searchIcon closeIcon
キャンセル
icon 0
icon チャージ
rightIcon
icon 閲覧履歴
rightIcon
icon ログアウトします
rightIcon
icon 検索
rightIcon

ブラッディ・ソムリエ

フラれた翌日に結婚したら、億万長者の妻になってました

フラれた翌日に結婚したら、億万長者の妻になってました

緋色 カケル
失恋の翌日、勢いで見知らぬ男と結婚した七瀬結衣。 どうせすぐ破産すると言う彼を支えるつもりだったが——なぜか彼は異常に頼れる。 ピンチのたびに現れては完璧に解決。どう見ても“運だけ”じゃない! 実はその正体、世界一の大富豪・朝倉誠司。 「これが君の“運の良さ”だよ」 ——波乱のスタートだった“契約結婚”は、いつしか本物の愛へと変わっていく。
都市 CEO魅力的電撃結婚正体を隠す甘美ロマンス
アプリで小説をダウンロード

世界の敵が、泣いていた。

「うっ、うっく、うう!」

 晴れた天気の下、すすり泣く男の子がいる。頭上に広がる青空に反し彼の様子はしくしくと雨模様だ。塀に囲まれた家の裏庭では壁が影になっており、固い地面の上で少年は独りぼっちでうずくまっている。

 ここには彼以外誰もない。心は荒れて、涙をいくら流しても。それでも彼を慰めようとする人はいない。

 なぜなら。

 この世界に彼の味方はいない。ずっと一人で、彼はいつも泣いていた。

 しかしこの時、俯いていた視界に足が映り込んだ。少年は顔を上げてみると、そこには知らない子供がいた。

「うわあ!」

 同い年くらいの白いワンピースを着た女の子だ。目の前の少女は金色の短い髪をしており、丸みのある瞳や体型は人形のように可愛らしかった。

「き、君は誰!?」

 会ったことも見たこともない少女だ。親戚か、近くに住んでいる子だろうか。少年は聞き、問いに少女はワンピースの裾を持ち上げ小さく頭を下げた。

「はじめまして、|我が(わが)|主(あるじ)。私のなまえはミルフィアといいます」

「あ、初めまして。僕は|宮司神愛(みやじかみあ)っていいます」

 ミルフィアと名乗る少女につられて|神愛(かみあ)も頭を下げる。なんとも礼儀正しい、というよりも大仰なあいさつに面食らってしまう。まるでお城の舞踏会で出会ったようだ。

「えっと、名前は分かったけど……。どうして僕の家にいるの?」

 当然自分の家に知らない人がいればおかしい。やはり知らない親戚だろうか。それで|神愛(かみあ)は聞いてみたのだが、しかし。

 彼女の答えは驚きのものだった。

「私があなたの|奴隷(どれい)だからです、主」

「奴隷!?」

 眉が曲がる。突然の奴隷宣言。この少女はなにを言っているんだ?

「えっと、どうして君は僕の奴隷なの?」

「あなたが、いにしえの王だからです」

「え?」

 唖然(あぜん)となる。反対に微笑むミルフィアの頬は可愛らしい。しかし話はまったくかみ合わない。

「えっと、ちょっと待って。ん? え!?」

 考えてみたけど無駄だった。どういう意図で言っているのかさっぱり分からない。なにかの遊び? いたずらか、もしくは罰ゲームか? |神愛(かみあ)は誰か見ているんじゃないかと辺りを見渡してみたがここには二人以外誰もいない。

 少女の言っていることは意味不明だが、しかしこれだけは確かに言える。

「ううん、僕はそんなんじゃないよ」

 そんなことあってたまるか。そんな気分だ。

「いえ、|宮司(みやじ)|神愛(かみあ)。あなたこそが私が仕えるべき王なのです」

「そう言われても……」

 真顔で言ったのだがミルフィアは否定する。かなりの強敵だ。|神愛(かみあ)は肩を落としつつ、彼女の青い目を見た。

「どうしてぼくが、いにしえ? の王様なの?」

「あなたが王だからです、わたしの主」

(いや、そうじゃなくて)

