社長の素顔は、私の“夫”でした
レベーターに乗り、
続けていた。「最上階は宮崎社長のオフィスと私的エリア
って聞き入
意事項は、確かにしっか
んって、ずっと海外支社にいらしたって聞きましたけど……どうして突然、本社に
瞳の色は、抑えきれな
来、いわゆる“上からの抜擢
慣例を破った初
の女性がいったいどれほどの腕前を持ち
人広報には常に厳格な基準を
あけすけにプライバシーを詮索さ
り、冷ややかに言った。「広報の仕事っ
井嵐の無神経さを
エレベーターが最
することもなく、さ
がわずかに
め、彼女も
に、あの口ぶり
スの外で静か
電話をかけ、戻ってくるなり霧島夢に告げた。「宮崎社
く頷いて、
ついに我慢できず、口を開いた。「ねえ、
人広報に選ばれたからって、いい気にならないで』。
になど興味はなかった。た
の奥様が汐見浜に戻ってきたんですって。それで、社長は全部の仕事を後
か寂しげな表情でため息をついた。「宮崎社長って、若くして結婚してるのよ
ら、今日の自分の出来事を思
、人と比べる
末に、「急な用事で行けない」という
…宮崎グループの社長より
「ピン」という音とともに、
なりを整え、霧島夢
扉がゆっくりと
だった。すらりと伸びた手足に、凛とした立ち姿。
鼻筋は通り、唇は薄く、輪郭のくっきりとした
、おおよその身長を推測した――お
気品が、どこに立っていても人の
崎社
が、その視
た。「宮崎社長、初めまして。霧島夢と申します。
瞬間、宮崎蒼の眉
―そんな感じだったが、すぐ
ると、彼は目の前の女性を一瞥
崎蒼はすでにオフィスの中
もなく身を翻し、自然な
視線を落とし、手元の資
海外で一つ厄介な広報対応を、彼
それ以
ページまでめくり、その
インもでき
静まり返ったオフィ
おらず、一瞬だけ呆けた。そしてすぐに、少し戸惑
にすっと走らせた。そして、淡々と問いを重ねる。「君の本
霧島夢も予想し
ア拡大に力を入れていると伺いました。広報の役目は、企業のブランドイメー
は小さ
嵐のほうを見やった。「彼女を連れて、業務をひと通り
一瞬、目
で面接、
いて、内心では納得のい
なく、彼女はただ一言、従順
島夢はようやく胸の奥の
ほんの数分だったはずなのに、掌
いくのかと思うと……思わず、心の中で小さくため息