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Yokubo no Yamini Furisosogu eien no Shunkan

大統領の妻をやめたら、マフィアのドンがパパでした。

大統領の妻をやめたら、マフィアのドンがパパでした。

Rabbit4
【復讐×逆転劇×溺愛×後悔】 大統領と秘密裏に結婚して3年、藤堂柚は愛のない結婚生活に耐え忍んでいた。 母親の葬儀の場に、夫の長谷川彰は思い人である柏木詩織を伴って出席した。彼が放った「おばさん」という冷たい一言が、3年間の情を完全に断ち切った。 さらに皮肉なことに、母親が8ヶ月もの間待ち続けた移植用の心臓は、あろうことか長谷川の手によって奪われ、彼の愛する人へと与えられていたのだ。 「愛されていない方こそ、泥棒猫なのよ」柏木詩織は彼女の耳元でそう嘲笑った。 藤堂柚はついに見切りをつけ、離婚届にサインをしてその場を去る。 これからは孤独に生きていくのだと思っていた彼女だが、予想外の光景が待っていた——。 大統領府の外には高級車がずらりと並び、黒服の男たちが一斉に深く頭を下げたのだ。「お嬢様、お帰りなさいませ!」 A国中を震え上がらせるマフィアの首領が、彼女を壊れ物のように優しく抱きしめる。「柚、20年間ずっと君を捜していたんだよ」 そう、彼女は孤児などではなかった。 五十嵐家における唯一の愛娘であり、4人の兄たちが目に入れても痛くないほど可愛がる妹だったのだ。 しかも兄たちは皆、各界の頂点に君臨する大物ばかり。 その日を境に、藤堂柚の人生は「溺愛」一色に染まっていく。 一方、大統領である元夫はといえば—— 五十嵐家の門前で膝が擦り切れるまでひざまずき、復縁を求めて三日三晩起き上がれずにいるという。
都市 マフィア離婚ドラマチック世界観-都市
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遮るものがない一面のガラス窓。

透き通った空、日差しが窓に降り注ぎ、はっきりと浮かぶ青々と美しい…富士山。

ここは、富士山世界遺産センター。窓ガラス越しにシャッターを切る。

すると、光の加減でうっすらとスマホを持つ僕が映り込んだ。

 僕の名前は去来川唯生(さきかわゆいき)。

今日は、会社の社員旅行。コロナ渦もあり近場で日帰り。

雄大な富士山を臨む河口湖で景色を楽しみ、鳴沢氷穴では、ひんやりとした洞窟内に無数にできた氷柱が並ぶ神秘的な自然の世界を堪能した。感染者数は落ち着いてきたが、コロナが完全に消えていないこの時世もあり、皆、マスクをし、例年より静かであった。それでもそれなりに社員旅行を満喫していた。昼飯は山梨名物ほうとうを食べた。

そして、最後に立ち寄ったのが、富士山世界遺産センターだった。

 旅行から帰ると、写真をいくつかピックした。河口湖と富士の圧巻の景色や魅惑的に輝く氷穴の氷柱、それにお昼のほうとう。ふと世界遺産センターで写した写真に手が止まった。若干、僕がガラス窓に映っている。

僕は、以前から趣味でSNSに写真をアップしていた。写真映えするスポットを積極的に探して写真を撮ってるわけではないが、なにとなく日常で気に入ったものを写真に写し投稿していた。僕のモットーは人が映り込んでプライバシーや肖像権の侵害にならないこと。必ず人が写らないように気を付けてシャッターを切っていた。

(これはやめようか。)自分の顔だし、顔自体もスマホで隠れていたけど、なんとも人間臭さが残る。そう思い僕が今までアップしてきた写真を改めて見直した。富士山や四季折々の花々、夕焼けや朝焼け、雨露のしたたる景色や歴史文化財の写真、美味しかった食べ物たちが並ぶ。今度は逆に、人が全く写っていない写真の数々がなんだかやけに不自然に感じた。SNSの名前も、“四季折々(しきせつせつ)”という個人名が想像つかない名前で、このSNSの主はどのような容相の何者なのか分からない。まるで小型のドローンカメラが自動的に写真を拾ってきたようで人の息を感じる要素が少し足りなく感じた。

(たまには、顔が隠れた姿がほんの少し写っててもいいのかな。)だけども、やっぱりなんだか不釣り合いだった。なるべく心が動いたとっておきの景色を収めてきたのに、こんな不格好で何の絵にもならないような男が、またこんな安価なスマホを掲げてるところなんて見たら、今までの写真を汚してしまう。それは一目瞭然なのに、もう少しだけこのSNSの写真に息を吹き込みたい気がし、揺らいでいた。

 僕はスマホに内蔵されている過去の写真をくるくるとスクロールして眺めていた。SNSに投稿していない写真がたくさん撮りためられていた。ふと、一枚の写真で指が止まる。

車の窓越しから撮影したひまわり畑の写真…。

(一昨年の夏、か…。)

脳裏に満面の笑みで微笑む“彼女”の顔が浮かぶ。否、付き合ってはいない。彼女は、一昨年の新年に催された同窓会で、久々に会った元クラスメートの八弥子(ややこ)。

同窓会の日、宴会がはじまってから皆大分飲み食いし、にぎやかになった頃に、隅の方で親友の和也と二人だけで喧騒をさけるように静かに語らっていた僕の隣の席に八弥子はやってきたのだ。突如、僕の手前のテーブルにカランと空のグラス置き、

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