 返ってくる答えが答えになっていない。

「僕が王様の理由を教えてよ」

「理由などありません。あなたは初めから王であり、わたしも初めからあなたの奴隷なのです」

 そう言われてはお手上げだ。|神愛(かみあ)は「はあ」と呟く。

 それでも自分が王ではないのは確かなので、|神愛(かみあ)は分かっていない少女を説得させようとする。だが、説明に移る前、嫌なことを思い出してしまい表情が暗くなった。

「僕は、そんなんじゃないよ。むしろ逆なんだ……」

 |神愛(かみあ)はつい先ほどまで泣いていた。その理由が胸を重くする。

「知ってる? 僕たちが住んでいる世界とは別の世界に、三人の神様がいるんだって」

 |神愛(かみあ)は目線を空へと向けた。雲一つないきれいな青空だが、見たいのは空の景色ではない。さらにその先、

 ――|天(てん)|上界(じょうかい)だった。

 |天(てん)|上界(じょうかい)。それはこの世界、この宇宙のさらに先にある神の|居城(きょじょう)、神々の世界だ。そこには|三柱(みはしら)の神と呼ばれる三人の神がおり、人々が暮らす|天(てん)|下界(げかい)に神が創ったルールを設けている。

「だから、みんなは神さまが作った教えを守って生きている。みんなは生まれる前に、三人の神さまから一人を選んで生まれてくるんだって」

 |神愛(かみあ)は説明する。それは|天(てん)|下界(げかい)の常識、ここでのあり方だ。|天(てん)|下界(げかい)にいる者はみな神の教えを信じ、信仰者と呼ばれている。|天下界(てんげかい)に生きる者は生まれた時から信仰者なのだ。

 だが、|神愛(かみあ)のその言い方は、まるで他人事のようだった。

「でも、僕はそうじゃないんだ。神さまなんか知らない。僕だけがそうなんだ。だから友達もいないし、いつもみんなから駄目な奴だって言われてる……」

 |神愛(かみあ)は落ち込み視線が空から地面に落ちる。自分の足元をじっと見つめ、悲しそうに目つきが細くなった。

 無信仰者。それが神愛(かみあ)の泣いている原因だった。世界の敵。信仰者しかいない|天(てん)|下界(げかい)で無信仰者など最大の異物だ。許される存在じゃない。

 生まれてきたこと自体が誤りの、誰とも相容れない者だった。

「そんなことはありません」

 だが、聞こえてきた言葉に顔が上がる。そこには自信に満ちた表情のミルフィアがおり、神愛(かみあ)の悲しみを励ましていた。

「主は偉大な王です。あなたに、出来ないことなどありません」

「で、でも……」

 ミルフィアの言葉に困ってしまう。自分が王であるはずがないし、そもそも、神愛(かみあ)が置かれている立場は王どころか普通の人よりもひどいのに。  

「ぼく……、いじめられてるんだ」

 再び視線が下がる。自分がいじめられていること、誰にも相談したことがない。唯一の無信仰者に味方などいるはずもなく、故に神愛(かみあ)は一人で泣いていた。

 しかし、ミルフィアは駆け足で近寄ってきた。

「主が? そんな! それはいつですか?」

「え?」

 ミルフィアは神愛(かみあ)の手を両手で握ってきたのだ。女の子に触られるなんてことは初めてでドキリとしてしまう。

「その、ついさっき」

「なにをされたのですか?」

「石を投げられた」

「だれにですか?」

すぐ読みます
天下界の無信仰者(イレギュラー)

天下界の無信仰者(イレギュラー)

奏せいや
 三体の神が神理(しんり)と呼ばれる法則を作り出した世界、天下界(てんげかい)。人々は三つの神理のいずれかを信仰しその恩恵を受けていた。  そんな神が支配する天下界で神愛(かみあ)は唯一の無信仰者だった。迫害を受けて育つ神愛だがそんな彼の前に自称奴隷を名乗る少女ミルフィアが現れる。なぜ神愛は無信仰者なのか。ミルフィアはなぜ現れたのか。  輪廻する運命によって二人は出会い新たな戦いが始まる。  これは新たな神話。  神の秩序を揺るがすイレギュラー、ここに開幕!
げんかん
アプリで小説をダウンロード
冤罪で虐げられた私、真実を暴いたら全員が跪きました

