禁断の愛:守護者の憤怒

禁断の愛:守護者の憤怒

Gavin

5.0
コメント
クリック
30

この十年、私は後見人である一条蓮(いちじょう れん)に、ずっと密かに恋をしていた。 家族が崩壊した後、私を引き取り、育ててくれた彼。 彼こそが、私の世界のすべてだった。 十八歳の誕生日。 私はありったけの勇気を振り絞って、彼に愛を告白した。 けれど、返ってきたのは、見たこともないほどの彼の激昂だった。 彼は私の誕生日ケーキを床に叩きつけ、こう怒鳴りつけたのだ。 「正気か? 俺は君の後見人なんだぞ!」 そして、私が一年かけて描いた告白の絵を、無慈悲にも引き裂いた。 そのわずか数日後、彼は婚約者の詩織(しおり)さんを家に連れてきた。 「大人になるまで待っている」と約束してくれた人も、「君は俺の一番星だ」と言ってくれた人も、もうどこにもいなかった。 十年間の絶望的で燃えるような恋心は、私自身を焼き尽くすだけで終わった。 私を守ってくれるはずだった人は、誰よりも私を傷つける人になってしまった。 手の中にある慶應大学の合格通知書を見つめる。 もう、ここを出ていかなければ。 どれだけ痛くても、この心から、彼を消し去らなければならない。 私はスマホを手に取り、父の番号をタップした。 「お父さん」 声が、嗄れていた。 「決めたの。私、お父さんのいる東京へ行く」

