望まれざる者、止められぬ者
“児童養護施設で十年.ようやく,本当の家族が私を見つけてくれた. 夢が叶ったんだと思った. でも,すぐに自分の立場を思い知らされた. 私は,完璧な双子の妹,莉奈の生活費を稼ぐためのただの馬車馬. そして妹は,両親が誇る,輝かしい自慢の娘. 私の人生で唯一の光は,恋人の蓮だけだった. そんなある日,ケータリングのバイト先で,私は聞いてしまった. 私の両親と蓮の両親が,密談しているのを. 彼らは,蓮と莉奈を結婚させようと画策していた. 「あの子は訳ありで,傷物だから」と言いながら. その数分後. みんなの前で,蓮は片膝をつき,私の妹にプロポーズした. 歓声が沸き起こる中,私のスマホが震えた. 彼からのメッセージだった. 『ごめん.もう終わりだ』 家に帰って彼らを問い詰めると,あっさりと真実を認めた. 私を見つけ出したこと自体が間違いだった,と. 私は管理すべき恥さらしで,蓮を莉奈に与えたのはむしろ親切心からだ,と. 私を黙らせるため,妹は自ら階段から身を投げ,「突き落とされた!」と絶叫した. 父は私を殴りつけ,ゴミのように路上に放り出した. 打ち身だらけで歩道に倒れ込む私を,駆けつけた警察に「暴力的な加害者だ」と両親は告げた. 彼らは私を消し去りたかった. でも,彼らはまだ知らない. 自分たちが,たった今,戦争を始めたのだということを.”