冤罪で虐げられた私、真実を暴いたら全員が跪きました

朝霧 知恵
家が洪水に沈んだ時、兄と夫は二人ともアリスを選んだ。 つい最近、一族に探し出されたばかりのお嬢様である。 私の右脚は、彼女が故意に激しくぶつかってきたせいで骨折した。 救出された時、目にしたのは夫の胸に飛び込んでしゃくり上げるアリスの姿だった。 「さっき、お姉様がずっと私を押さえつけて、洪水の中で殺そうとしてきたの」 その言葉を聞き、夫と兄は苦々しい顔で担架に横たわる私を見下ろした。 「リサ、お前はアリスの人生を長年奪っておきながら、今度は殺そうとまでしたのか!」 兄は私をあざ笑い、夫は痛ましげにアリスを腕の中に庇った。 二人は何事か囁き合うと、
ホラー 残虐主義マゾヒズム多視点叙述復讐離婚
アプリで小説をダウンロード
泣かないで、もうあなたのものじゃない

泣かないで、もうあなたのものじゃない

白百合まどか
結婚して二年、待望の妊娠がわかったその日——彼は冷たく告げた。「離婚しよう」裏切りと陰謀に倒れた彼女は、命がけで子を守ろうとするも、夫は応えなかった。絶望の果てに、彼女は海を越え、すべてを捨てて消えた。数年後、成功者として名を馳せる男が、決して口にできない名を抱き続けていたことを、誰も知らない。——結婚式の壇上で、彼は跪き、赤く潤んだ瞳で彼女を見上げる。「子どもを連れて、誰の元へ行くつもりだ——」
都市 CEO魅力的離婚三角関係
アプリで小説をダウンロード
 箱入り姫は悪役にはなりたくない。

箱入り姫は悪役にはなりたくない。

みらい さつき
後宮の奥で軟禁状態で部屋から出ることを禁じられて育った大国の姫・アデリアは暇つぶしに読んだ恋愛小説に嵌まった。そして、自分は悪役令嬢ポジではないかと気づく。悪役になって破滅するのなんてごめんと思っているのに、政略結婚で嫁ぐことが決まった王子には自国に恋人がいるらしい。愛する2人を引き離すつもりなんてアデリアにはないけれど、父王が決めた結婚を拒否することも出来ない。どうすれば悪役にならずに幸せになれるのか。アデリアは足掻いてみることにした。
恋愛
アプリで小説をダウンロード
叔父様は、私の元カレ

叔父様は、私の元カレ

夜空 梨花
2年間失踪していた元恋人が、今まさに付き合っている恋人の叔父という衝撃的な姿で、芳村智子の前に現れた。 人前では、宗谷颯介は他人を寄せ付けない、クールなカリスマ経営者。 しかしその裏では偽りの仮面を剥ぎ取り、彼女を永遠にベッドに縛り付けて独占しようと目論む、病的な狂人だった。 彼の異常な支配から逃れるため、芳村智子は車椅子に乗りながらも絶大な権力を握る、冷徹な男に助けを求める。 彼の権力と庇護を利用し、自由を勝ち取ろうとしたのだ。 芳村智子は当初、六条今安を優しくも非情な実業家だと思っていた。 しかし後に、自分が彼の仕掛けた罠に次々と嵌められているだけだと気
都市 有名人CEO傲慢/支配三角関係転生
アプリで小説をダウンロード
離婚まであと一か月、彼は今さら愛を乞う

