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臥待ち月の情人 〜月曇り〜
『おい、待てよ、辞めるって本気じゃないだろうな』
『本気だよ。世話になったな…お前はこれからも、頑張れよ』
今でも忘れられないあの日のやりとり。
医療事故を起こした同僚の身代わりに辞めさせられた親友。飄々としていて、何があっても動揺しない奴だったが、私と最後の会話を交わした時、初めて彼の目に涙が浮かんでいたのを見た。
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