searchIcon closeIcon
キャンセル
icon 0
icon チャージ
rightIcon
icon 閲覧履歴
rightIcon
icon ログアウトします
rightIcon
icon 検索
rightIcon

Yokubo no Yamini Furisosogu eien no Shunkan

すでに別の男の妻なのでお構いなく

すでに別の男の妻なのでお構いなく

Monica Moboreader
【純潔】結城紗良は、相沢蓮司を愛した。 周知の盲愛。塵のごとき卑屈。 蓮司の心に、忘れえぬあの女しかいなくとも。 年の大半を、海外のあの女に捧げようとも。 あの女がすでに、蓮司の子を身籠っていようとも。 紗良は、蓮司に結婚を乞うた。 迎えた入籍日。あの女の帰国。役所に、蓮司の姿はなかった。 蓮司に捧げた七年。紗良の未練は、完全に死んだ。 連絡先を完全遮断。彼の住む街に、背を向けた。 蓮司は嗤う。どうせすぐに戻るだろう、と。 だが、役所の前。見知らぬ男と婚姻届を掲げる紗良の姿。傲慢な御曹司の狂乱。……後日、未練がましく紗良に追いすがる男の姿が幾度も目撃される。「紗良、すまない、俺が愚かだった。もう一度だけチャンスを!」 応じるのは、女の冷淡な声。 「いい加減にして。私、もう結婚してるの」
都市 裏切り離婚逃げ花嫁ヒロイン目線癒し系
アプリで小説をダウンロード

世界の敵が、泣いていた。

「うっ、うっく、うう!」

 晴れた天気の下、すすり泣く男の子がいる。頭上に広がる青空に反し彼の様子はしくしくと雨模様だ。塀に囲まれた家の裏庭では壁が影になっており、固い地面の上で少年は独りぼっちでうずくまっている。

 ここには彼以外誰もない。心は荒れて、涙をいくら流しても。それでも彼を慰めようとする人はいない。

 なぜなら。

 この世界に彼の味方はいない。ずっと一人で、彼はいつも泣いていた。

 しかしこの時、俯いていた視界に足が映り込んだ。少年は顔を上げてみると、そこには知らない子供がいた。

「うわあ!」

 同い年くらいの白いワンピースを着た女の子だ。目の前の少女は金色の短い髪をしており、丸みのある瞳や体型は人形のように可愛らしかった。

「き、君は誰!?」

 会ったことも見たこともない少女だ。親戚か、近くに住んでいる子だろうか。少年は聞き、問いに少女はワンピースの裾を持ち上げ小さく頭を下げた。

「はじめまして、|我が(わが)|主(あるじ)。私のなまえはミルフィアといいます」

「あ、初めまして。僕は|宮司神愛(みやじかみあ)っていいます」

 ミルフィアと名乗る少女につられて|神愛(かみあ)も頭を下げる。なんとも礼儀正しい、というよりも大仰なあいさつに面食らってしまう。まるでお城の舞踏会で出会ったようだ。

「えっと、名前は分かったけど……。どうして僕の家にいるの?」

 当然自分の家に知らない人がいればおかしい。やはり知らない親戚だろうか。それで|神愛(かみあ)は聞いてみたのだが、しかし。

 彼女の答えは驚きのものだった。

「私があなたの|奴隷(どれい)だからです、主」

「奴隷!?」

 眉が曲がる。突然の奴隷宣言。この少女はなにを言っているんだ?

