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チャプター 5
オレンジクレープとクラス会
文字数:859    |    更新日時:14/11/2021

お母さんがどんな風に、誠君に私のことを説明してくれたのかは、わからない。 でも、お母さんから話を聞いた誠君は何も変わらなかった。

「ヒロ、お腹すかないか?」

「ん…」

「お母さん、帰りは送って行くので、少しヒロといてもいいですか?」

「あら、じゃあお願いしようかしら?浩美、誠君と何か食べてくるなら、晩ご飯は軽めにしとくわね。じゃ、誠君、よろしく」

誠君は、私の右手を取って、3人でよく行ったパーラーへ連れて行ってくれた。

「懐かしいよな、ここ。俺さ、ここのオレンジクレープが食べたくて帰ってきてからよく来てるんだよ」

2人で一つのオレンジクレープを食べる。 優子も大好きだったこの味、また涙が溢れてくる。

「そっかそっか…」

誠君はまた、私の頭を撫でた。 泣いてもいいんだよと言われているようで、とても安心する。あの頃と変わらない懐かしい味に、じんわりと心まで温かくなった。

「そういえば、来月、クラス会やるみたいだけど、連絡きた?」

「ん…」

わからないという意味で首を傾げる。

「幹事はあの溝口なんだってさ。でも、地元にいる人間だけとか言ってたからなぁ。ヒロにはまだ連絡行ってないのかも?」

「…」

「どうする?行ってみる?」

「か…んが…える」

「そっか。じゃ、行きたくなったら俺が送迎するから心配するな」

クラス会。 誰が集まるのかな。 行ってみたい気もするけれど、今の私だとうまく会話にも入れないだろうな。 溝口君か…誠君とは小学生の時からの友達だと言ってた気がする。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

数日後。

クラス会は、誠君が溝口君に話してくれて招待状が届いたけど、やっぱり行けなかった。

「また次やる時は参加してくれって言ってたよ」

「うん…」

誠君は、クラス会の帰りにうちに寄ってくれて、集まった人たちの話を聞かせてくれた。 意外な人たちが夫婦になってたりして、私は驚いたり笑ったりした。

そういえば。

先月、あのデパートで偶然、会ってから、毎日のようにうちに来てくれる。 そして、何気ない話をしてくれる誠君に思い出させてもらった、私は笑ったり驚いたりすることができたんだということを。

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1 チャプター 1 懐かしい思い出と、悲しい予感2 チャプター 2 帰郷3 チャプター 3 回想…浩美4 チャプター 4 誠との再会5 チャプター 5 オレンジクレープとクラス会6 チャプター 6 公園とブラジル行き7 チャプター 7 絵を描く8 チャプター 8 希望9 チャプター 9 それから10 チャプター 10 クリスマス前11 チャプター 11 ノートのメッセージと告白12 チャプター 12 3年後に向けての約束13 チャプター 13 誠が残したメッセージ14 チャプター 14 手紙と夢と15 チャプター 15 サプライズ?16 チャプター 16 約束の日17 チャプター 17 探す18 チャプター 18 噂と確認19 チャプター 19 再会とブラジルでの話20 チャプター 20 エレナと赤ちゃん21 チャプター 21 想像22 チャプター 22 取り戻したいもの23 チャプター 23 クラス会24 チャプター 24 お父さんの気持ち25 チャプター 25 2人の決意26 チャプター 26 結婚27 チャプター 27 幸せな結婚生活28 チャプター 28 それは、ある日突然に29 チャプター 29 目覚め30 チャプター 30 後遺症31 チャプター 31 新しい生活32 チャプター 32 もう少しだけ33 チャプター 33 公園の風景34 チャプター 34 行方不明そして続く不運35 チャプター 35 喪失36 チャプター 36 思い出37 チャプター 37 名前を呼んで…38 チャプター 38 一緒に39 チャプター 39 現在…優子