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Yokubo no Yamini Furisosogu eien no Shunkan

絶縁令嬢の華麗なる逆襲

絶縁令嬢の華麗なる逆襲

Rabbit4
「溺愛+復讐+全員地獄行き+痛快逆転劇」 真の令嬢、佐藤結衣。しかし、その玉座は偽りの令嬢・佐藤怜子に簒奪された。 怜子の謀略。誘拐犯を買収し、結衣の破滅と抹殺を企てる。 兄たちと婚約者へ捧げた無償の愛。その対価は、凄惨なる裏切りと孤独。 ならば、慈悲は不要。妥協も和解もあり得ない。死の淵からの生還、そして佐藤家との完全決別。 予想外の事態。冷酷無比、「生きた閻魔」と恐れられる久我蓮司の異常な執着。 そして―― 財界の覇者、裏社会の首領がひれ伏す「神医」。それが、彼女! 世界中を震撼させる「伝説の天才ハッカー」。それも、彼女! 金融界を支配する「最強のトレーダー」。すべては、彼女の隠された貌……。 いまや佐藤家にとって、彼女は圧倒的な絶対的強者。 後悔に塗れ地に這う三人の兄。血の絆にすがる両親。復縁を迫る元婚約者。 「結衣、俺たちは血の繋がった家族じゃないか!」 結衣の鉄槌。絶縁の音声を全ネットへ公開。添えられた四文字は、「永久不赦」。 直後、世界トップの富豪・久我蓮司が堂々の愛を宣告。「佐藤結衣は既に久我の人間。部外者は二度と近づくべからず」 世界中が狂乱。一族に見捨てられたはずの女が、なぜ世界最強の男をオトしたのか!?
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山の天気は変わりやすい。

 寝ぼけた頭で昨夜、夜更かしして読んだ本に書いて言葉がふと頭に浮かんだ。

 「特にこれからの夏場は山の天気の変動が激しいので注意してくださいね」  

大学の一限開始まで後30分。  

自宅から大学まで約1時間。  

遅刻が確定しもう吹っ切れた俺は朝食のパンを齧りながらテレビを見ていると朝の顔と呼ばれてる天気予報士のお姉さんが点と点を結ぶように言った。  

ーーーーーー

 「どうして、人は争ってしまうのでしょうね」  少女はとある世界を見ながら唐突にそんなことを言ってきた。

「そんなの俺に聞かれても」

 「同じ《《元人間》》でしょ。ちょっとは勉強してきたんじゃないんですか?」

 「それを言ったら――だって」

「わ、私はモデルやってたから仕方ないのですよ」

「はいはい。俺が考えるにその理由は数え切れない程無数に存在して星の数よりも多い気がするよ。例えば三人に林檎を1つ与えたらそれを3つにしたがる者、独占したい者、遠慮する者に別れてしまう生き物だ」

「確かに。中学の時は大体その3つに別れてたかも」  

少女は頷き肯定する。

「ただの平民が林檎で争ってるだけなら大事にはならない。が、物が変わり土地や富その権利が国に与えられ、国のトップが争いだしたらもう止められない。戦争が始まってしまう。出身地や肌の色だけでも争いを産める生物だから極自然な現象と言っても過言では無いと思うけどな」

 「ふむふむ。つまり?」

「その理由を突き止めるのは無理だ」

 「随分と釈然としない終わり方をしましたね」 「仕方ないだろ。俺は大学で文学部を先行してきたんだから知るか」

「文学部なら分かりそうなものですが……そうですよね。陰キャには無理ですよね」  

少女は仲のいい友達にする様な煽りの笑みで言った。

「陰キャは関係ないから!」

 「でも、今の姿は輝いて見えますよ」

「それはこの輪っかのお陰だろ!?」

 頭の上に浮いている輪っかを指さす。

「そうですね」  

少女はフォローする所かクスクスと笑った。

  青年は「はあ」と1つため息を付くと言った。 「けど、世界を救えるのに救わないのは違うよな」

「それもそうですね。ですが規約があるらしいので仕方が無いかもしれないですね」

  少女は自分に言い聞かせるように言った。

    ーーーーーー  

渋谷〜渋谷 「はぁッ!」  聞きなれた音声アナウンスによって意識が覚醒し、急いで席を立ち上がりホームに降りた。

  いつの間に俺は電車に乗っていたんだ?