第1章

この十年、私は後見人である一条蓮(いちじょう れん)に、ずっと密かに恋をしていた。

家族が崩壊した後、私を引き取り、育ててくれた彼。

彼こそが、私の世界のすべてだった。

十八歳の誕生日。

私はありったけの勇気を振り絞って、彼に愛を告白した。

けれど、返ってきたのは、見たこともないほどの彼の激昂だった。

彼は私の誕生日ケーキを床に叩きつけ、こう怒鳴りつけたのだ。

「正気か? 俺は君の後見人なんだぞ!」

そして、私が一年かけて描いた告白の絵を、無慈悲にも引き裂いた。

そのわずか数日後、彼は婚約者の詩織(しおり)さんを家に連れてきた。

「大人になるまで待っている」と約束してくれた人も、「君は俺の一番星だ」と言ってくれた人も、もうどこにもいなかった。

十年間の絶望的で燃えるような恋心は、私自身を焼き尽くすだけで終わった。

私を守ってくれるはずだった人は、誰よりも私を傷つける人になってしまった。

手の中にある慶應大学の合格通知書を見つめる。

もう、ここを出ていかなければ。

どれだけ痛くても、この心から、彼を消し去らなければならない。

私はスマホを手に取り、父の番号をタップした。

「お父さん」

声が、嗄れていた。

「決めたの。私、お父さんのいる東京へ行く」

第1章

一条蓮を諦める十八日目は、スマホのロック画面の写真を消すことから始まった。

それは、私がこっそり撮った一枚だった。

午後の陽だまりの中、ソファに座る蓮さん。

膝の上には経済誌が置かれ、彼は私を見て、ほんのわずかに、気づくか気づかないかくらいの笑みを浮かべていた。

八歳から十八歳までの丸十年。

この人こそが、私の世界の太陽だった。

私の喜びも、怒りも、悲しみも、世界のすべてが彼を中心に回っていた。

でも今、私はその太陽を、自分の手で消し去ろうとしている。

画面が、真っ暗になった。

何も残らない、ただの黒。

小野寺美咲(おのでら みさき)は、震える指でスマホを置き、テーブルの上のミルクを手に取った。

もう冷たくなっている。

一気に飲み干すと、冷たい液体が喉を滑り落ちていく。

それでも、胸の奥で燃えるような痛みは抑えられなかった。

もう一度スマホを手に取り、ずっと連絡していなかった番号にかける。

すぐに繋がった。

電話の向こうから、男性の優しい声が聞こえる。

『美咲かい?』

「お父さん」

私は少し嗄れた声で呼びかけた。

「合格通知が来たの。慶應に」

父は一瞬黙り、それから隠しきれない喜びの声で言った。

『すごいじゃないか! 美咲、おめでとう。美術史学科だろう? 君がずっと行きたがっていた』

「うん」

『それで、決心はついたのかい? 東京に来るって』

「決めた」

私はスマホを握りしめる手に力を込めた。

「お父さんと一緒に暮らしたい」

この場所から逃げ出したかった。

一条蓮から、逃げ出したかった。

父は私の声に含まれた感情を察したようだった。

小さくため息をつく。

『蓮くんのことかい? また何か辛いことでも言われたのか?』

「ううん」

私は嘘をつき、努めて明るい声を出した。

「彼、婚約するの。被後見人の私がいつまでも彼の家に住んでるなんて、おかしいでしょ。それに、私ももう大人だし。自立しなくちゃ」

重い沈黙が流れた。

しばらくして、父の心からの痛みが伝わってくるような声が、電話の向こうから聞こえてきた。

『可哀想な美咲。今までずっと、俺のせいで……あんな家に住まわせて、辛い思いをさせたな。来てくれるなら、それが一番だ。これからは、父さんがお前を守ってやる』

そして、こう付け加えた。

『うちの会社の経営も、もう立て直した。もう誰かに頼る必要はない。父さんが、お前を支えてやれる』

その言葉の温かさに、私の目の奥がツンとした。

鼻をすすり、涙をこらえる。

「うん」

電話を切った後、鏡に映る自分を見た。

目は赤く腫れ上がっている。

十年。

決して私のものにはならない人を、丸十年も愛し続けた。

もう、行かなくちゃ。

どれだけ痛くても、一条蓮を、この心から少しずつ、引き剥がしていかなければ。

深呼吸をして、部屋を出る。

廊下の突き当たりにある書斎の明かりがついていた。

蓮さんはまだ仕事をしている。

一瞬ためらったけれど、私は慶應の合格通知書を握りしめて、そちらへ歩き出した。

彼に、伝えなければ。

半開きになったドアの前で立ち止まる。

隙間から、中の男性の姿が見えた。

シンプルなグレーのシャツを着て、背筋を伸ばし、真剣な表情をしている。

ランプの光が彼のシャープな横顔に柔らかな陰影を落とし、まるで作り物のように整った顔立ちを際立たせていた。

高い鼻筋には金縁の眼鏡がかけられ、その冷たい雰囲気に、洗練された知的な魅力を添えている。

この人が、一条蓮。

