小悪魔な君を、甘やかしたい――病み系社長の愛情攻撃
たのか、静かにうなずいた 「たしか、あなたの嫁ぎ先は近年勢いのある朝倉家
彼女は一ノ瀬澪の
答える。「最近立ち上げた新エネルギ
力の価値はある。ただ、朝倉奏真という男は功を
しながら語るその姿は、まるで冷静
針のような鋭い警告が突き
ているのなら、私はこの願いを受け入れてもいい でもね…近頃、海ノ宮で噂されてい
してから、はっきりと言った。 「朝倉家のことではありません。
空気を切り裂くように
ていた一ノ瀬澪も、ふと顔を
も、思わず声を漏らす。 「今、白川家を
かにうな
ない影が宿る。
た。 一ノ瀬家との提携を足がかりに、立て直しを図ろうとし
躍を遂げた。 そしてその勢いのまま、伯母が心血を注いできた会社を、容赦ない競争
渡してこう言った。「信じる相手を、間違えちゃいけないよ。
るなどとは、どうしても信じることができなかった。そして辿り
の声には、決して揺るがない意志があった。「もし一ノ瀬家が、伯母には力が足りないと判断されるなら――そのときは、遠慮なく
まなざしで、南音を上から下までゆっくりと
も目を逸らせなかった。そしてようやく、静の声が柔らかく響いた
ノ瀬 静はふっと微笑んだ。 「それは
ノ瀬家が苦しい時期を迎えたことがあってね。 私はこのネックレスを質に出して、ほんの少しだけど、時間を稼いだの」
の場に立ち尽くしていた。どう
運んできてくれたの。 だから今度は……君にとっての、お守りになってくれるといいわね」 そう言って静はゆるやかに身を翻
ち上がり、当たり前のように彼女の隣に歩み寄っていた
唇をきゅっと噛みしめ、何も言
きながら、彼女はそっとネックレスに触れ
た。 「心配しなくていい。……ばあ
て、思わず
やかで、どこ
、さっと視線を逸らした。まるで、
伯母さんは、地に足がついてる。君のあの“超ド級の俺様気質”の夫より、よっぽど信頼できるよ」
目を丸くする。とんでもない言い回しだ――けれど、妙
、澪の目尻もほんの少しだけ
、そうだ。
を進めていた。南音はふと思い出し、ハッとして
たりと止まった。ネックレスのチェーンが、髪
。しまいには、ええい面倒だとばかりに髪ごと引きちぎ
た。返事をする間もなく、澪がすっと背後に回る。
身を引きたくなったけれど――これくらいで
ままじっと立ち尽くした
、絡みがひどくて ……髪
痛みに備えて呼吸を止めた。 ――そ
その瞬間、チェーンが外れ、澪の両手
の隣には、朝倉 雪織。怒りを露
の鋭い針のように――朝倉奏真
から怒鳴られ、会場を追い出されそうになったばかり
まさか、自分の知らぬ男と親し
怒声をぶつけた。「どうりで今日はやけに冷たかったわけだ!あれこ
なたが今まで毎回、私を宴会に連れてこなかったのはどう
まった奏真を横目に、隣の
えきれないかのように、
こはさすがに大事な場なんだから、 少しは言動を慎みなよ? 万
っきりと。「不倫」「奔放」といった印象
点に達し、南音の手首を乱
帰れ! これ以
」冷ややかな声と共に、奏真の腕がぐ
ずに、勝手に連れ出そう
った眉と、切れ長の艶やかな瞳。まるで笑っているか
」 その男が、あまりに若く、あまりに整いすぎた顔をしていたからか。奏真の中で、軽蔑と侮りが入り混じ
に、こう名乗った。 「……あいにく、ここでは『出しゃば