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灼熱の日差しが照りつける夏空。
カフェの磨かれた窓ガラスを突き抜けて僕に光がぎらつく。
店内は冷房を強めに効かせていたが、真昼間の太陽には敵わないといった感じだ。
暑い、暑いと汗が頬に流れ絡むみつき、先ほどから緊張気味だった僕の心拍数を更に上げた。
テーブルにはホットコーヒーと手帳。
白いコーヒーカップの取っ手を掴みながら、僕は、
(なんでホットなんて頼んだんだろ。)と後悔した。
サイフォンで淹れたコーヒーは冷やさずにそのまま飲みたい、
僕の変なこだわりは夏の暑さには堪えかねた…。
ここのカフェを僕は気に入っている。
ワンコインと少しの値段で店主こだわりのコーヒーが飲める。
お財布にも優しい割りに、ほんの少しセレブのような優雅な気分が味わえる。
それでいて店内も洒落過ぎず、シンプルに落ち着いた様相で、仕事をするのにも集中できるのだ。
僕はスプーンを右手でつかみ、左手でコーヒーカップを押さえてそうっとスプーン
でかき混ぜた。
少しでも冷めるように…なんて、要領が悪いことをしたものだ。
スプーンでかき回している時もドクッとドクと心臓が脈打つ。
暑さのせい、にしたって震え過ぎだ。
そうして額の汗から目を守るように目細め店内の入り口を見た。
腕時計の短針は12を、長針は6を指していた。
(12時半…)
カランカランと乾いたベルの音がした。
扉は開き、カジュアルなTシャツと7分丈パンツの男性が入店した。
「やあ!」
男性はさわやかに右手を挙げて挨拶をした。
僕はふぅっとため息が漏れた。
僕は、僕は…彼を待っていた。
彼は滑り込むように僕の向かいの席に座った
「どうした、こんな暑い日にホットコーヒーなんか持っちゃって。」
「僕、そんなに変?」
ビクリとした僕は慌てて答えた。
彼はニヤリと笑った。
「顔が上気してる。」
彼の艶っぽささえ感じるたくましい指―人差し指が、僕の顔を指した。
カップとスプーンに添えたままの僕の手は、ガタガタと震え滑らせて膝の上へ返した。
そして僕は頭をぶるぶると振るった。
「ハハハ!」
彼はそんな僕がおかしかったのか陽気に笑い飛ばした。
僕はこれ以上笑われるのが堪らないという気分で彼に許しを乞うように見つめた。
彼はそれを理解したのように表情を真面目腐った顔に戻し
「以前は仕事の依頼、ありがとう。」
と言った。
「いえ、こちらの方こそ。いい作品になったよ。お陰様で。」
彼は座ったまま僕に軽く会釈をし、顔を上げる時に目がキラリと光った。
「こうみえて、僕、仕事が少ないんだよね。
僕の絵、こだわり過ぎててさ。
僕が気に入ったブランドの挿絵しかしたくないんだよね。
普遍的に蔓延することで人気や人望って得るものだけどさ、
僕はどうしても自分の絵を安売りしたくない。
イメージに合うものしか仕事したくないんだよね。」
そう言う彼の仕事は、イラストレーター。
フリーランスで仕事してる。昔は大手の企業で働いてたらしいが1年と経たず辞めたそうだ。理由は今の言葉通りなんだろう。
彼が手掛けた製品といえば、オーガニックで環境保護活動にも寄与している高級化粧品ブランドのパッケージデザイン、が主かな。
あとはフェアトレードの食品のパッケージ。
人にも地球環境にも優しいブランドものしかイラストを提供したくない、というのが彼のモットーだ。
いい心意気だ。だけどそう仕事も多くないだろう…。
「成田さん(―僕の名前)、
一昨年、昨年と続けざまに小説、ベストセラーおめでとう!
そんなに売れるなら、