この物語は、一日一善が趣味という一風も二風にも変わったごく普通の青年が、ある日突然隕石に衝突し、死亡する所からはじまる。 ―人類を救いたければ神様になってください― なんだそりゃ! 俺が何したっていうんだよ! 俺が望んだのは人間で、誰も神様になんてなりたいわけじゃない! だけど人生なんて理不尽の連続で、彼女はその理不尽の権化というなら 俺は彼女が望む"もの"を探して人類を救うしかない! そう、これは彼の話。ですが皆様も考えてみてください。 貴方が神様にされてしまったのならば、皆様は世界にとって正しい神様になれますでしょうか?
『世界中の人々が一日一善をすれば、きっと世界は素敵になる』
――俺がまだ世界も、物事も、何も分からない時に見た映画。その劇中の少年が言ったセリフは、今でも鮮明に覚えている。
その少年が最後どうなったか、どんな内容かも覚えていないのに、幼い俺の人生は、この日を境にして大きく変わった。
世界を変える。変えたい、と幼い俺は思ったのだろう。
まず手始めにと、すれ違うたび色んな人に挨拶をしまくったのは、今思い出してもかなり痛い記憶である。
でも、これで世界が変わると本気で信じていたし、今もそうだと信じたいのだ。
そして現在、俺のモットーである、一日一善は大学のサークル活動に場所を移し、日々穏やかに過ごしていた。
――そう、あの日までは。