「えっと、どうして君は僕の奴隷なの?」

「あなたが、いにしえの王だからです」

「え?」

 唖然(あぜん)となる。反対に微笑むミルフィアの頬は可愛らしい。しかし話はまったくかみ合わない。

「えっと、ちょっと待って。ん? え!?」

 考えてみたけど無駄だった。どういう意図で言っているのかさっぱり分からない。なにかの遊び? いたずらか、もしくは罰ゲームか? |神愛(かみあ)は誰か見ているんじゃないかと辺りを見渡してみたがここには二人以外誰もいない。

 少女の言っていることは意味不明だが、しかしこれだけは確かに言える。

「ううん、僕はそんなんじゃないよ」

 そんなことあってたまるか。そんな気分だ。

「いえ、|宮司(みやじ)|神愛(かみあ)。あなたこそが私が仕えるべき王なのです」

「そう言われても……」

 真顔で言ったのだがミルフィアは否定する。かなりの強敵だ。|神愛(かみあ)は肩を落としつつ、彼女の青い目を見た。

「どうしてぼくが、いにしえ? の王様なの?」

「あなたが王だからです、わたしの主」

(いや、そうじゃなくて)

 返ってくる答えが答えになっていない。

「僕が王様の理由を教えてよ」

「理由などありません。あなたは初めから王であり、わたしも初めからあなたの奴隷なのです」

 そう言われてはお手上げだ。|神愛(かみあ)は「はあ」と呟く。

 それでも自分が王ではないのは確かなので、|神愛(かみあ)は分かっていない少女を説得させようとする。だが、説明に移る前、嫌なことを思い出してしまい表情が暗くなった。

「僕は、そんなんじゃないよ。むしろ逆なんだ……」

 |神愛(かみあ)はつい先ほどまで泣いていた。その理由が胸を重くする。

「知ってる? 僕たちが住んでいる世界とは別の世界に、三人の神様がいるんだって」

 |神愛(かみあ)は目線を空へと向けた。雲一つないきれいな青空だが、見たいのは空の景色ではない。さらにその先、

 ――|天(てん)|上界(じょうかい)だった。

 |天(てん)|上界(じょうかい)。それはこの世界、この宇宙のさらに先にある神の|居城(きょじょう)、神々の世界だ。そこには|三柱(みはしら)の神と呼ばれる三人の神がおり、人々が暮らす|天(てん)|下界(げかい)に神が創ったルールを設けている。

「だから、みんなは神さまが作った教えを守って生きている。みんなは生まれる前に、三人の神さまから一人を選んで生まれてくるんだって」

 |神愛(かみあ)は説明する。それは|天(てん)|下界(げかい)の常識、ここでのあり方だ。|天(てん)|下界(げかい)にいる者はみな神の教えを信じ、信仰者と呼ばれている。|天下界(てんげかい)に生きる者は生まれた時から信仰者なのだ。

 だが、|神愛(かみあ)のその言い方は、まるで他人事のようだった。

「でも、僕はそうじゃないんだ。神さまなんか知らない。僕だけがそうなんだ。だから友達もいないし、いつもみんなから駄目な奴だって言われてる……」

 |神愛(かみあ)は落ち込み視線が空から地面に落ちる。自分の足元をじっと見つめ、悲しそうに目つきが細くなった。

 無信仰者。それが神愛(かみあ)の泣いている原因だった。世界の敵。信仰者しかいない|天(てん)|下界(げかい)で無信仰者など最大の異物だ。許される存在じゃない。

 生まれてきたこと自体が誤りの、誰とも相容れない者だった。

「そんなことはありません」

 だが、聞こえてきた言葉に顔が上がる。そこには自信に満ちた表情のミルフィアがおり、神愛(かみあ)の悲しみを励ましていた。

「主は偉大な王です。あなたに、出来ないことなどありません」

「で、でも……」

 ミルフィアの言葉に困ってしまう。自分が王であるはずがないし、そもそも、神愛(かみあ)が置かれている立場は王どころか普通の人よりもひどいのに。  

「ぼく……、いじめられてるんだ」

 再び視線が下がる。自分がいじめられていること、誰にも相談したことがない。唯一の無信仰者に味方などいるはずもなく、故に神愛(かみあ)は一人で泣いていた。

 しかし、ミルフィアは駆け足で近寄ってきた。

「主が? そんな! それはいつですか?」

「え?」

 ミルフィアは神愛(かみあ)の手を両手で握ってきたのだ。女の子に触られるなんてことは初めてでドキリとしてしまう。

「その、ついさっき」

「なにをされたのですか?」

「石を投げられた」

「だれにですか?」

すぐ読みます
天下界の無信仰者(イレギュラー)

