誘われて溺れる──禁欲冷徹社長からの独占愛

誘われて溺れる──禁欲冷徹社長からの独占愛

Rabbit4

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結婚三年目のその日、如月璃奈と時任悠真の前に、突如、元カレが舞い戻った――。 無関係を貫こうとする如月璃奈に対し、男は執拗に付きまとい、「彼女とはよりを戻すことになっている」と嘘の声を撒き散らした。 デマは瞬く間にトレンド入り、記者会見のフラッシュは雨のように降り注ぐ。鋭い質問の刃が璃奈を責め立てる――その瞬間、会場のドアが豪快に開かれた。悠真が、風を巻いて入場。彼は無言で妻を強く胸に引き寄せ、光りを宿す結婚指輪をカメラに見せつけるように指を絡めた。そして、冷たくも優しい声で告げる。「彼女は――僕の妻だ」 嫉妬に狂った元恋人は、充血した目で叫び声を上げた。「愛してもいないくせに!彼女を俺に返せ!」 悠真は璃奈の唇を奪い、甘く深く口づける。カメラのフラッシュが光る中、彼は静かに言い放つ。「誰が、愛していないと言った?」 璃奈は困惑した。これはただの“演技”のはずだ。見せかけのキス――鼓動が高鳴るのは、錯覚だ。二人の間に、それほどの感情など存在しないのだから。 しかし、親族一同が「跡継ぎは?」と圧をかけた瞬間――時任悠真は璃奈の手をぎゅっと握り、満面の笑みで即答した。「作りますよ、すぐにでも!」 やがて璃奈は真実を知る。この夫が、遥か昔からずっと、彼女だけを熱烈に愛し続けていたことに──!

誘われて溺れる──禁欲冷徹社長からの独占愛 チャプター 1 寝言は寝て言え!

「璃奈、蓮司が帰ってきたって、聞いている?」

賑やかな個室で、如月璃奈の隣に座る女子が、満面の笑みで口を開いた。

今夜は大学の同窓会だ。それなりに盛り上がっていたが、佐伯蓮司の名前が出た途端、場がぴたりと静かになった。みんな、璃奈が笑い者になるのを待っているのだ。

大きな円卓を囲む人波の中でも、璃奈の姿は一際目を引いた。最上級の白磁のように透き通った小さな顔は、どこを見ても艶やかな光を放っている。

璃奈は美しい瞳は微動だにせず、目の前の水を一口含んだ。「知らないわ」

別の誰かが口を挟んだ。「あの時の二人の恋愛、すごかったよな。みんなずっと一緒だと思ってたのに、まさか璃奈が他の人と結婚するなんてね。今や蓮司はスターライト・メディアの社長だぞ。正直、めちゃくちゃ後悔してるんじゃないの?」

元クラスメイトの女子がからかうように言った。「旦那さんも小金持ちとは聞くけど、蓮司ほどじゃないでしょ。新しい男より元カレの方が良かったんじゃない?ねえ?」

みんながくすくすと口元を覆って笑った。

璃奈は少し酒が入っていて、頭がぼんやりしていた。彼らの声がただうるさく感じられるだけだった。彼女はバッグを手に取って立ち上がった。「みんなは続けて。私、体調が悪いから先に帰るわ」

「そんな急いでどこ行くんだよ。旦那に早く帰ってこいって言われてんの?」

いたずらっぽい男の声が響き、個室のドアから二つの人影が入ってきた。

璃奈が顔を上げると、後ろにいたのは佐伯蓮司だった。

三年の月日が経ち、彼は黒のタイトスーツに身を包み、渾身に鋭い気迫を纏っていた。その視線は、まっすぐ璃奈の身上に釘付けだった。

さっき声を上げたのは、彼の大学時代のルームメイト、須藤明彦だ。

蓮司が現れると、個室にいた女性陣の目が一瞬で輝いた。彼のルックスは悪くない。在学中も学内トップクラスのイケメンとして有名だったからだ。

明彦は異様な眼差しで璃奈を見ると、口の端を歪めて嘲笑った。「璃奈、せっかくだし旦那も呼んで一緒に遊ぼうぜ?」

「彼は忙しいの。私ももう帰るわ」 璃奈は蓮司の視線を無視し、明彦に軽く会釈をして歩き出した。

彼女が出て行くと、明彦は蓮司を見て言った。「見たかよ。合わせる顔がないんだろ。金に目がくらんでお前を捨てた女だ、ここに来る資格もねえよ」

蓮司はその言葉に反応することなく、きびすを返して璃奈が去った方向へ走り出した。

明彦は眉をひそめて訳が分からないと叫んだ。「おい、どこ行くんだよ!」

璃奈はエレベーターを降り、エントランスの外へ向かっていた。

「璃奈!」蓮司がいきなり駆け寄り、彼女の腕を掴んで問い詰めた。「俺に会ったのがそんなに気まずいか? 後ろめたいことがあるから急いで逃げるんだろ?」

璃奈はよろめいて転びそうになりながら、冷ややかな目で彼を見上げた。「離して」

蓮司は手を離すどころか、さらに彼女を引き寄せた。身長差を利用して上から見下ろす。「俺を捨ててあいつと結婚したくせに、まともなアクセサリー一つ買ってもらえないのか。それがお前の選んだ道か?」

「私の勝手でしょ、あなたに関係ない」 璃奈は彼に触れられるのを嫌がり、力任せに手を振りほどこうとした。

二人は入り口で揉み合いになる。

その時、一台の黒いランボルギーニがゆっくりと入り口に止まった。

見慣れたナンバープレートを目にして、璃奈の瞳がわずかに揺れた。

蓮司も彼女の反応に気づいて振り返った。その瞳の奥が、知らず知らずのうちに暗く沈む。

ドアが開き、長身の男が姿を現した。彼が降り立った瞬間、周囲の温度が数度下がったような威圧感が漂う。

璃奈はその隙に蓮司の手を振りほどき、彼のもとへ駆け寄った。「明後日帰るって言ってなかった?」

時任悠真は近づいてくると、自然な動作で彼女の腰を抱き寄せた。低く、磁石のように人を惹きつける声で言った。「仕事が片付いたから、早めに戻った」

その親密な仕草を見て、蓮司の瞳から光が消えた。

悠真は冷ややかな目で蓮司を一瞥したが、言葉は璃奈に向けた。「君の同級生か?」

璃奈は驚きに目を瞬かせ、無言で頷いた。彼は蓮司との関係を知っているはずだ。場の空気が一気に気まずくなった。

悠真は軽く顎を引くと、蓮司をじっと見据えて言った。「どうも。璃奈の夫です」

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