臥待ち月の情人 〜ふしまちづきのこいびと〜
古びた日本
かけないのにも関わらず、いつでもその庭は整っていて、玄関先の大きな桜の樹のしたに、花びらが散っているのすら見かけるこ
ろかその屋敷は、ふかく夜が更ける
外れを訪れた。 小雨が降り始めた。 噂を信じて買い求めた、骨
は、入れてもらえないのだと聞いたことがあった。 門の前までたどりついて、建物の大きさにひと呼吸した。 あたりに車通りはなく、静まりかえった夜更けの日本家屋。
りは止み
。濡れ羽色と表現するのにふさわしい黒髪は長く、ひとつに結って、背中に流れている。
しており
あの、
手と足が一緒に出そうになりながら私は進み、彼の手をおずおずと掴んだ。
されたのは、回廊のずっとずっと奥だった。 障子がするすると開くと、ほんのりと明るい座敷に通された。 新しい畳の良
くまでおくつろぎ
上げるのを待って
のですね。ここは
た私に、軽く首を傾け
でございます。食事のあとには、
……
、音もなく開けた。 私は口を開けたまま、息を飲んで固まってしまった。 庭園を望める大きな窓、白い湯
っ……半信半疑で
してよろしいですか?
っ…
。もちろん、お迎えする私共も同じでございます。もし
。わずかに白檀の香りが漂ってきた。 青年は熱
びください
ゆう)という青年から