父のかつての弟子で、うちの会社が傾いた時も、最後まで忠誠を誓ってくれた優秀な若者。

両親が離婚し、母が国を去った時、どん底にいた父が、私の法定後見人になってほしいと頼んだ人。

私を育ててくれた人。

血の繋がりのない、後見人。

そして、私が十年もの間、密かに愛してきた人。

「蓮さん」

私はかろうじて聞き取れるほどの小さな声で呼びかけた。

蓮さんは顔を上げ、私を見るとわずかに眉をひそめた。

「何だ?」

その声は、いつものように冷たく、よそよそしい。

私の心臓が、きゅっと縮こまる。

何かを言おうとしたその時、デスクの上の彼のスマホが、軽やかな音を立てて鳴った。

発信者名を見た瞬間、彼の冷たい表情が溶けていく。

今まで見たこともないような優しさが、その瞳に咲いた。

「詩織」

彼は低く、柔らかな声で言った。

婚約者の、橘詩織さんだ。

「会場? 君が決めていいよ、俺はどこでも。費用のことは気にするな」

彼は電話の相手の話に耳を傾け、その口元には甘やかすような笑みが浮かんでいる。

「君が気に入れば、それが一番だから」

私はドアの前で凍りついたまま、手足が氷のように冷たくなっていくのを感じた。

手の中の合格通知書が、まるで鉛のように重い。

ふと、二ヶ月前の十八歳の誕生日を思い出した。

私は勇気を振り絞って、一年かけて描いた『秘めごと』というタイトルの絵を彼に贈った。

絵の中では、一人の少女が、男の人の背中を追いかけている。

その瞳は、愛で満ちていた。

それが、私の告白だった。

蓮さんの反応は、今まで見たこともないほどの激しい怒りだった。

彼はテーブルの上のプレゼントをすべて払い落とし、ケーキは床に叩きつけられた。

「小野寺美咲!」

彼は怒りで目を赤く染め、怒鳴った。

「正気か? 俺は君の後見人なんだぞ!」

私は涙を流しながら、必死に言い返した。

「でも、血は繋がってない! お父さんはあなたを信頼してた! それに、いつも私を甘やかしてくれたじゃない……後見人が被後見人にする態度じゃないわ!」

彼は鼻で笑った。

その美しい顔が、残酷に歪む。

「家族愛と恋愛の区別もつかないのか? 君にかけた教育費が無駄だったな」

そう言って、彼は私の絵を、私の『秘めごと』を、容赦なく引き裂いた。

そして、一度も振り返ることなく立ち去り、私はめちゃくちゃになった誕生日の残骸の中に、一人取り残された。

泣きながら破片を拾い集め、丁寧にテープで貼り合わせた。

でも、その絵は、私の心と同じように、傷だらけになってしまった。

それでも、私は諦めきれなかった。

もっと良い子になれば、彼と同じ慶應に入れば、きっと彼も私を見てくれるはずだと信じていた。

けれど、卒業式の直後、彼は橘詩織さんを家に連れてきた。

彼は笑顔で紹介した。

「美咲、紹介するよ。俺の婚約者の詩織だ」

その瞬間、私は悟った。

本当に、終わったのだと。

この十年間の、必死で燃えるような恋は、私自身を焼き尽くすだけで終わった。

今、私は、この火を自分の手で消さなければならない。

この心から、彼を追い出さなければ。

続きを見る

Gavinのその他の作品

もっと見る
アルファの炎に焼かれて:私の激怒、彼の報い

アルファの炎に焼かれて:私の激怒、彼の報い

短編

5.0

海斗は私の運命の人になるはずだった。私たちが属する「一族」の次期アルファで、幼い頃から想いを寄せてきた、たった一人の相手。 でもある夜、彼の体から別の女の匂いがした。私がよく知っている、むせ返るように甘ったるいオメガの匂い。後を追うと、彼は樫の大木の下で、その女と熱いキスを交わしていた。 彼の裏切りは、じわじわと私を蝕む猛毒だった。彼の愛しいオメガ、りらがわざとらしく階段から落ちた時、彼はまるでガラス細工でも扱うかのように彼女を抱きしめた。 それなのに、私が危険な障害飛越に挑む直前、彼は私の鞍に細工をした。馬は暴れ、私は落馬して脚を折った。彼はそれを「彼女に手を出すなという警告だ」と言い放った。その後の看病も、私の父の疑いを逸らすための、ただの隠蔽工作に過ぎなかった。 公のオークションでは、私の一族の金を使って、彼女に天文学的な値段のダイヤモンドを買い与えた。支払いができず、屈辱にまみれた私を、衆目の前で。 数日前に一族の思念通話で聞いた会話の意味が、ようやく分かった。彼と、彼の兄弟同然の仲間たちにとって、私はただの「甘やかされたお姫様」。権力を手に入れるための景品でしかなかった。彼らが本当に欲していたのは、りらだったのだ。 彼は私を打ちのめし、二番目の存在でいることを受け入れさせられると思っていた。でも、それは間違いだった。私が二十歳になった夜、彼との婚約が結ばれるはずだったその夜に、私は二つの一族を前にして、別の選択をした。 彼を拒絶し、ライバルである一族のアルファとの婚約を発表したのだ。私を慰み者ではなく、彼の妃として見てくれる男と。

