最悪 ー 絶望・恐怖短篇集
昼間は異様に小春日和になるかと思えば、夜は冬らしく凍える
、外出自粛が何ヶ月も続き、やり場のないストレスが溜まっていた。在宅ワークに切り替えてから収入源は困らなかったが、
伝わってくる。テレビのニュースでも、爆弾低気
思い、駿介はベッドに潜り込み、スマホ
うか、部屋が異様に揺れ、
え方が地震のそれではなく、"建物が叩かれている"よ
ってん
がごちゃ混ぜになって、確認の為に部屋
同時に振動は止まった。外は嵐で風
思い、駿介はベッド
。長らく続く外出自粛でひと月に一度しかデートが出
屋がすげえ揺れてよ、昨日
晩の出来事
よ?そんなに揺れたんならニ
りの大きさだった筈。朝起きてニュースを確認しても、報道されるレ
見ても全く何もないし、
日あれだけ風が吹いてたんだか
の手だった
。しかし、どことな
?風
部屋が叩きつけられるように震え、外を見に姿を見せると音は突然止むとの事。何が原
い”に他ならない。せっかくの休みだってのにどうしたものか。
認しに行っちゃいけないっ
ごく血の気が引いたのを感じ
、また起きても
介は答え、
るなんて呑気な情報まで出てきたが、とても楽しめそうにもない。駿介は、それを質の悪い地震と思うことにして、VRゲームに興じることにした。VR
を三つもクリアしても、揺れが一向に収まらない。ここまで揺れたら、さすがに他の住民も気づくよ
に手をかけ、恐れるでも
もいない。しかし、駿介はドアを開けた事を
透明の掌があった。掌の向き具合で、どうにも部屋を”持ち上げようと”している構え方をしていた
たのかわかってしまった今、駿介は怯えていた
と、揺れるごとに近づいてくる。同様に、向かい側の廊下越しに見える
か、ドアノブに手をかけ、玄関を勢いよ
奈の家に逃げ込んでから、その現象は全くなくなり、家から離れれば助かる
行った。どうにもお婆さん曰く、風の手から生きて助かった話を聞いたこと
である。もしこの仮説が正しいのなら、今後駿介に同じ現象が起きることはまずないだろう。だが、何故起きたのかこれ以上調べる