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チャプター 6
対戦
文字数:2751    |    更新日時: 18/06/2021

「よし、受付は完了でさぁ、相手は連戦ですぜ、旦那は運がよろしいようで。」

賭け試合のようで、観客の大半はサミュエルの対戦相手に掛けた様子。

もちろん、大穴を狙ってサミュエルに賭けた者も少数いた。

その賭博の元締め兼受付の者に荷物とフリードを預け、サミュエルは盾と剣を取り出す。

そして胸元にあるペンダントを見つめた。

砕けた白い石が嵌まっているそのペンダントの裏には、祈りの言葉が刻まれている。

「光を見いだす者は幸いである、その人は必ず救われる。」

砕け散った白い石は、何を隠そう、30年前のあの日、魔王妃の剣を受けて砕け散った物である。

そして利き腕である右手に握られた長剣の刀身を見つめる。

長年仕舞い込んでいたと言うのに、鏡のような刀身には錆びや染みどころか、擦り傷すらない。

古めかしい作りで細身のこの剣は、あの日魔王妃から奪い取り証拠として持ち去ったものである。

言い伝えでは、この砕けた白い石は聖人の骨である。

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