婚約破棄当日、彼女は帝都の御曹司の禁断の花嫁となった

婚約破棄当日、彼女は帝都の御曹司の禁断の花嫁となった

Monica Moboreader

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チャペルの鐘が鳴るその前の一秒、宮沢沙織の元に届いたのは皮肉な『祝福』だった― 姉との醜態を映したビデオと、冷たい一言「披露宴、中止」 冷笑する来賓たちの視線を浴びながら、赤ワインに染まった純白のドレスを脱ぎ捨てた彼女は、嵐の夜の街へと駆け出した。 闇を切り裂く黒い高級車を遮ると、窓を下ろした見知らぬクールでありながら色気を漂わせる男の唇を、復讐のつもりで奪った。 ただの一夜の過ちだと、そう思っていたのに。 だが彼女が手を出してしまったのは、この帝都で名を口にするのさえ憚まれる上田家の御曹司——上田拓海その人だった。 翌朝、アパートの前に跪いていたのは、必死の表情の元婚約者。しかし、彼が目にしたのは、血も涙もないと謳われた男が、エプロン姿で朝食の支度をしている背中だった。 男は沙織の腰を強く抱き寄せ、髪を指で巻きつけたまま首筋に顔を埋め、耳元で息を吹きかけながら、忌々しげに眉をひそめて囁く。 「選べ。俺か、あいつか。間違えたら……檻に入れて、一生俺だけを見させることになるぞ」

婚約破棄当日、彼女は帝都の御曹司の禁断の花嫁となった 第1章彼女はいる 私はフリーよ (パート1)

「彼女はいる?」

宮沢沙織は、真紅のスポーツカーのボンネットに、まるで挑発するように腰掛けていた。 体に吸い付くようなミニドレスは、しなやかな曲線美を惜しげもなく露わにし、手のひらほどの小さな顔には、陶器のように完璧な五官が、一点の隙もなく配置されている。

星屑を閉じ込めたようなその瞳は、今、感情の波一つ寄せ付けず、凍てつくような静けさを湛えていた。

無造作にバイクを覗き込んでいた男は、不意にかけられたその声に顔を上げた。

氷のように冷ややかでありながら、彫刻のような端正さを兼ね備えた顔立ちには、荒々しいまでの生命力が宿り、見る者を射抜くような存在感を放っていた。 街灯の鈍い光の下、ほとばしる野性の衝動を隠そうともしない、まるで若き獅子のようだった。

「フリーだ」

低く、しかし芯のある声は、空虚な谷間を吹き抜ける風のように、甘く心地よい響きで、聞く者の心を惑わせる。

沙織は微かに口角を上げ、満足げな笑みを浮かべると、挑発するように、しなやかに腰を折った。

緩やかに波打つ栗色の長い髪が、その動きに合わせて白い胸元をそっと撫でるように滑り落ちた。 その艶やかな髪には、まるで祝祭の余韻のように、色とりどりの紙吹雪が煌めきながら絡みついていた。

「一晩付き合ってくれたら、修理費はチャラにしてあげる」

彼女は、受けた屈辱は必ず晴らす、そんな負けん気の強い性分だった。 松本海斗に裏切られたのなら、私も別の男を見つけて、この屈辱を晴らしてやる。

その上、目の前の男は、逞しい体格も、端正な顔立ちも、まさに彼女の理想を体現していた。

海斗などとは比べ物にならないほど、きっと私を深く満たしてくれるに違いない。

男の瞳は、一瞬にして鋭さを増し、数千万円もの価値があるであろう真紅のスーパーカーに深く刻まれた擦り傷を、冷徹な眼差しで捉えた。 次いで、今にも息絶えそうなほど損傷した自身のバイクへと、ゆっくりと視線を滑らせた。

実際のところ、彼女の高級車は、彼のバイクのタイヤ一つ分の価値にも及ばないだろう。

男の口元に、獲物を狙う獣のような邪悪な笑みが浮かんだ。 一瞬のうちに、彼女を力任せに腕の中に引き寄せた。 その完璧なまでに整った唇が、挑発的な弧を描き、底知れない意味を湛えた笑みを浮かべた。

「いいだろう。 どうせ、お嬢様の車の修理費など、俺に払えるはずもない。 だがな、小悪魔ちゃん――後悔だけはするなよ」

彼は、まるで骨がないかのようにしなやかな彼女の腰を軽々と抱き上げ、その華奢な体を自身の肩に担ぎ上げると、迷うことなく、最寄りのホテルへと足を進めた。

部屋のドアが開くや否や、沙織は待ってましたとばかりに男をベッドへと押し倒した。 ラブホテルという空間は、まさにそうした『遊び』のための小道具が豊富に用意されている。 沙織は迷うことなく引き出しを開け、手慣れた仕草で手錠を取り出すと、男の両手をベッドのヘッドボードに容赦なく固定した。

「自分でやるのが好きなの」

熱を帯びた白い肌は、 まるで誘惑する花びらのように、 淡い緋色に染まり上がっていく。 まだ未熟な少女のはずなのに、 その姿は、

曖昧な光の中で必死に咲き誇る、 毒々しいまでに美しい真紅の薔薇のように揺らめいていた。

彼女が主導する、強引で執拗な行為は、あっけなく幕を閉じた。 男が快楽の淵に沈んだかどうかなど、沙織にとってはどうでもいいことだった。

「これで貸し借りなしよ」

全身を汗に濡らした沙織は、次の瞬間、あっという間に男にひっくり返され、再びベッドへと押し倒された。 男の細められた瞳の奥には、抑えきれない暗い炎が、激しく燃え盛っていた。

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