天下界の無信仰者(イレギュラー)

奏せいや
 三体の神が神理(しんり)と呼ばれる法則を作り出した世界、天下界(てんげかい)。人々は三つの神理のいずれかを信仰しその恩恵を受けていた。  そんな神が支配する天下界で神愛(かみあ)は唯一の無信仰者だった。迫害を受けて育つ神愛だがそんな彼の前に自称奴隷を名乗る少女ミルフィアが現れる。なぜ神愛は無信仰者なのか。ミルフィアはなぜ現れたのか。  輪廻する運命によって二人は出会い新たな戦いが始まる。  これは新たな神話。  神の秩序を揺るがすイレギュラー、ここに開幕!
げんかん
アプリで小説をダウンロード
別れた翌日、私は“億”の女だった

別れた翌日、私は“億”の女だった

月城 セナ
愛のためにすべてを捨て、三年間“理想の妻”を演じてきた鳳城夢乃。 だが、夫の心にはずっと「初恋の人」がいた。 報われぬ想いに終止符を打ち、ついに彼女は別れを告げる――「本気出すわ、私」。 その翌日、SNSは騒然。正体はなんと、億万資産を持つ若き実業家!? 甘くて痛快な逆転劇。 彼女が本当の自分を取り戻したとき、かつての夫がまさかの土下座会見で…?
都市 億万長者強気なヒロイン離婚現代
アプリで小説をダウンロード
爺さん(元国王)旅に出る!

爺さん(元国王)旅に出る!

kannta.bile
割とダークです。剣と魔法が出てきます。
冒険
アプリで小説をダウンロード
離婚した元妻が、美しくなって帰ってきた

離婚した元妻が、美しくなって帰ってきた

灰原 燐
五年間、彼のために生きてきた。 結婚生活の中で、藤原澄音は妻というより“便利な保姆”だった。 出産の痛みも、命の危機も、彼の心を変えることはなかった――離婚届だけが彼女に残された現実。 だが、あの日の涙はもういらない。 五年後、華やかに舞い戻った彼女は“藤原社長”としてビジネス界の注目の的。 そして再び出会った元夫は、子どもを理由に復縁を迫るが…… 「この子には母が必要。でも私は、あなたを必要としてない」 すべてを失った女が、すべてを手にする爽快逆転ラブストーリー。
都市 億万長者強気なヒロイン無関心魅力的離婚一夜限りの関係甘美ロマンス現代
アプリで小説をダウンロード
裏切り夫に捧ぐ炎

裏切り夫に捧ぐ炎

緋村剣心
25歳になるまでは、誰もが彼女を「最も幸運な女」だと言っていた。 都で名を馳せる御曹司が一目で心を奪われ、たとえ彼女が脚に障害を抱えていても娶り入れ、決して見捨てることはなかった。 だが、真心を捧げたはずのその枕辺の人こそが、自分の脚を奪った黒幕だった――! 彼女は炎の中で過去の弱く惨めな自分に別れを告げ、新たな道へと踏み出すのだった。
御曹司 身代わりの妻復讐離婚再会一目惚れ
アプリで小説をダウンロード
私の吐息を奪って

私の吐息を奪って

雪田 結梨
  「この女を追い出せ!」   「この女を海に捨てろ!」   デビーの身元を知らなかった頃、カルロスは彼女のことを冷たく対処した。   「あなたの奥様ですよ。」とカルロスの秘書が言った。それを聞くと、カルロスは冷たい目で彼をにらみつけ、「どうしてもっと早く教えてくれなかったんだ」と怨み言を言った。。   それ以来、カルロスは彼女を甘やかしてきた。が、二人が離婚するとは誰も思わなかった。
恋愛
アプリで小説をダウンロード
強制離婚したら、オレ様社長の子供を拾ってしまいました!

