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Yokubo no Yamini Furisosogu eien no Shunkan

氷解のカルテ ~十年後、捨てたはずの彼女に跪く~

氷解のカルテ ~十年後、捨てたはずの彼女に跪く~

Rabbit4
破鏡重円×執着愛×絶対的支配者の陥落 水原澄子の担当医。その男の名は佐伯司――かつての初恋相手。 十年前、彼女は嘲笑の的だった。彼の友人たちに見下される、醜く太った姿。 爪に火をともして贈った高級ヴァイオリン。だが彼は、それを目の前でゴミ箱へ。「こんなガラクタ、家には腐るほどある。欲しけりゃやるよ」――冷酷な一瞥。 十年の雌伏。贅肉を削ぎ落とし、名を変え、彼女は生まれ変わった。美しき別人に。 再会は予期せぬ事故。だが先に理性を失ったのは、冷徹なはずの彼だった。 剥がれ落ちる冷静の仮面。あらゆる手段で彼女を囲い込み、逃げ場を塞ぐ。「水原澄子、君の命運は僕が握っている。どこへ逃げるつもりだ?」 彼女の傍らには求婚者の影。結婚への秒読みは始まっている。 充血した双眸。デスクに彼女を押し付け、男は掠れ声で咆哮する。「別れろ。君の最愛は、この僕だ」 水原澄子は口元を歪め、嘲笑う。「佐伯様のお遊びでしょう?今さら本命気取り?」 策は尽きた。傲慢な男はついに跪き、乞う。「遊びなんかじゃない。生涯、君と共に在りたいんだ」
都市 医者初恋再会三角関係逆転
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この日の朝も僕は、耳元で騒ぎ立てる目覚まし時計に起こされる。

 時刻は七時。今日も時間どおりだ。

 簡単に朝食を済ませて着替えた僕は、腕時計に目をやる。

 朝七時三十分、これも時間どおり。

 本当はもう少しゆっくり出ても大学に間に合うのだけど、僕には唯一無二の楽しみがあった。

 駅へ向かう途中、小学校の通学路を通りかかる。

 すると今日も一列で登校する小学生たちが、後ろから僕に向かって天真爛漫な挨拶をしてくれた。

「おにーさんおはよーございまーす!」

「おはよう」

 元気な声での挨拶に、僕も笑顔で振り向いて返事をする。

 やっぱり小学生は元気で可愛いなぁ。特に小さい女の子、幼女がいい。

 小さな背中に背負った、真っ赤につやめくランドセル。

 化粧なんてなくても眩しいくらいに輝く、幼女の笑顔。

 十人十色の髪型で、世の汚れを知らない純粋な黒髪。

 ハキハキと繰り出される、未発育ながらも健康的な肢体。

 まさに幼女は僕にとって最高の癒しであり極上の宝だね。

 同じ方向に並列して歩く健気な小学生たちに、僕の顔も自然とニンマリしてしまう。

『あのお兄さん、若いのにいつも子どもたちと挨拶してくれて感心よね~』

『ほんと。彼みたいな若者がたくさんいるといいのに』

 周りから耳に届くお母さん方の声、ご評価ありがとうございます。

 この健全な関係を築くのに欠かせないモットーが、僕の中にはある。

 それはYESロリータNOタッチ。

 どんなに可愛くても小学生、特に幼女には触れてはいけない。

 それを犯したら最後、優しいお兄さんから不審者もしくは犯罪者に格下げされてしまうからだ。

 だから僕は可愛い小学生たちから少し距離を置いて見守る。

 それが正しい付き合い方だと思うから。

 ともあれYESロリータNOタッチを徹底したおかげで、僕は近所の優しいお兄さんとして小学生たちと接することができている。

 たとえ触れ合うことができなくても、このほのぼのとした日常がいつまでも続くといいな。

 だけどその平和な時間は突如破られることになってしまう。

 交差点の横断歩道を横切ろうとしたときだった、一台の車が猛スピードで突っ込もうとしてきたのだ。

 このままだと先頭の女の子が危ない!

 そう直感した僕は反射的に先頭の女の子を突き飛ばし、代わりに前へ躍り出る。

 その直後、とてつもない衝撃と共に僕の身体は宙を舞った。

 ああ、純粋無垢な小学生たちに凄惨なところを見せちゃったな……。

 恐怖に震える女の子の姿が目に浮かぶよ。

 車相手でもビクともしないくらい大きくて強い身体だったら、こんなことにならなかったのかな……?

 刹那、僕の意識はそこで途絶えた。

 暑い。まるで夏のようだ。

 周囲からは鳥や動物たちのけたたましい声が耳に入ってくる。

 あれ、僕って死んだんじゃ……?

 真っ暗だった視界が開けると、そこは見たことのない形をした木の葉が生い茂る謎の場所だった。

 ここは森なのかな……?

 天国ではなさそうだけど。

 手足で踏みしめる地面は赤くて少しぬかるんでいる。

 あれ、手足で……?

 足元に意識を向けると、丸太のように太い手足が目に飛び込む。

 これはどう見ても人間の手足じゃない。

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