妻の苦い清算

妻の苦い清算

短編

5.0

夫、西園寺蓮と私、佳乃は、東京の誰もが羨む理想の夫婦だった。 でも、私たちの完璧な結婚生活は、すべて嘘で塗り固められていた。 彼が言うには、彼が持つ稀な遺伝子疾患のせいで、彼の子を宿した女性は必ず死に至るのだという。だから私たちに子供はいなかった。 そんなある日、死の淵にいる蓮の父親が、跡継ぎを産めと命令を下した。 すると蓮は、ある解決策を提案してきた。代理母だ。 彼が選んだ女、有栖亜里沙は、まるで若かりし頃の私をそのまま写し取ったかのような女だった。 突然、蓮はいつも忙しくなった。「辛い不妊治療の付き添い」だと言って、彼女を支えるために。 私の誕生日を忘れ、私たちの結婚記念日さえもすっぽかした。 私は彼を信じようとした。 パーティーで、彼の本音を盗み聞きするまでは。 友人たちに、彼はこう漏らしていた。 私への愛は「深い絆」だが、亜里沙との関係は「炎」であり、「 exhilarating( exhilarating)」だと。 彼は亜里沙と、イタリアのコモ湖で密かに結婚式を挙げる計画を立てていた。 私たちの記念日のために、と私に約束した、あのヴィラで。 彼は彼女に、結婚式を、家族を、そして人生のすべてを与えようとしていた。 私には決して与えられなかったすべてを。 致死性の遺伝子疾患という真っ赤な嘘を言い訳にして。 裏切りはあまりに完璧で、全身を殴られたかのような物理的な衝撃を感じた。 その夜、出張だと嘘をついて帰ってきた彼に、私は微笑み、愛情深い妻を演じた。 彼は私がすべてを聞いていたことを知らない。 彼が新しい人生を計画している間に、私がすでに、この地獄からの脱出計画を立てていたことも。 そしてもちろん、彼が知るはずもない。 私がたった今、ある特殊なサービスに電話をかけたことを。 そのサービスは、たった一つのことを専門にしている。 人を、この世から完全に「消す」ことを。

私のアルファの新しいルナ:奪われた人生、見捨てられたメイト

私のアルファの新しいルナ:奪われた人生、見捨てられたメイト

短編

5.0

呪われた眠りに囚われて五年、私はついに目を覚ました。最初にしたのは、私の番、私のアルファである海斗の香りを追うことだった。 執務室で彼を見つけた。彼は別の女とキスをしていた。見覚えのない、地味なオメガだった。彼は、彼女は何でもない、ただ私の死を悼む悲しみを癒すための存在だと言った。馬鹿な私は、その言葉を信じた。 けれど、一族の記録保管所へ行くと、長老は私が三年前に法的に死亡宣告されたと告げた。申立書には私の両親が署名し、海斗がそれを執行していた。彼はすでに新しいルナを選んでいたのだ。あの女を。 実の息子は、死んだままでいればよかったのに、と言った。あの女の方が優しくて、母親にふさわしい、と。 そして、私に取って代わった女は、私を崖から荒れ狂う川へと突き落とし、殺そうとした。海斗は川に飛び込み、差し伸べた私の手を通り過ぎ、彼女を救った。 病院のベッドで麻痺したまま横たわる私は、海斗がアルファ・コマンドを使い、彼女の命を救うための輸血を命じるのを聞かされるしかなかった。彼はドナーが誰なのか尋ねさえしなかった。ただ、彼が選んだ番を救うために、私の命を吸い尽くせと要求したのだ。 命が尽きていく中、私は家族全員が――私の番、私の両親、私の息子が――彼女のベッドを囲み、完璧な幸福の絵を完成させているのを見た。その時、ようやく悟った。目覚めたこと自体が間違いだったのだと。私に残された道は、ただ消えることだけ。そして、彼らがこれから私がなろうとしている亡霊を決して見つけられないよう、祈ることだけだった。

