啼かない金糸雀(カナリア)
…もう、あなたとは
はあの日に囚われたまま動けないでいる。艶やかな長い髪が風になびいて、サラサラと揺れ動
絡があったわ。先日のお
親が仁王立ちで待っていた。今やこれもよくある日常だっ
あー、な
の方、他に好きな方がおられたそうよ。もう、それ
親は相手の事情を知って、納得がいかないのか、ぶちぶちと文句を言いながら
に反対されていて、断れないお見合いだったと言っていたけど、お見合いした彼女にとっても
現実だ。俺の淡い期待は、夕方帰
い写真があるんだよ!今日
。その場で靴をぬぐことなく、俺は打ちひしがれた。疲労感が増す中で、何とか自分を奮
話よ!そんなことより、今度のお見合い相手は好物件なの
さんとか、どういうこと?あんたら両親は息子について何って話してる
?三食ついて自転車で通えて、家事も洗
ぐっ
る社員がいて、実家は一度戻ったら出られない…と話していた気持ちがよく解る。しかし両親は、息子が一時的に帰ってきただけだと思ったのか、初めでこそ何も言わなかったが、春先頃からやたらと構うようになった。話を聞けば結婚を機に、地元に帰ってきた俺の同級生たちや、仲良くしている近所のおばちゃんたちから孫の話が
物をまとめて玄関で仁王立ちした母親
家、選び
合いか実家だろ。
母さんはそんなに不相応な望みを、連にお願いしたことある?ささやかな幸せを叶えてくれたってい
を聞いた父親はあろうことか母親の味方となった。俺は死ぬまでに孫の顔を見たいという両親の希望で、実家に住むことを条件に、泣く泣く見合いをする
時間になってもお見合い相手が現れない。それから遅れること10分後、お見合い相手の叔母だという女性が慌てて現れた。どうやら出かけに仕事でトラブルがあって遅れたらしい。しかし肝心
と二人に告げ、人だかりの出来ている方へ足を向ける。近づいていくにつれ、フロント係の女性が慌てた様子でどこかへ電話をしている。その横で何人ものホテルマンが、人だかりの中にいる人物の進行を妨げるようにして
て格好してるの
や洋服に真っ赤な血がついた少女が立っていた。右手には切断された鶏の頭、そこから滴る血がぽ