藤原せりか
小説1部発表
藤原せりかの小説・書籍全集
パパはいらない、二人で
都市 7年間の契約結婚の末, 夫は初恋の相手が帰国した途端, 娘に偽りの優しさを見せ始めた.
しかし, その口から出たのは, 初恋相手の息子の名前だった.
娘は「パパ」と呼ぶことすら禁じられ, 冷たく突き放され続けた.
それでも健気に「パパになってくれるチャンスをあげる」と言った娘の誕生日. 夫は, 娘を無視して初恋相手の息子の誕生日パーティーを開いていた.
画面に映る幸せそうな3人の写真を見た瞬間, 娘は静かに涙を流した.
「ママ, もうパパはいらない. 二人で, この家を出よう」
その言葉を聞き, 私は全てを捨てて娘と海外へ飛ぶことを決意した. あなたの傾向から
潔癖症の嘘、裏切りのキス
紅蓮 カイン 10年間付き合った婚約者の和也は, 「潔癖症だから」と言って, 私とのキスをいつも避けていた.
しかしある夜, 私は見てしまった. 彼が兄の元婚約者である幸世と, 公園の隅で情熱的なキスを交わしている姿を.
私が高熱で倒れた日, 彼は「会議中だ」と電話を切り, 幸世と旅行先で食事を楽しんでいた. それだけではない. 彼は私を無情にも解雇し, 私の秘書の席を幸世に与えたのだ.
「瑞実のことは大切にしたいから, ゆっくりと関係を深めていきたい」彼の優しい言葉はすべて嘘だった. 私はただ, 幸世の「代役」に過ぎなかったのだ.
10年間の献身と愛情が踏みにじられた絶望の底で, 私の心に冷たい復讐の炎が灯った.
結婚式当日, 私は姿を消した. そして, 披露宴のスクリーンに, あの夜のキス動画を流すよう手配した. 「和也, あなたの人生は, 今日で終わりよ」