彼に捨てられたオメガからアルファキングの女王へ

彼に捨てられたオメガからアルファキングの女王へ

短編

5.0

運命の番である涼と私は、聖婚の儀の準備を進めていた。 月の女神の前で永遠の魂の結合を誓う、神聖な儀式。 だが、彼の義理の妹であるエヴァから送りつけられた思念波が、私の脳内に叩き込まれた。 兵器化された記憶。 その中で、彼女は涼の腕に抱かれ、彼の両親であるアルファとルナは、満足げに微笑んでいた。 それから二週間、私は献身的なオメガの花嫁を演じなければならなかった。 彼は「一族の緊急事態」と嘘をつき、彼女のもとへ駆けつける。 ウェディングドレスのショップに一人残された私に、彼女は二人の情事のビジョンを送りつけてきた。 彼の両親は、私が二年もの間、魂を注ぎ込んできたプロジェクトを私から取り上げ、エヴァへの贈り物として与えた。 彼らは私を「血の薄い出来損ないのオメガ」と呼び、息子には相応しくないと言い放った。 その一方で、エヴァは涼の音声データを送ってきた。 「俺の強い跡継ぎを産むのは、お前だ。あいつじゃない」と、彼女に約束する彼の声だった。 彼らは皆、私がこの歪んだゲームにおける、哀れで使い捨ての駒だと思っていた。 私が壊れるのを待っていた。 彼らは知らなかった。 私がこの大陸で最も強大な一族の、正統な跡継ぎであることを。 そして、私がすでに手配済みだったこと。 私たちの聖婚の儀は全世界に配信され、彼らにとって神聖なその日を、究極の屈辱の舞台へと変えるのだ。

盗まれた旋律、裏切られた愛

盗まれた旋律、裏切られた愛

短編

5.0

私が三年間、魂を注ぎ込んできた曲。 婚約者の涼介と、妹の彩奈に、それを盗まれた。 私たち三人のキャリアを決定づけるはずだった、私の最高傑作。 半開きのレコーディングスタジオのドアの向こうから、彼らの残酷な計画のすべてが聞こえてきた。 「彩奈、ネクスト・ブレイク・アワードを獲るにはこれしかないんだ」 涼介が必死に説得している。 「これが最後のチャンスなんだぞ」 私の家族までもが、グルだった。 「あの子に才能があるのはわかる。でも、プレッシャーに弱すぎるのよ」 彩奈は、まるで両親の言葉をなぞるかのように言った。 「家族のためには、この方がいいの」 彼らにとって私は、エンジンであり、道具。 娘でもなければ、三ヶ月後に結婚を誓った女でもなかった。 真実は、ゆっくりと全身を蝕む、凍てつくような毒だった。 愛した男も、育ててくれた家族も、私が生まれた日からずっと、私の才能を食い物にしてきたのだ。 そして、今お腹にいるこの子は? 私たちの未来の象徴なんかじゃない。 彼らが私を閉じ込めるために作り上げた檻にかける、最後の錠前に過ぎなかった。 後になって、涼介はマンションの床で震えている私を見つけ、心にもない心配そうな素振りを見せた。 彼は私を抱きしめ、髪に顔をうずめて囁いた。 「俺たちには、輝かしい未来が待ってる。お腹の子のことも、考えなくちゃ」 その瞬間、私は自分が何をすべきか、はっきりと悟った。 翌日、私は一本の電話をかけた。 別の電話口で盗み聞きしている涼介の声が、初めて本物のパニックで震えるのを感じながら、私は冷静に告げた。 「はい、もしもし。明日の予約の確認をお願いします」 「ええ…『手術』の件です」

おすすめ

すぐ読みます
本をダウンロード