薄暗いリビングで特に何の会話も無く、カップ麺をすする。
今日は珍しく親父も家に帰ってきていた。
「なぁ、俺、再婚しようと思っているんだけど、どう思う?」
父が唐突に口にした。
「俺ももう子供じゃないんだから親父の好きにすればいいだろ。ってか、そんな忙しくて結婚とか大丈夫なのか?」
父はプロのカメラマンで、世界を飛び回る世界をしている。
家にも滅多に帰って来ない。
「お前を1人で寂しい思いをさせて来たからな。家族ができるのはいいかと思ってな。向こうにも娘さんが居てな。お前の妹になるが、それでも構わないか?」
「そんなん、気にすんなよ。俺は大丈夫だよ」 「そうか、ありがとう」
男の親子の会話なんてだいたいこんなもんじゃないだろうか。
俺の母は俺が産まれてからすぐに息を引き取ったという。
それから父は男手一つで俺を育ててくれた。 だから、多少忙しくても家に帰って来なくても文句は言わなかった。
「来週の土曜って空いてるか?」
「バイトも入れてないし、空いているよ」
「なら、その日に顔合わせと行こう」
父の提案に俺は素直に従った。
「お前に小遣いあげてるし、別にバイトしなくてもいいんだぞ?」
毎月、父親からは十分すぎるほどのお小遣いを貰っていた。
「自分で稼いでみたいお年頃なんだよ」
「なんだそりゃ」
会話を終えると、また無言で残りのカップ麺をすすった。
***
なんだかんだで一週間が経過しようとしていた。
今日は親父の再婚相手との顔合わせの日である。
「これでいいのか?」
「いいんじゃないか」
俺は珍しくスーツに袖を通した。
親父もダブルのスーツを着ていた。
「着いたぞ」
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