『軍神』の身代わり~手柄泥棒の妹に全て譲って、私は残虐な「廃皇子」を愛します~
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われらに尽くしてくれておる。 この度そなたが立てた
り、蘇楹(ソ・エイ)は弾
け)の正庁。上座には父・蘇東成(ソ・トウセ
た妹・蘇霊児(ソ・レイジ)が許氏の傍らに寄り
たかのようで、魂
生き返った
い戻ったのだ。恥知らずな両親が、命懸けで手に
、地底より湧き上がる溶岩のご
握りしめ、その鋭い痛みで辛
し)が上がり、蛮族(バンゾク)の鉄騎
命じた。 家に適齢の男子がおらぬ場合は女子が代わって出征するこ
蘇霊児は生まれつき病弱であったゆえ、蘇楹は自ら
度も死線をさまよった。その絶望の淵で彼女
に婚約を交わし、一生守ると誓ってくれたあの少年も
たのは、夢に見た温かな労いではなく、胸
々たる戦功はすべて血と涙で記したもの。それをいと
より蘇霊児の名が記されていたゆえ、この功績は
を欺く大罪となり、蘇家一門す
る五年のあいだ、容貌を隠すため仮面をつけ通していたゆ
の仕打ちであった。彼は公正を期すどころか、言葉巧みに「大
尻目に、蘇霊児はその偽りの武功によっ
楹は悟ったのだ。ふたりがと
じられ、侯爵邸(こうしゃくてい
やすこともできず、重い病に伏し
ぶれてなお、蘇霊児
夜は、永劫に消
、虫の息の彼女を寝床から引き
失せさえすれば、私が武功を偽っ
り落とし、人けのない雪原へ捨
中に打ち捨てられ、無情な雪
あふれ出る温かな鮮血が、身の下の白
児は体も弱く、頼る当てもない。この先、縁談もままならぬやもしれぬ。 此度そなたが上げた武功
が、血の海のごとき記
であ
に刻まれた恨みを眼底に押し殺し、ゆっくりと唇を開いて
娘じゃ!」 父母は途端に破顔し
の腕にすがりつくと、甘ったるい声を発した。「かたじけのうございます
らかな視線は終始、蘇霊児の姿に絡みついて離
、極めて淡い嘲
この武功を欲したのではなかっ
奪わんとしたのではなかったか
う。その天をも衝く富貴と栄華を享受するだけの運
回ばかりは、前世のごとき愚かな孝行はいたさぬ。父母の泣き落としにほだされ、再びこの「愛