月がリンゴを投げつけ, 無邪気な悪意を向ける.
「あんたなんかママじゃない! 江美ママの方がいい匂いするもん, 早く死んじゃえばいいのに! 」
薄れゆく意識の中で, 私は悟った.
私が命懸けで守ってきた家族にとって, 私はただの邪魔なゴミでしかなかったのだ.
自力で救急車を呼び, 一命を取り留めた私は, 震える手で離婚届にサインをした.
数年後, 全てを失った夫と娘が泣きついてきたが, 私は冷たく言い放った.
「私の人生から消えてください」