臥待ち月の情人 〜月曇り〜
げておりました
訪れた、隠れ
にして馴染みの男娼、夕に差し出す。 艶やかに笑って、夕は薔薇を受け取りそ
の着物に、白地に金の縫い取りの帯を腰の低いところで結んでい
る俺を、夕の
へ……夜も更け
器やお猪口も、見たことのないものに変わっている。 隣の部屋に続く襖も張り替えられていた。 変わら
月さ
する俺の顔を覗きこ
たか…何か、気に
…い
備で、お疲
ってい
は
こでは何も隠すことが出来ない、
きさらぎりゅうせい)。襲名
いない。一人息子という理由で担ぎ出されたが、要はお飾りの組長を作り上げ、幹部連中が牛耳るつもりなのだろう。今まで一般人に紛れて暮らしてきたが、とうとうそうも言っ
酒はお控えに
いるぐらい
傾けた。 今日の料理は特に豪勢で好物ばかり用
ろうとも、極道の家に生まれたからにはそれなりの覚悟がある
か。いつも通り…か、趣向を変
したように、
姿」があれば、
姿
似ているのだ。秋葉(あきば)に。 その風貌に惹かれ、俺は耐えられなくなる度にこ
なりと、と
のお望みをお聞か
か夕は妖艶に微笑み、俺の目をじっと見据えた。 肝の据わっているところ
ったら
ました、と答えて
に繋がる襖を開けると、備え付けの桧風呂があり、白い湯気がもうもうと上がっている。 そ
がないと高をくくっている自分が半分。 どれほど夕が秋葉に似ていたって所詮は他人だ。どんなに似せたところで抱いているう
息吐き出したところで
します
思って俺はゆっく
う呼ぶ。 秋葉は、俺に極道のすべてを教える教育係であり、義兄弟の盃を交わした兄貴分だっ
秋葉