強制離婚したら、オレ様社長の子供を拾ってしまいました!

鈴木夢
子供を産めない体質だった清水瞳は、不本意な離婚を強いられ、四年間の結婚生活に終止符を打った。 傷ついた心を癒やすために地方の小さな町へ移り住んだが、そこで偶然にも一人の男の赤ん坊を拾うことになる。 孤独を埋めたいという私心から、清水瞳はその子供を手元に残し、育てることを決意した。 それから四年後。清水瞳が暮らすアパートの階下に、ピカピカに磨き上げられた高級車の車列が止まった。 天草蓮は一枚のカードを取り出す。「ここには4000万入っている。この四年間、俺の息子を育ててくれた報酬だと思ってくれ」 清水瞳はとっさに子供を背に庇った。「この子は私の子供よ、絶対に離れ離れになんてならないわ!」すると、
都市 元妻離婚ヒロイン目線
アプリで小説をダウンロード
100年越しの月下美人

100年越しの月下美人

小桃
御子柴聖七歳は代々古くから伝わる陰陽師一家で一族の中でも聖は逸材だった。 しかし十年前に大妖怪八岐大蛇に一族を惨殺され、右脚を失った聖に八岐大蛇は呪いを掛ける。 自分の命を吸い尽くす月下美人の呪いを解く為に十年の時を経て十七歳になった彼女は百鬼夜行と戦う事になる。 その先に待っているのは…。
げんかん
アプリで小説をダウンロード
叔父様は、私の元カレ

叔父様は、私の元カレ

夜空 梨花
2年間失踪していた元恋人が、今まさに付き合っている恋人の叔父という衝撃的な姿で、芳村智子の前に現れた。 人前では、宗谷颯介は他人を寄せ付けない、クールなカリスマ経営者。 しかしその裏では偽りの仮面を剥ぎ取り、彼女を永遠にベッドに縛り付けて独占しようと目論む、病的な狂人だった。 彼の異常な支配から逃れるため、芳村智子は車椅子に乗りながらも絶大な権力を握る、冷徹な男に助けを求める。 彼の権力と庇護を利用し、自由を勝ち取ろうとしたのだ。 芳村智子は当初、六条今安を優しくも非情な実業家だと思っていた。 しかし後に、自分が彼の仕掛けた罠に次々と嵌められているだけだと気
都市 有名人CEO傲慢/支配三角関係転生
アプリで小説をダウンロード
五年間の欺瞞、一生の報い

五年間の欺瞞、一生の報い

水無月理子
私は有栖川家の令嬢。幼少期を児童養護施設で過ごした末に、ようやく探し出され、本当の家に迎え入れられた。 両親は私を溺愛し、夫は私を慈しんでくれた。 私の人生を破滅させようとした女、菊池莉奈は精神科施設に収容された。 私は安全で、愛されていた。 自分の誕生日に、夫の譲をオフィスで驚かせようと決めた。でも、彼はそこにいなかった。 彼を見つけたのは、街の反対側にあるプライベートな画廊だった。彼は莉奈と一緒にいた。 彼女は施設になんていなかった。輝くような笑顔で、私の夫と、彼らの五歳になる息子の隣に立っていた。 ガラス越しに、譲が彼女にキスをするのを見た。今朝、私にしてくれたのと同じ、愛情のこも
恋愛 裏切り復讐偽りの恋キャラクターの成長離婚
アプリで小説をダウンロード

人気検索

お互いの光になれ 復讐の道:忘れられた善良 縦の糸と横の糸はいずれ織りなす 喧嘩カップルからラブラブ夫婦へ 運命の恋:再婚夫婦 父の親友が私のフィアンセなの?!
MoboReaderアプリで読む
開く
close button

Yokubo no Yamini Furisosogu eien no Shunkan

蒼海本棚でYokubo no Yamini Furisosogu eien no Shunkanに関連する書籍を発見してください