 てかなんだったんだろ。あの夢は。

 気がついた頃には電車の車内に座っていた。  本当に天気予報士のお姉さんから今に至るまでの記憶が夢に忘れられていた。  

 当然の如く間に合わなかった一限の補習プリントを受け取りと人のほとんど居ない講義室に入りボーッとプリントと睨めっこを始めた。

 「よっ!おつかれさん」

「うわあああ!」

「うへへへ。そんなに驚いてくれるとはこっちも脅かしがいってのがあるもんだぜ」

 「もうなんだよ。お前かよ」

 「そうです!俺でした!……どうしたんユウマ?なんだか顔色死んでるけど」

  ユウマ―佐藤 優馬《《さとう ゆうま》》。

極一般的な一般人。20歳。ちょっと茶色がかった黒髪に黒目で特技なし、趣味アニメ鑑賞、平凡な見た目に特に身体的特徴も無い凡人だ。

 顔をまじまじと見るとそんなことを言死んでるのはほっておいて欲しい。

 「そうかもな。どっかの誰かさんに脅かされたせいで心臓が止まって血液が回らなくなったせいかもな」

「マ・ジ・カ!?AED取ってくるわ!」

  そう言って講義室を飛び出して行ったあのバカは更科 海斗《さらしな かいと》  19歳。

 馬鹿でノリが良く俺の数少ない友人の一人で親友。凡人の俺とは正反対で、スポーツ万能、容姿端麗のバリバリの陽キャキャラだ。

 アッシュの茶髪も似合っていてお洒落さんのイケイケ大学生だ。

  「しかし、本当に取ってくるとはお前本当に馬鹿だな」

「いや、だってお前が心臓止まったとか言うから」

「もうお前の前で冗談は言わないわ」

 「え!?それは流石につまんないわ」

 「3時間だぞ!3時間!」

「?」

「?を口に出して言うな!ぶりっ子キャラか!説教された時間だよ!この歳になってあんなに教授に怒られるとは思わなかった……」

  大学を出た頃には日は暮れスマートフォンのホーム画面には18時45分と書かれていた。

 「そう落ち込むなって。だったらお詫びにそこのファミレスでご飯食べてくか?」

「落ち込んではないが、ぼっちで食べても寂しいし、食べるか」

  そう言って、帰り道駅前のファミレスに入った。

 「そういえばさ、この前婆ちゃんから山登りの道具が届いたんだよ。頼まれてたやつって言われて」

  某有名空ラークグループのイタリアンレストランでパスタとピザをシェアして食べていると、海斗がヒョンとそんなことを言った。  

ちなみに2人ともイタリア料理が1番好きである。

 「山登りの道具?登るのか?」

 「いーや」

  海斗はだるそうに否定した。

 「ならなんで送って貰ったんだ?」

「それが覚えてないんだよ。てか頼んだ記憶すらない」

 「酔ってたとか?」

「まだピチピチの19歳だっつうの」

 「お婆ちゃんの勘違いとか」

 「それは……ある」

 「あるんかい。ならそれじゃないか?」

  思わずツッコンでしまった。

 「最近ボケてきてるのかな。結構歳いってるし」  俺は一気にアイスティーを啜った。

 「話は戻るんだけどさ、夏の山登りのシーズンが終わるまで――」

 「い、や、だ」  俺は話を割って断った。

 この後の展開は目に見えていた。

「まだ言い終わってないしお願いしますから」 「そのまま送り返せばいいじゃんかよ」

「それがさこんな手紙が一緒に入ってて」

 海斗は鞄から一通の封筒を取り出し中の手紙を開いた。  

そこには、急に山登りの道具を送ってくれなんて言うから驚いて何事かと思ったけど、何とかAmazon?を教えて貰って新品を買って送れました。  カイちゃん偶には顔見せにおいでね。  《《友達との写真》》待ってます。  とある。

 「つまり、新品で綺麗な状態だからそのまま送り返す訳にも行かないと」

「うん。それに俺の部屋って結構狭いじゃん?結構スペース取ってて、玄関に置いとくと毎回入る時に倒れてきてうざったいのよ」

 「俺の部屋もそんなに広くないだろ、だったらあのガラクタの山を捨てれば良いだろ」

  俺と海斗の家はかなり近い。

  同じ最寄り駅を利用しているが海斗は駅からの距離を取った結果、部屋が狭くよくこういったお願いをしてくる。

 「ガラクタだと……!?ゲームはパッケージとカセットがあるからこそ良いんだよ」

 「どう見てもガラクタにしか見えないけど、今はダウンロード版とかある訳だしそっちに買い替えたらどうだ?そしたら部屋も広くなるぞ」

 「凡人から見たら分からないかもしれないがどれも1級品。捨てるなんて到底出来ない」

  品行方正、容姿端麗を地で行くと言われ高校時代は風紀委員会に属し真面目振ってた男が今ではこのオタク具合だ。

 「じゃーあ、どうするんだよ」

「うーん……うーん……」  

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