離婚まであと一か月、彼は今さら愛を乞う

水無月理子
「私は東国へ行って、国境なき医師になりたいです。」 彼女の声は力強く、少しの迷いもなかった。 主任はためらいながら口を開いた。 「今回の東国支援は、最低でも2年は必要だよ。ご主人は許してくれるのかい?」 彼女は右手の指輪を回し、数秒の沈黙の後に答えた。 「もうすぐ離婚します。私が出発した後は、彼には行き先を伝えないでください。」 何度も耐えてきた。何度も過去の真相を探し続けてきた。 自分が癌に侵されたとき、夫は義妹と関係を持っていた。 だから、彼女はついに手放すことを選んだ。もう彼と絡み合うつもりはない。 「あと1か月で、私たちはようやく解
恋愛 元妻医者復讐離婚バッドエンド
アプリで小説をダウンロード
冷徹CEO V.S 甘えん坊な嫁

冷徹CEO V.S 甘えん坊な嫁

吉沢 舞華
母親のいない環境で育ったジェイン。 父のヘンリーが愛人を家に連れて帰ったとき、彼女の人生は絶望の淵に落ちてしまった。 兄弟の意地悪で、父が遠ざかっていった。父に愛されたい一心で、家族のためなら自分が犠牲になっても構わないと思った彼女は、父が欲しがっていた土地のために金持ちのCEOと結婚した。でも、彼女の失敗と家庭の複雑性で皆に見捨てられたことがわかった。母親の死の真相を明らかにするために、ジェインは命をかけた。あれは事故なのか?それとも殺人?継母が父を裏切ったとき、彼女は父の会社を破産から救うと決めた。 この世界でひとりぼっちになったとき, ジェインは元彼と出会った。彼の優しさは、彼への愛
御曹司
アプリで小説をダウンロード
ハニー、俺の隣に戻っておいで

ハニー、俺の隣に戻っておいで

浦木 理衣
二年前、ニーナは全く見しらぬの男性と結婚した。その結婚は条件付きの契約にすぎなかった。彼女がほかの男と寝てはいけないという条件がそのひとつだった。 ところがある晩、ニーナが間違ったドアをノックしてしまい、見知らぬ人に処女を奪われてしまった。 支払わなければならない慰謝料が彼女に重くのしかかっていたため、彼女は自分で離婚協議書を作成することにした。 協議書を渡すため夫に会いにいった。しかし自分の「夫」は他人ではなく、あの夜の男であることを知った彼女はショックを受けた!
恋愛
アプリで小説をダウンロード
THE EARTH―灰が降り積もる世界で少女と旅をする―

THE EARTH―灰が降り積もる世界で少女と旅をする―

crunch
地表のほぼすべてが灰に覆われた世界で、傭兵カラスは過去の遺物を武器に戦っていた。 敵はどこからか現れた機械兵器。 そんな世界で、彼はその機械兵器たちを家族と呼ぶ少女と出会う。 記憶が一部欠落した少女オーは、世界を知りながらも、自らの使命を知らない。 カラスは人を襲う機械兵器の真相を突き止めるため、オーは自らの使命を思い出すために、広大な砂漠の世界へ旅に出る。 ※公募用にカットした作品であるため長編用本編を別で公開中です。
冒険
アプリで小説をダウンロード
封印された愛

封印された愛

Gu Xiao Shi
人生が変わるとを願っていた彼女は、高校卒業後に新しいスタートを切るというチャンスを得た。自由を得て、夢をかなようとするが、自分の人生がどう変わってしまうか、その時の彼女はまったく知らなかった。 自分が生まれてからずっと身につけていたブレスレットは、見ず知らずの男と結婚することの証明だった。 彼女はただ従うことしかできなかった。でも、生活は彼女を許さないから、仕方なくて最後はすべてを捨てて逃げることにした! しかしまたしても運命は彼女を翻弄した。不思議なことに、彼はいつの間にか彼女の人生に再び足を踏み入れていた。これから彼女は何に出会い、人生は彼女をどこへ導くのだろうか?
恋愛
アプリで小説をダウンロード

人気検索

青春の片思い 殺人犯と結婚した俺はいかれていない 堕落魔女の第二子計画 父親らしく輝きたい 元気?私の元夫さん 運命の転生:弱者の反撃
MoboReaderアプリで読む
開く
close button

ブラッディ・ソムリエ

蒼海本棚でブラッディ・ソムリエに関連する書籍を発見してください