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ブラッディ・ソムリエ

捨てられ花嫁、隣の席で運命が動き出す

捨てられ花嫁、隣の席で運命が動き出す

高橋 結衣
婚礼の席、新郎は星川理緒を置き去りにし、本命を追って去ってしまった。 その隣の会場では、花嫁が新郎が車椅子に乗っていることを理由に結婚を拒み、姿を見せなかった。 車椅子に座るその新郎を見て、星川理緒は苦笑する。 ──同じ境遇なら、いっそ一緒になってもいいのでは? 周囲からの嘲笑を背に、星川理緒は彼のもとへと歩み寄る。 「あなたは花嫁がいない。私は花婿がいない。だったら、私たちが結婚するっていうのはどうかしら?」 星川理緒は、彼が哀れな人だと思い込み、「この人を絶対に幸せにしてみせる」と心に誓った。 …… 結婚前の一之瀬悠介「彼女が俺と結婚するのは、金が目当てに決まってる。用が済んだら離婚するつもりだ。」 結婚後の一之瀬悠介「妻が毎日離婚したがってる……俺はしたくない。どうすればいいんだ?」
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結婚三周年を目前に控えた日、夫の蕭明隼人がオークションで世界に一つしかないカシミール産サファイアのイヤリングを落札した。

彼は言った。「ずっと借りがあった、私の愛する人へ」

スクリーンのライブ配信を見つめながら、明石凛は感動のあまり涙を流していた。明日は隼人との結婚3周年記念日。彼が心を戻してくれれば、ここまで待った甲斐があったというもの。

蕭明御前様も安堵の表情を浮かべた。「うちの孫もようやく分かってきたようじゃの。嫁を大事にすることを」

翌日、結婚記念日当日。

凛が腕によりをかけたご馳走をテーブルに並べ終えたところで、隼人が帰宅した。

ドアを開けて出迎え、彼の鞄を受け取り、屈んで革靴をスリッパに履き替えさせる。凛は一連の動作を流れるようにこなす。

「すごいご馳走だな。 今日、何かあったか?」

すらりとした長身に整った顔立ちの隼人は、ネクタイを緩める仕草一つで、世の女性を虜にするだろう。

だが、その言葉はいつも凛の心を凍らせる。彼女は一瞬動きを止め、問い返した。「忘れたの?」

隼人が忘れるはずがない。

彼女との関係を修復するために、60億円ものサファイアのイヤリングを落札したのではなかったか?

隼人は怪訝な顔で言った。「明石凛、俺が何か覚えておくべきことでも?」

「『コスモスパークル』のイヤリングを落札したでしょう?」 悪い予感が胸をよぎったが、凛は諦めきれずに問いかけた。

「お前もあのイヤリングを知っていたのか?」

隼人は少し驚いたようだった。家事しか能がない家政婦のような妻が、世間の出来事に関心を持つとは。

すぐに、彼の口元が軽蔑の色に歪んだ。

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